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健司と真奈美

健司は後悔した。


真奈美を屋上に呼び出したものの、いざ彼女と二人きりになると何も言葉が出てこなかった。


「どうしたの、急に呼び出して?」


少し背の低い真奈美はおずおずとした面持ちで健司を見上げる。


健司はぱちぱちと瞬く奈緒美の長いまつ毛を間近で見て、ますます緊張し言葉が出ない。


健司は目をそらしてうつむくと、二三回小さく深呼吸をした。


そして無理に顔を上げ、努めて明るい表情で「昨日、あのあと大丈夫だった?」と真奈美に聞いた。


何気ない風を装い、自然な口調でしゃべろうと思ったが、口からでたのは緊張感のあるぎこちない声だった。


緊張は真奈美にまで伝染した。


真奈美は口ごもり、消え入るような声で「うん。」とだけ返事をした。


二人は俯いた。気まずい沈黙が流れる。


その時強い風が屋上を吹き抜けた。


「あ…」と言って真奈美は制服のスカートを抑えた。


健司はしかし、ちらりと覗いた真奈美の白い太ももを見逃さなかった。


見逃さなかったというより、思わず目で追ってしまったのだ。健司はそんな自分をひどく恥じた。


健司は赤面しながら、昨日の事を思い出した。

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