表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/170

これからは慎ましく



余韻覚めやらぬまま、僕は気が付けば部屋に戻っていた。

さっきの光景が頭から離れない。

ハッキリと見えたわけじゃないけど、忘れることの出来ない景色。


何度も小説で読んだ、“異世界転生”を自分が体験出来るなんて思っても見なかった。

ここが異世界ならあの女の子の髪が鮮やかなのも頷ける。


きっとここはどこかの貴族の屋敷で、僕はその子供。

だとするとあの女の子は姉になるのだろう。


生まれ変わった、と気付いた時は特になんの感動も無かった。

でも今その分の感動を味わっている。

せっかく異世界に来たんだ、精一杯楽しもう。


……いやダメだ。

派手にやり過ぎると、また神を名乗る変な奴に殺されてしまうかもしれない。


となればやることは一つ。

目立たないで強くなろう。あの時、結局僕はビルに圧殺された。

あそこでビルの倒壊に耐えたらまた別の道があったかもしれない。


最低限、自分の命が守れる程度の力は欲しい。

そして平和に生きよう。


何はともあれ今は順調に育つ。健康が一番だからね。



■ロ■ロ■



あの日から二、三日に一回外に出る事が日課になった。

乳母さんにだっこされて、屋敷の周りをぐるっと一周する。

何回目かの時、後ろに護衛っぽい人が着いて来てくれていることを知った。


部屋に戻ると直ぐにベビーベッドに戻される。

仕方の無い事だけど少し退屈だ。


やることも無いので今日も運動しよう、と思っていると珍しく扉がノックされる。

ノックと一緒に若い男の子の声が聞こえる。

乳母さんは直ぐに扉を開けて、その声の主を僕の所まで連れて来た。


「ϖÜ⊿…」


現れたのはやっぱり男の子。

と言ってもこの前の女の子よりは大きい。小学四年生ぐらいかな?

黒っぽい髪で、制服に身を包んでる。

緊張した雰囲気で僕の顔を覗いている。


なにやら僕の目の前で手を振っている。

一応目で追いかけてみる。案外楽しいな。


「Ш¤Ủ₩ЫЫ.ШЗ∬∬エ∦……ヒ㎈µ」


その男の子は僕の頭を撫でて何か言っている。

多分最後は僕の名前っぽい。ヒ……なんだろう。光源氏かな?


にしてもこの男の子、撫でるのが上手い。

段々気持ちよくなっていって、もう……意識が……お、や……

良ければ評価、ブックマークお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ