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流石にビルは死ぬよ



「ん?」


立ち上がると、いつの間にか目の前に人が立っていた。

僕の身長より全然大き(ちなみに僕の身長は165センチ)くて、何故か光っている。

髪が長く、地面に着いてしまっている。日常生活が不便そうだ。

目の前の人?は何か喋っているらしい。

だかあいにく、今は耳がほとんど機能していないので全く聞こえない。

一応聞こえないとジェスチャーしておこう。


『──あ、あーあー。聞こえます?』

「聞こえるよ」

『ゴホン。では改めて』


普通に聞こえた。どうやら向こうの手違いらしい。

光る人は続ける。因みに声も外見も中性的で性別は分からない。


『突然ですがアナタには死んでもらいます』

「はぁ」

『驚かないんですね』


いや、驚くも何も。

いきなり目の前に現れて突然死ねと言ってくる意味不明な発光ニンゲンの言葉に現実味がある訳がない。


『ふむ。では自己紹介します。私は神です!』

「はぁ」


あいにく僕は無神論者だ。

神を自称するオメデタ頭なこの人はもう近付かない方が良さそうだ。

こんな状況じゃ学校も無いだろうし、疲れたから帰ろうかな。


『そうはいきません。私はアナタを殺しに来たんですから』

「僕は強いよ?」

『ええ知っています。だから死んでもらうのです』


突然、周囲に影が差す。

不審に思って顔を上げると─


『人間は素晴らしい。素晴らしく愚かです。自らの力に奢り、分不相応に上を目指す。だから自らの建造物に潰されるなんて阿呆な事になるのですよ?』


とうとう限界になったビルがこちらに倒れて来ている。

横に逃げようにも障害物が多くて間に合わない。とは言え真っ直ぐ走ると目の前には変人。

これはちょっと詰みだ。諦めた方が良さそう。


『どう足掻いても死にますよ。死ななかったら殺します』

「最後に聞くけど、なんで僕を?」

『愚かな人類のくせに付け上がって強くなったから我々がその間違いを正してあげたのですよ』

「……なるほど」


迫り来るビルを背に、神に満面の笑みを向けて僕は意識を手放した。

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