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実践あるのみ



「魔力の通し方を知りたい?」

「うん。方法だけでも知っておきたくて」


リナ先生に教えて貰った次の日。

早速僕はグラルドさんにそうお願いした。

本来なら今日は槍の鍛錬だったけど、僕がやる気を示したらグラルドさんは喜んで変更してくれた。

昨日のうちにリナ先生から鍛錬の許可を勝ち取ってある。抜き打ち小テストで満点取らなきゃダメって条件は厳しかったけども。


「それじゃ、こいつを持ってください。ヒカル様にゃちょいと重いでしょうが」


渡されたのは金属製の棒。

確かにズシッとした重みがあるけど、持てないことはなさそうだ。


「それは武器の鋳造によく使われる金属です。こいつがあると魔力の通しやすさが格段に良くなる」

「これが……」


見た目はいたって普通の金属。

灰色というか銀色というか。重さも見た目相応な感じでちょっとガッカリかも。

もう少しファンタジー的な物質だと思ってたんだけどな。


「そいつに魔力が通るとこんな感じで……」

「わぁ、キレイだね」


んー前言撤回がっつりファンタジー金属だ。

グラルドさんが持ってる同じような棒がじんわりと発光している。

色は白、のようだけどよく見ると様々な色が浮かんでは消えてを繰り返している。


「やり方は簡単。ヒカル様は魔力が動かせるんでしたよね。だったら自分の手から魔力を棒に動かせば棒が引っ張ってくれますよ」


どれどれ。

手から魔力を動かして、棒へ流すように。

お、これで行けたかな。


「ちょちょちょヒカル様、ストップ!」

「え? うわ眩しっ」


随分慌てた声に何事かと目を開けたら、僕の持ってる棒がすんごい光を放ってる。

グラルドさんの時とは比べ物にならないくらいの光。


「どうしようコレ」

「とにかく魔力を体に戻してください。ゆっくり、慎重に」


えーもう戻すの。

これからが本番だと思ったのにな。

おお戻す感覚ってこんな風になるのね。ちょっと違和感。


「そんな、全身から魔力を持ってこなくても平気ですよ。手から流すだけでも大丈夫です」


そんな全身からやってるつもり無かったんだけど。

むしろちょっと控えめにした筈だけど。


「そう、そんな感じです」

「本当に簡単なんだね」


むしろ簡単すぎて調整が難しいくらい。

でも、こんなちょっとの魔力流しても何も変わらなそうだけど。


「本来ならこれ、難しいんですがね。次は刃、そして柄って感じでステップアップしていきます」

「この感じなら余裕だね」

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