いつの間にかやらかしてた
「ここは公の場。子供とはいえ些か目に余る」
よく見ると公爵の隣にはデブの親もいる。
僕そんなにはしゃいでたかな。
まぁ……一向に動く気配のない僕の手を見るに、めちゃめちゃ警戒はされてるんだろうなってのは分かる。
「子供のすることだ、とやかく言うことはせん。だから落ち着きなさい」
そう諭すように言う公爵。その目は真っ直ぐ僕を見ている。
……え僕?
落ち着いてるつもりなんだけど。
「……深呼吸しろ。そんで、体ん中のヤツをいつも通りに」
団長さんの声。
反抗するつもりも無いので従ってみる。吸ってー、吐いてー。
体の中のヤツってモヤの事だよね。それを……いつも、通りに……。
「ふぅ……」
「よし、落ち着いたな」
「うん。迷惑かけてごめんなさい」
体の中に意識を向けたら、モヤが有り得んぐらいに暴れてた。
多分僕の感情に影響されたんだと思う。こんなことになってるなんてビックリ。
団長さんの言葉からして、それが大人たちには分かってたみたい。どうりで周囲の様子が変な訳だ。
「ふむ。落ち着いたようだな」
「し、しかし彼は私の息子を殴ろうと!」
「それほど、触れては行けぬ何かに触れたのだろう。儂の耳には髪色の差別発言があったように聞こえたが?」
「ぐ……それ、は……」
おデブちゃんの親がこちらを睨んでくる。
けど僕は悪くない。
挑発にのったのは悪手だったけど、仕掛けたのはおデブちゃんからだ。
「確かに、お主たちの地方では未だに恐怖が根付いているのだろう。だがエクスウェル家とは無関係だ。同じ髪色だからと言って差別は宜しくない」
「は、はい……」
「いかなる事情があろうと差別はならぬ。それは我らが王の意向。それに逆らうというのは……分かるな?」
その一言は会場全体に届く。
それだけ王様の意思っていうのは重い。逆らうだけで極刑レベルだ。
公爵様の言葉的に、おデブちゃん達にも何かただならぬ過去はあるっぽい。それとこれとは話は別だけど、まぁ少しは察してあげよう。
「分かればよろしい。さて、話は終わりだ。引き続き宴を楽しんでくれたまえ」
パンパン、と2回手を叩きその場は解散の空気になる。
おデブちゃんに謝る気は毛頭ないので一旦落ち着くために無言で外に向かう。
「ふぅ……」
「だから言ったろ。力に振り回されるなって」
外にいたら団長さんが声をかけてくれた。いつの間にか後ろにいる。
「お前が思ってる以上に、お前の力は強大だ。今日みたいな事がまた起きる可能性もある」
だから気を付けろ、と団長さんは言い残して会場に戻っていった。
最近生活リズムが狂って昼夜逆転生活になってきました
いっぱい寝るのって気持ちいいですよね(投稿遅れてスミマセン)
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