魔眼って響きいいよね
「おかしい」
「いきなり何さ」
お姉ちゃんが帰ってきて2週間。
いつものように魔法の練習をしているとそんなことを言われた。
弟の顔をじっと見つめて言う言葉が“おかしい”はそっちの方がおかしいと思う。
まぁ、言いたいことは分かるんだけどさ。
「なんで当たんないのよ」
「当たらないようにしろって言ったのお姉ちゃんだよね!?」
やっぱりこのことだったか。
この会話中にも何回か飛んできている魔力。
お姉ちゃんいわく、とある派閥の魔法使いたちが好んで使う魔力弾って名前の立派な魔法らしい。
この魔力弾を避けるのが今の特訓内容。
前までは同じ魔力を飛ばして相殺する方法だったけど、今やってるのは体内の魔力を全身から放出してその余波で弾道を逸らすってやり方。
「私だって寝る暇惜しんで四六時中不意打ち狙ってるのに1回も当たらないのおかしいでしょ!」
「それはまぁ……ハハハ」
「笑って誤魔化さない」
いて。
普通に殴られた。
これに関しては……半分ズルに近い。
この特訓は不意打ちって事が重要らしくて、魔力弾に気付きにくくなってる。
弾が大きかったり速度が早いと魔力を感知出来てしまう。
だからかなり小型の弾がゆっくり飛んでくる。
そのおかげで僕はノーダメージ。
何故かって? そりゃ、僕の魔力量がすんごいから!
自分で言うのもなんだけど、僕が持ってる魔力の量はやっぱり凄まじいみたいだ。
「はぁ……さすが私の弟って言うべきかしら。どんだけ多いのよ魔力」
「うーん、体感だと2割くらいかな」
「2割!? それじゃ、アタシより全然多いんじゃ……」
え、そうなの?
と言うか、魔力量を見てくれればいいのに。
「そんなに持ってるならあまり特訓にならないわね。無理やりにでも魔力を減らすか別の方法を試さないとダメね」
「僕ってどれくらい魔力持ってるの?」
「そんなの知らないわよ。他人の魔力なんて見れないんだし」
「え?」
「え?」
……え?
普通は見えない……の?
「まさかアンタ……」
あ、もしかしてこれまずいやつ。
「そんなことも習ってないわけ?」
「へ?」
「まったく。いい? 魔力ってのは見えないの。見えるのは魔眼っていう特殊な目を持つ限られた人だけよ」
「そ、そうなんだ」
あっぶねー。バレてなかった。
普通は見えないんだ。……ってことは、僕の目って魔眼なの?
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