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十割パンチ



『忘れもしない。勇者と持て囃されていた生意気な小僧……我々の土地に踏み入り、あろうことか龍王の墓を荒らした極悪人ッ』


結構恨み持ってるね。

一応言っておくけど僕には関係ないからね。


『あの鎖女さえいなければ後れを取ることなど』

「大変な思いしたんだね」

『この手で殺してやりたかった。だが勝手に死んで逃げおった』


だからって何の関係もない子孫にその恨み向けないでよ。困るから。マジで。


『なれば、その血を恨むのみであろう』

「僕とは一切関係のない話みたいだけど?」

『エクスウェル家なのだろう。ではその命をもって我が報復の一部となって貰おうかっ』


あーもう、なんでそうなる。

嫌な予感はしてたけど。


『死ねぇ!』

「お断りだよ!」


ぐぬぬぬぬ、正面からじゃ力負けしちゃうや。

うーむ、腕輪をつけた状態でもう少し動いていたいけど、コイツ相手じゃ難しそうだ。

仕方ない、取り敢えず倒すことを優先しよう。


『ようやく本気を出すか』

「分かってたんだ」


コイツやっぱりちゃんと強いや。

ただの喋るトカゲじゃない。時間に余裕があったら腕輪がある状態でとことんまで遊びたいんだけど。

もうそろそろエモルドゥが心配する。だから終わらせないと。


『来いエクスウェル。叩き潰してやる』

「残念だけどこれで終わり。もうちょっと戦っていたかったけど、時間が無いからごめんね」

『舐めるなよ人間っ。キサマが本気を出すのであれば我も本気を出してやる』

「だから終わりだって」


これは戦いであって勝負じゃない。

勝負ならドラゴンさんの勝ちだけど、戦いは僕が勝たせてもらう。

出力2割ってやっぱり楽だな。

今の感覚だと少し踏み込んだだけで地面が割れちゃいそう。

ダンジョンをこれ以上壊さないようにしつつドラゴンさんに接近。

変身中は攻撃しないのが鉄則。

だけどそれは創作の中の話。実戦中に無駄な時間を作るのは悪手だ。

ってことで。


「えいっ」

『カパッ!』


必殺でもシリーズでも無い、ただのぶん殴り。

でも充分な威力だろう。学校の体育館くらい広い部屋の反対まで吹っ飛んだ。

僕も本気でパンチしたら雲とか割れるかな。……いけそうだな。


「倒した、のか……」

「たった1人で」

「冒険者さん大丈夫ですか?」


1人は動けなさそうな雰囲気だけど、他の人たちはピンピンしてる。

あと少しでエモルドゥがこっち来そうだし丁度いいや。今日は一旦帰ろう。

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