久しぶりの再会
「今はまだ不明なことが多い。アルフヘイムや王都にも再び連絡を入れる」
「僕はどうすればいい?」
「いや、十分だ。暫くはゆっくり休みなさい」
「分かった」
あれだけ暴れたんだし、確かに疲れた。
お父さんの言う通り暫く休むのもいいかもなぁ。
「おや、ヒカル様」
「エモルドゥ」
なんだか顔を合わせるのが久しぶりに感じる。
休もうと思ってたけど、せっかくだし手合わせ願お――。
■ロ■ロ■
『…………』
「…………」
『………………はぁ』
「や、やぁ」
気が付いたら変な空間にいた。
前も後ろも左右も、どこまでも続く不思議な空間。
そして色の消えた空。
目の前には呆れ顔の女の子。
確か名前は。
「チェインちゃん、だっけ」
『……そうよ。まったく、最近大人しくしていたと思えばまた調子に乗って……』
「なんか……ごめんね」
チェインちゃんは何故か僕のことを心配してくれる。
この子が何者かはサッパリだけど、心配してくれるのは嬉しいね。
それにしても、なんでまたここに。
『いい? アナタは大事な柱なの。勝手に死なれちゃ困るわ』
「柱?」
『悪いけど、干渉させてもらうわ。その代わり答えを教えてあげる』
「ごめん、何を言ってるのかサッ――」
―パリ分からないって言おうとしたんだけどな。遅かったみたい。
久しぶりの意識暗転から目が覚めたら僕の部屋にいた。
エモルドゥの話じゃいきなり倒れたんだって。お医者さんは疲労だから休めば治ると。
ま、そんなんで治ったら苦労はしないと。
その日から僕は、魔力が使えなくなった。
体内には相変わらず魔力はある。でも魔法は使えないし魔力として体外に放出も出来なくなってしまった。
体内で循環させる身体強化も何故か発動しない。
きっと、と言うか絶対あの子が何かしたんだよね。干渉するって言ってたし。
それを知らない皆はそりゃもう、てんやわんやだった。
変な生物に襲われた直後にぶっ倒れて目が覚めたら魔力が無くなってました、なんて確かに驚くことだけど。
特にリナ先生とお姉ちゃんの慌てようは凄かった。
せっかく色々教えてくれたのに申し訳ないって伝えたら泣き出しちゃって僕の方が困ったくらい。
そんな状態でもいくつか変わらないこともあった。
魔力を取り込む呼吸法を実践すれば体内の魔力が蠢く感覚はあるし、体内でのみなら操作も可能。
つまり、表面上は魔力が消えたけど実際はそうじゃないって訳だ。
なので僕は毎日魔力を動かすことを意識して暫く過ごした。
それからあっという間に、6年の時が流れた。
はい、読者の皆様どうも。
今回で第一章、幼年期編が終わりました
投稿初めて、めっちゃ放置して、また投稿して
初めはほとんど見られなかったのに今じゃ沢山の人に読んでもらってます。本当にありがとうございます!
小説素人な私は起承転結も守破離もございません。書きたい内容の半分くらいは書ききっちゃったので、この先グダる可能性があります
それでも、完結まで続けるつもりです
なので最後までお付き合い頂けると嬉しいです
次のページはこれまでに登場したキャラクターの軽い紹介をします
外見とか年齢とか、伝えきれてない部分が沢山あると思うので(そして私も全部把握できてない)
長々とすみません
そんな訳で、これからもよろしくお願いします




