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カチッとハマって一気にパーン



目の前のそれを一言で表すなら、一枚の分厚い板。

板の表面に文字みたいな模様みたいなものが刻まれている。


お兄ちゃんがそれをなぞってなにか呟くと、突然光り出した。

そして、光ったかと思えば分厚い板は段々形を変えていって、本のようになった。

こういう所でここが異世界なんだと改めて思う。


お兄ちゃんは丁寧に本を開くと、とても聴きやすい優しい声でゆっくりと物語を読み始めた。



■ロ■ロ■



絵本は偉大だ。

簡潔な内容と読み易い大きい文字。それを補足する沢山のイラストはなんとフルカラー。

つまるところ今の僕にはもってこいだった。


「㎈|Ыϖ∦~」

「あぅ」

「~㎈¬.₩∬ϖЫ~」

「ばぃ」

「₩Й∩Ü∬㎈¬¬Ủ」

「うぇ?」

「±Й◇∦µШЬÜЙ±Ü…+ϖЗ」


分からないものがあれば指を指す。

そうすればお兄ちゃんは懇切丁寧に教えてくれる。

少しでも反応を示すと大袈裟に喜ぶものだから、その様子が嬉しくて片っ端から反応してしまい、物語は遅々として進んでいない。


絵本の内容は、絵から推察すると『邪悪な魔王が現れて世界がピンチになったけど異世界から現れた勇者様が皆を助けてくれる』という感じ。


絵本にしては随分絵が細かく、まだ僕の視界だとかなり目を凝らさないと見えない。そのせいでかなり頭を使うからなのか頭痛がしてきた。


言葉にも意識を割くから何気に忙しい。


「ЙϖỦЙ─ロエ∬……~Шϖ¬∦?」

「₩ϖµ~Ш」

「◇З∬ШỦ…Ш◇Ь₩─Й∬∩㎈──¤ШЙ────」


乳母さんが楽しそうに笑ってる。

最近泣かせてばっかりだったから笑ってくれると僕も嬉しくなる。

乳母さんの笑顔を見たら元気が出てきた。よし、もっと沢山……あれ、なんだか……声が、遠くなって……い………………く……。



■ロ■ロ■



…………おはよう。

猛烈に頭が痛い。ヤバい。

生前も含めて今までで一番の頭の痛みだ。そもそも生前じゃ殆ど風邪を引いたことは無いんだけど。


意識が朦朧とする。

なんかフワフワしてるし、インフルエンザの時の夢ってこんな感じなのかな。


体が熱い。そしてダルい。

そして、また意識が……遠く…………。

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