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その後



「…………2度目だな」


1日ぐっすり寝たおかげで、頭がだいぶサッパリした。

昨日は動揺やら怒りやらで情緒が不安定になっちゃってたな。これは反省しないと。

目覚めた僕のそばにいてくれたのは昨日のメイド、フィエル。その横にはエルピスもいる。


「おはようございます、ヒカル様」

「うん。おはよう。昨日はごめんね」


気が動転して昨日はかなりやらかした。

お兄ちゃんを馬鹿にされた時もそうだったけど、親しい人に何かあると魔力が暴れる。

僕も無意識のことだけど、その影響を受けるのは周りの人だから気を付けないと。


「ヒカル様……あの」


笑っちゃいけないけど、今にも泣きそうな顔でモジモジしてるエルピスの姿はちょっと面白い。

きっと、昨日自分が役目を放棄したって思っちゃってるんだろうな。

森へ散歩に行くから帰ってきた時におやつが欲しいとエルピスには伝えていた。そのお願いを果たすために厨房にいったりと走り回っていたのだから何も悪くないと言うのに。

森には僕とニャシー、そして護衛の人もいた。

本来なら危険にさらされることなんて無いはずだったんだ。本来なら。


「大丈夫だよエルピス。こうして僕は生きてるんだし」

「でも……」

「この話は終わり。ねぇ、ニャシーの様子を見に行ってもいいかな?」


ニャシーは重症って言ってたから、人とは会えないかもしれない。

でも会えるなら人目見ておきたい。

僕が助けられなかった人の姿を……。


「…………ご案内します」


■ロ■ロ■


「幸い、命に関わるほどの傷はありませんでした。ですが未だに意識も戻らず……」

「…………」


ニャシーの傷はかなり酷いものだった。

心臓なんかの臓器には傷がなかったものの、包帯越しにも分かるほど痛々しい爪の傷跡が背中に走っている。

僕を庇ったばっかりに……。


「僕に出来ることは、ありますか」

「目が覚めないのは疲労が原因でしょう。しばらく休んでいれば大丈夫です。ですからヒカル様は普段通りにすごしてください。責任を感じることはありません。ただ、いつも通りに」

「…………はい」


僕に責任は無い。

言葉でそう言ってくれても、本当にそうだとしても。

目の前で大切な人が傷付いたと言うのに何も思わないなんてことは出来ない。

もっと僕に力があれば。どうしてもそう考えてしまう。


「強くなりたいなぁ……」


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