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初めての冒険



あの後お姉ちゃんは直ぐにどこかへ行ってしまった。


「まだ帰ってきたばかりだから、緊張しているのかもね」


ふむ。

確かに、お姉ちゃんは制服のようなものを着ていた。

だとすると、学校とかに通っているのかな?

それで今は長期休みとか、そんな感じだろう。


学校か。

前世でも学校は嫌いじゃなかった。

好きかと聞かれるとそうじゃないんだけど、また学校に通えるならぜひ行ってみたい。

なんと言っても異世界の学校だ。

魔法だって習えるかもしれないし。



■ロ■ロ■



「ほぉ……」

「……」


おはよう。

お姉ちゃんがやって来てからだいたい一週間くらい。


すっかり緊張が解けたのかお姉ちゃんは良く僕の部屋にいる。

そしてお兄ちゃんやお母さんがいなくなると必ず僕のほっぺをつつく。

……なんで?


「やわらかい」

「あう」


逃げられないのは嬉しいけど、もっとこう、うーん。


「ウィズ、もう来てたのか」


しかも、乳母さん以外の誰かが部屋に来ると直ぐに止めてしまう。

凄くバレバレだけど、本人は隠したいらしい。


部屋にはいるけど、乳母さんと僕だけの時しか近付いてこないし、近付いてくれてもほっぺたをつつくだけ。

もう少しお近付きになりたいんだけどな。


それよりお兄ちゃんがこの時間に来てくれるのは珍しい。

いつもはもう少し遅い時間だけど。


「そんなことよりヒカル、今日は冒険だよ!」


冒険!

その素晴らしい響きにテンションが上がる。けど、冒険ってどういうことだろう。


「あら、ご存知でしたか」

「実はお母様が靴を用意しているのを見つけたんだ。そしたら今日ヒカルが初めて外で歩くって聞いて。もう、いてもたってもいられなくなっちゃって」


靴と言うときっと僕の靴だろう。

と言うことは、外で歩くのかな。

外に出ることはあったけどいつも乳母さんに抱えてもらっていた。


直接靴を履いて地面を歩くのは初めて。なるほど、確かに冒険だ。


「そんなに慌てないの。お兄ちゃんなんだからもつと落ち着いて?」

「お母様」


噂をすれば。

片手にすっごい小さな靴を持ったお母さんが部屋に入ってきた。


「楽しみなのは分かるけどね」


そう言ってお母さんはお兄ちゃんの頭を撫でる。

ついでにと僕とお姉ちゃんも撫でてくれた。嬉しい。


「さ、じゃあ行きましょうか」


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