僕の魔力
「では、こちらも実践と行きましょうか」
「やった!」
リナ先生に魔力通しが成功したことを報告したら、魔法の練習をしていいことになった。
最初は魔法の知識だけ教えてもらう予定だったんだけど、勉強してるうちに使いたくなっちゃってずっとリナ先生にお願いしてたんだ。
まだダメだ、早いっていわれてたのにOKしてくれるとは。
「君のことです。仕組みについては理解しているでしょう」
「うん。出力を変えれば行けるんだよね」
「ほぼ正解です。ではこれを魔力で満たしてください」
リナ先生に渡されたのは青いボール。
大きさは野球ボールくらいかな。ビー玉みたいな色できれいだ。
魔力を満たすって言ってたけど……取り敢えず魔力を流してみるか。
うん? これ、全然魔力を通せるような。
あの魔力を通しやすい棒よりも通しやすい。むしろ吸い込まれてるような。
「ふむ……」
「先生、これ」
握ってる間みるみるうちに魔力が吸い取られている。
体内の魔力がどんどん減っていくのが分かる。この調子じゃ30分くらいで空っぽになりそう。
多分それを意図してリナ先生はこれを渡してくれたんだろうけど、それにしてはリナ先生の表情が厳しい。
「一度渡してくれますか?」
「はい」
僕の魔力を吸ったからなのかボールはうっすら発光している。
五分くらい触ってたかな。
こんなに魔力が減ったのは初めてだ。結構疲労感がある。
「これは“魔力玉”と言うマジックアイテムです」
「マジックアイテム!」
「別名が十分玉。名前の通り、10分で触れた者の魔力を吸い取る道具です」
なにこれ怖っ。
そんなもの渡してきたのリナ先生。
確かに物凄い勢いで吸われてたけど……。
「よほどの熟練者でもない限り、体内から魔力が半分減ると立っていられないほどの疲労感に襲われます」
「確かにちょっと疲れた感じはする」
「初めてなら座れた瞬間から倒れてもおかしくないんですよ」
だからそんなものを気軽に渡さないでって。
しれっと言ってるけど結構危ないことしてるよね?
「ですがヒカル君には余裕がある」
「耐えれるのはいいことじゃないの?」
「耐えれた理由として考えられるのは、初めて魔法を使った時に耐性が出来た。もしくは、この玉の許容値を超えた魔力を持っているということ」
ふむ。別段悪いことには聞こえないけどな。
でもリナ先生の表情を見る限り、いい事でもないみたい。
おそようございます。
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登場キャラの容姿描写を入れていないことに気づいたけど挟むタイミングが分からない今日この頃




