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赤ちゃんって暇だよね



早速、お母さんっぽい人が来てくれた。

っぽい人と言ってるのはお乳をくれる人が二人いるからだ。もう一人は乳母ってやつかな?

まだ視界が不鮮明なので判別がつかない。


因みにお乳の味で人が違うことは分かる。どっちが母親かはまだ分からないけど。


お腹が膨れたら急激に眠くなる。

ゲップをしなきゃいけないことは知ってるから頑張って自分からする努力を怠らない。


ゲプッ。じゃあおやすみ。



おはよう。

早いって?赤ちゃんの眠りは短いんだ。目が覚めたら寝起きの筋トレだ。そしてこれを何回も繰り返す。

この部屋には窓があるから家の外の様子が分かる。僕は大体一日に五回ぐらいこれを繰り返している。


筋トレと並行して欠かせないことが一つある。

それは耳を澄ますこと。

現状僕は赤ちゃん。五感全てが未発達なのだ。


視界はぼやけているし鼻から入る匂いは少ない。空気の味なんて部屋が変わるわけじゃないし、感覚はそこそこの肌触りの布に包まれているだけ。

唯一ちゃんと聞こえる耳をフルに使ってでしか情報を集めることは出来ない。

……まぁ喋ってる言葉の意味が分からないから半分子守唄になってるけど。


基本僕が泣かない限りは誰も来ない。

この部屋には誰か一人は絶対いるけど、積極的に僕に構う人は少ない。


取り敢えず鍛えながら言葉の意味が理解できるように頑張ろう。



■ロ■ロ■


あれから多分二ヶ月ぐらい経った。

毎日努力を怠らなかった僕は、今まで思うように動かせなかった首が動くようになり、ちょっとだけ視野が広がった。

と言っても首を横に回せるだけだし、ベビーベッドだから柵があって視界は悪い。


「ЙЬ”ШЗ∬¤~」


数日前から、いつも部屋にいる人(多分乳母さん)が僕に積極的に話しかけてくれるようになった。

まだ言葉は分からないけど、随分と嬉しそうに話すからきっといい事があるのだろう。


「ЫШЙ¤ЗЗ”¤”∦±.」


突然、フワッと体が浮く。

視界が急に動き、見慣れない景色になる。

抱っこされた?


数ヶ月ぶりのその視点は物凄く新鮮に感じて、ついキョロキョロと忙しなく見渡してしまう。

ぼんやりとだが、この部屋はかなり広い。

抱っこしてくれている乳母さんがゆっくりと部屋を歩いて回っているけど、一周するのにかなりの時間がかかっている。


「Üエロ₩ϖỦロ⊿エ╬」


何周かした後に、乳母さんは扉に指を指した。

遂にこの部屋を出れるらしい。

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