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不意打ち



善は急げ、ということで翌日。

グラルドさんに聞いてみたら魔力通しの練習をしている兵士さんがいるとの事なので見学させてもらう事に。


「一応言っときますが、礼儀もなってない者ばっかりですので、そこは勘弁してください」

「うん。そこは大丈夫」


僕が普段暮らしているでっかい屋敷から少し離れた場所でグラルドさんたち兵士の人は訓練してる。

前にも一度来たことがあるはずなんだけど、その時はまだ一人で動けないくらい小さかったし、別のこと考えててたからほとんど覚えてないや。

唯一記憶にあるのは暑苦しかったってことだけ。


「それじゃ、入りますよ」


男どもの雄叫びが響く魔境へいざ。

と言うか、入口から敵意がむんむん漂って来てるんだけど。

グラルドさんニッコニコじゃん。絶対なにかあるじゃん。


「せりゃっ!」

「うわっ」


ほらやっぱり。

扉を開けた瞬間、結構な速さで足が迫って来た。

ちゃんと警戒してたから躱すことが出来たけどギリギリだったよ。よく避けれたね僕。

飛んできた子はくるっと一回転して着地、そのまま強く地面を踏み込んでまた僕に突っ込んでくる。


「こんのぉっ!」

「ほっ」


歳は僕と同じくらいかな。

流石にたくましい肉体をしてる。僕も毎日の鍛錬増やそうかな。

にしても、動きが真っ直ぐで闘牛みたい。


「クソ、なんで避けるんだよ!」

「突っ込んで来られたら避けるでしょ」

「避けたら当たんねぇだろが!」


そりゃ当たらないように避けてるからね。

でも避けてばっかりじゃ終わらなそうなのも事実だし。

チラッとグラルドさんの方を見ると、あぁもう満面の笑み。

仕方無いなぁ。


「うりゃあ!」


真っ直ぐ飛んできた左拳を掴んで、僕の体を相手の下に潜り込ませて思いっきり投げる。


「せいっ!」

「おわぁあっ!?」


練習したことないし型とかもない、なんちゃって背負い投げ。

踏ん張る時は体内の魔力が手助けしてくれるからそこまで力を入れなくてもいいのは楽だ。


「ぐ、くそぅ……」

「なっはっは。見事にやられたな」

「なんのつもり?」


僕は何も知らされてない。

サプライズは嬉しいけど内容にはちょっと不満があるぞ。

この様子じゃグラルドさんとこの子は知ってたみたいだし。


「紹介しますヒカル様。コイツはエルピス。ヒカル様と同い年の新入りです」

「……随分な挨拶だったけど?」

「なっはっは。コイツがヒカル様に嫉妬してるもんですから、直接試させてやろうと思いましてね」


それはいいから僕にも教えて欲しかったな。

投稿忘れてました

申し訳ない

誤字脱字あれば教えてください

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