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的確なアドバイス



「…………」

「……」

「…………」

「……」

「……………………っくぅ」

「一旦休憩にしましょう」


くっそぉ無理だ全然出来ない。

棒、刃と順調に魔力通しは成功して、その勢いで行けるだろうと言うわけで挑戦した剣。

兵士さんたちが実際に使うものを借りてるんだけど、これがまぁ面白いくらいに通らない。


「難しいのは事実ですが、ここまで苦戦するとは思ってませんでした」

「むぅ、困った」


さくっと魔力を通して終わりにするつもりだったんだけど。

別の鍛錬をするのも一つの手だけど、早めに魔力の扱いに慣れたい。

難しい課題を後回しにはしたくないし。


「一度通すことが出来れば簡単なんですがね」

「その一回が難しいと」


グラルドさんはそう言って、スムーズに魔力を通す。

剣がうっすらと光る様子はとても綺麗だ。

うーむ、何がダメなんだろうか。


「これに関してはひたすら練習あるのみです。地道に日々努力です」

「それもそうだね」


焦っても仕方ない。全部のことが上手く行くわけないんだし、気長に行こう。


■ロ■ロ■


とは言ったものの、早いことに越したことはない訳で。

あの剣をちょっと借りて、暇さえあれば魔力通しの練習をしていたある日のこと。

今日はリナ先生の魔法に関する勉強の日。

リナ先生、そこまで詳しくないとか言っておいてバリバリに詳しく、おかげで魔法や魔力に関する知識はかなり身に付いた。

もうそろそろ実践に移るかもって聞いて最近ワクワクしてる。


「ヒカル君でも出来ないことがあるんですね」

「僕をなんだと思ってるのさ」

「何かに苦戦するところを見るのは初めてですから」


なんだろう、ただ微笑んでるだけのはずなのに凄くムカつく。

絶対いつもよりニッコニコだろ内心。


「ま、冗談はさておき魔力が通らないのなら、何かしら原因があるはずです」


リナ先生は剣を持って目を閉じる。

それから一秒するかしないかくらいで剣はぼんやりと光を放った。

普通に凄いな。


「物体に魔力を通す時、最初は引っ掛かりがあります。そこを抜ける感覚と言うのは独特なので言い表せませんが……もし可能だったら魔力を通したことの無い人の動きを見てみるもの良いでしょう」

「人の動き……」

「目を凝らして見てみると、案外すんなり出来たりするものですよ」


結構悩んでたんだけど、直ぐに解決策が出てきた。

やっぱりリナ先生って凄い。

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