反省会と新しい誘惑
「はっ」
「目覚めましたか。おはようございます」
見慣れた天井。と言うことはここは僕の部屋。
気を失ってる間に運び込まれたのか。
部屋にはリナ先生とニャシーもいる。2人とも随分くつろいでるね。
「体は平気ですか?」
「うん……ピンピンしてるよ」
「そうですか。では先程の反省と行きましょう」
早速ですか。
なんか、ほんっと容赦ないなこの人。
「君の優しさは一旦置いておいて。不意打ちで大技を放ったのは良いでしょう。わざわざ自分の手を敵に見せるのは良くないですが」
上を指差したヤツか。
どうしても1回やってみたくてつい。
「威力も悪くありません。それに広範囲魔法であれば速度を多少補えますし」
超巨大水球は僕の得意魔法になりつつある。
原型を残して魔力を注ぎ込み大きくする。
魔法自体は一番最初に習ったものだし調整もしやすい。
結界がなかったらもっと広く展開できるのも強みだ。魔力はほぼ無尽蔵だし。
「ですがその後、自分も事態を把握できないのは良くないです。あれじゃ敵の居場所が分かりません」
「それは確かに」
「ですが私は君の場所が分かりました。唯一空間があったので」
溺れないように僕の周囲を空気で囲っていたのを察知されたのか。
相手は僕の場所が分かったけど、僕は自分の使った魔法で目隠し状態。
指摘されると確かにってなる。
……と言うか空気があったことを察知できるの凄くない? 魔法使いってそんなものなのかな。
「あの場面で私の場所を察知するなりあのまま殺しきるなりしないとダメです。……敵を心配するなんて言語道断」
「手厳しいなぁ」
「その判断が命取りになりかねないんですよ。ちゃんと気を付けてください」
うぐ……正論すぎて言い返せない。
分かってても中々なぁ。
「まだ心配するようなら、魔道具でも付けますか」
「魔道具?」
「魔法を込めた道具のことです。手首に付けて対象の安否を確認できる物が確かあったので」
魔道具!
これまた新しい魅惑の言葉が出てきたぞ。
魔法だけじゃなくて魔道具とかあるんだ。だったら魔剣とかあるのかな。
振ったら炎を吐く剣とか最っ高にカッコイイ。
「今日は終わりにしましょう。しっかり反省と、余力を見て自主練しておいて下さい」
「分かった。ありがとうリナ先生」
「それでは失礼します」
ふぅ……疲れた。
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