魔法の種類
さて、と。
書斎でやらかして、魔法を習うようになって約半年。
リナ先生やお姉ちゃんのおかげでかなり魔法は上達した。
魔法だけじゃなく、魔力のコントロールもかなり上手くなったと思う。
……となればやることは1つ。
そう、あの日のリベンジだ。
「また何か壊すようなことはしないでくださいよ」
「大丈夫大丈夫」
今度は失敗しないから。……多分ね。
でもまたあの方法を実践するのも怖いし、今日は他に何が書いてあるかを確認しよう。
他にも適当に本を取り出して、いい感じにカモフラージュして、と。
それじゃあ読みますか。
■ロ■ロ■
ふぅ……。
ようやく交代の時間だ。
エモルドゥはぜんっぜん僕を信用してなくてずっと監視してた。おかげでただ本を読んでるだけだったのに相当疲れちゃったや。
エルピスならこっそり読むことも出来る。これからが本番だ。
「ふぁ……」
あくびしたね? よし、今ならいける。
結構な爆発だったと思うけど、本には傷や汚れ1つ付いていない。
それどころかホコリが払われて綺麗になってる。
……こんなに綺麗だったっけ?
まぁそれは一旦置いておいて。
取り敢えず全部読もう。
「…………ふぅ」
改めてこの本、凄いね。
リナ先生から習った知識がどんどん修正されてく。
今も残っている知識もあれば、新しく増えた余計な手間もあるみたいだ。
その土地特有の考え方もあるっぽくて面白い。
さて、色々分かった事だし早速試していこう。
まずはそうだなぁ、魔法を使ってみよう。
「……ファイア」
おぉ、出た!
右手の平からメラメラと火が出ている。
わぁこれ凄いな、今までのとは全然違う。
「本当に熱くない……」
あの本には色々と書いてあった。
魔法には大きく2つの種類があるらしい。
1つは僕がリナ先生から習ったように火や水を出現させるもの。もう1つは限りなくそれに近い偽物を出現させるもの。
偽物と言うと語弊があるけど、火は熱くないし水は濡れない。
これは空気中の魔素をどれだけ使うかが関係しているらしい。
更に言うなら僕が使っていた魔法は召喚魔法って分類になるんだと。
「……『かくも猛々しき火の精霊よ 我が叫びに参じその魂を燃やしたまへ』【ファイヤボール】」
確かに、詠唱は精霊に力を借りるって言葉がある。
これは面白くなってきた。
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