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ばったり遭遇



「…………あ」


まっずい。これはかなりマズイ。

今僕は家の裏にある森の中にいる。

いつぞやから定期的にニャシーとこの森で散歩することが定番になっている。

今日も護衛の人と3人でやってきたんだけど……はぐれた。

慣れない魔力の雰囲気が気になってちょーっとだけ足を伸ばしたらまさか後ろに誰もいないなんて。

ここまではいい。ここまでならまだいい。

問題は、目の前にいる明らかにボスみたいな雰囲気の魔物がいることだ。

独特の魔力を漂わせていたのはコイツだったのか。

さて……どうしようか。


「グルルルルルルルルゥ」

「逃がしてくれる雰囲気じゃないね」


あいにく剣は持ってない。

あの中ボスウサギ(ラフィンシェフ)より遥かに強そうな目の前の敵相手に僕が使う魔法だけで太刀打ち出来るだろうか。

いや、違うな。

別に勝たなくてもいい。今は取り敢えず逃げることを最優先にしないと。


「『かくも美しき水の精霊よ 我が歌に答えそ』っ!?」

「グルゥア!」


痛った! なんて速さだよ。

結構なスピードで詠唱したつもりなんだけど、それを簡単に上回ってきた。

咄嗟に身体強化で身を守る事ができた上でこのダメージはシャレにならない。

本格的にマズイぞ。コイツめちゃくちゃ強い。


「魔法ぐらい使わしてよ、ねっ!」


いつもとは違う、あの本に乗ってい方の魔法。

これなら詠唱がなくても発動できる。その分威力は落ちるけど仕方ない。

多少の目くらましにはなるだろう。

その間に詠唱をしないと。


「『かくも美しき水の精霊よ 我が歌に答えその滴を零したまへ』【水球(ウォーターボール)】!」


ここは森の中だけど関係ない。

僕とヤツがどっぷり浸かるくらいの広さで密度を濃くした。

普通より重い水の中なら自慢の機動力も無意味になる。

それに、これだけ派手に魔法を使えば護衛の人らが気付いてくれるだろう。


「さて、勝負開始と行こうじゃないか」

「グルルラァ……」

「【圧縮】」


この圧を受けてるのはヤツだけだ。発動者である僕には効かない。

大体25mプール1杯分に近い水をヤツの周りに圧縮させる。そうすればもう身動きは完全に取れなくなる。

その間にこの場を離れて人と合流すれば僕の勝ちだ。

圧縮は文字通り、水球(ウォーターボール)を圧縮するだけの操作だ。

中に異物があるとその異物の抵抗力が直に伝わってくる。

つまり今はヤツと我慢比べって訳だ。

ま、ここまでくれば負けるつもりは無いけどね。

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