試し打ち
一通り魔法を試したら色々と分かったことがある。
まず普段僕が使っている魔法、この本だと召喚魔法に近いやつは魔力の消費が少ないらしい。
僕の体だと対して変わらない程度の消費だけど、普通の人からすると結構違うみたい。
ただ詠唱しないと発動出来ないのがデメリット。
普通の魔法は詠唱が無くとも発動できるらしい。ただそこまで行くには相当の鍛錬も必要って書いてあるけどね。
あの本にこの国のことは書いてなかったけど、僕たちが普段使ってる魔法は精霊と契約して召喚するって分類の魔法。
だから精霊と仲良くしてないと発動出来ないはず……なんだけど。
僕の目には精霊なんて見えない。けど魔法は使える。
これはまだ理由が分からない。
もしかしたら詠唱だけ昔の名残でただの普通魔法な可能性もあるけど、それにしては感覚が違うんだよな。
いつもの魔法と違って新しく習得した魔法は魔力の消費が少なくて、かつ現実への影響が少ない。
主に対魔物や対人なんかに使われる攻撃魔法が多かった。
この系統の魔法は魔力に影響するらしい。ちょっとまだよく分からないや。
試し打ちとかしたいけど、ここら辺に魔物は居ないし。
…………居ない、はずなんだけどなぁ。
僕の目の前に見た事のあるウサギがいる。
「ヒ、ヒカル様!」
「うん。人呼んできて」
「でもそれじゃヒカル様がっ」
「僕は平気だから。早く」
エルピスはラファンが苦手らしい。怯えてたしここから離れさせてあげないとね。
さーてと、ここら辺に人はいないし魔物は1回討伐したことのあるウサギだ。
ご都合主義みたいな展開はありがたい。早速試し打ちの的になってもらおうか。
「先ずは……ファイア!」
さてどうなるか、って避けた!?
あれ、ラファンってこんな俊敏に動く魔物だったっけ。
「『かくも美しき水の精霊よ 我が歌に踊り滴を穿て』【水槍】!」
よし当たった。
たくさん練習したおかげで速度も威力もかなりのものだ。これで機動力は無くなっただろう。
ってことでもう1回。
「ファイア!」
よし、命中。
当たったところが燃えてる。けど物理的な熱は感じない。
魔力視で見てみると、うん燃えてる。
それじゃこっちの魔法はどうなのかなっと。
「ファイヤ!」
お、燃えた。
しかも火がどんどん広がってる。
物が焼ける匂いもするし……ってこれはまずい。
「『かくも美しき水の精霊よ 我が歌を讃えその滴で覆いたまへ』【水縛】」
ふー危ない。火事になるところだった。
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