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靴を履くのも初めて



お母さんが扉を開ける。

今まであまり気にした事がないけど、僕の部屋の前には玄関のようなものがある。

いつもそこで皆靴を履いているらしい。


お母さんにならって外に出る。

部屋の前には段差がある。いつも部屋でしか歩いていないからこの僅かな段差でも慎重に行かないと。

こういった挑戦を乳母さん達はじっと見守ってくれる。

今更だけど、ありがたい。


「ヒカル、ここ座ってね」

「あい」


言葉に従って座る。

お母さんは持っていた靴を履かせてくれる。


自分の足、小さいな。

当たり前だけど、まだ赤ちゃんの足。

こんな足でも歩けると考えると、なんか少し感動する。


靴はサンダル見たいな履きやすいやつ。

圧迫感も無いし、いいな。


おそるおそる立ち上がって、1歩2歩と歩いてみる。

そう言えばこの世界に転生してから初めての靴。

歩いてみると違和感が凄い。

歩きにくくて最初こそ転びそうだったけど、少し歩いているうちに慣れてきた。


前世の経験が活きた。

一回慣れてしまえば後は普通に歩くだけ。


このまま外まで、と言う訳ではなく。

普通に歩けるようになった僕をお兄ちゃんが抱えてくれた。


「本当に凄いなヒカルは。もうあんなに歩けるなんて」

「そのうち一人でどこかへ行ってしまいそうで怖いですよ」


ぐ……乳母さんの視線が痛い。

お兄ちゃんも納得しないで!


「話は聞いていたけど……そんなに?」

「生まれて間もない内に魔法を乱発した子ですよ?なにをしでかすか……」

「あぁ……」

「しかも、明らかにこちらの意識が向いていないタイミングを見計らって。何をやらかしてもおかしくありません」


言葉が痛い。

あの風を起こした事件は本当に反省してる。

チェインちゃんだっけ、あの女の子にも注意されちゃったし。


何も知らないまま動くのは危険。

これはこの世界で生きていく中で結構重要なことだと思う。


ちょっと居心地の悪い空気のまま僕たちは玄関に向かう。


「……ほら、行こうウィズ」

「うん」


お姉ちゃんも着いてきてくれる。

まだ壁があるから、少しでも仲良くなれればいいな。


見慣れたでっかい階段を下りる。

正面の扉が開かれてる。観音開きの大きな正面玄関、流石に全開だと広い。


お兄ちゃんに下ろしてもらう。

別に外自体はよく行っている。

けど、自分で歩くのは初めてだ。少しワクワクする。


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