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その後2



「申し訳ありませんでしたっ!」

「うわビックリした」


話があるってお父さんに呼ばれたから執務室に向かって、中に入ろうとしたらそんな大声が飛んできた。

何事かと思って中を見てみると、お父さんとグラルドさん、あといつもの護衛の人がいた。


「え、なに」

「ヒカル様を守るべき兵士でありながらその姿を見失い、挙句の果てには戦う力もない使用人に助けてもらう始末。この責任は全て俺にあります。本当に申し」「はいストップ」


うるさいうるさい。

責任を感じてるのは分かるけどそんなに大声出さないでよ。

僕だってまだ完治した訳じゃないんだから傷に響く。


「その話は一旦置いておいて。お父さん、話ってなに?」

「あぁ。その話の為にもそっちを先に落ち着かせたいんだが……」


あぁ、そうなの。

でもこの人に対して特に何も思ってないんだよな。

だってアイツは……。


「俺は兵士の恥晒しです。これで許されるとは思いませんが、ヒカル様の言うことはなんでも聞きます」

「なんでもっていったね?」

「っ」


言質は貰ったぁ!


「じゃあこれまで通りに生活して」

「……え?」

「あの時起きたことは誰も悪くない。だから引き摺らないで。何も変わらず普段通りにして」


これが僕の願い。そして、僕も意識するべきこと。

確かに僕はニャシーを助けられなかった。でもそれを悔いるのはニャシーへの侮辱にもなる。

僕を助けたいと言うニャシーの優しさは僕がちゃんと受け取るべきだ。それはこの人にも言えること。


「……分かり、ました」

「なっはっは。やはりヒカル様は大した男だ」


はい、この話はさっさと終わり。

それよりも色々気になることがあるんだ。そっちの話を早くしたい。


「では本題に入ろう。ヒカルが接敵したあの化け物についてだ」

「やっぱり魔物じゃないんだ」

「気付いていたか。そうだ、あれは魔物の類では無い」


他の生き物からは感じない奇妙な魔力だったし、体内の魔力が見えなかった。

あの得体の知れない雰囲気は僕が全く知らない生命体だと教えてくれた。


「現在も調査中だが、今最も可能性が高いのは――」

「魔獣?」

「――……そうだ。その可能性が高い」


ついこの前近くの森に現れた魔獣と言う生物。

僕は実際にその姿を目の当たりにした訳じゃないし話も聞いてないけど、これが一番納得出来る。


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