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06.魂装【下】

 

『こいつは作り終えた瞬間に握れなくなってな、地面ごと1回運んで耐久テストしたんだは、んで、ゼウスの親父に試しに攻撃して貰ったんだは、そしたらな、このツルハシ耐えたんだよ。まあ、俺の最高傑作なんだから、まあ、ヒビは入ると思ったんだ。でもね、ヒビ1つ無くて寧ろゼウスの親父の神力を技から吸収してなちょっと性能が上がったんだわ。んで、またここまで運んできた。このツルハシは元石のツルハシだが、今ではオリハルコンのツルハシ、神器の1つとなった。ありがたく受け取れ』

「よ、よろしいのですか。こ、こんな凄い物を⋯⋯神器なんて、そんなのお、⋯⋯私に合わなく無いですか?」

『はあ?馬鹿なん?俺は武具を創る時には素材の声を聞いてやってんだは、んで、このツルハシ、オリハルコン達は『カザトの役に立ちたい』とゆう願いを聞いて創ったの!だからカザト以外はありえんし使えん!』

「ゴクリ、お、お金が」

『だあああから!金は要らん言うたよ!』

「で、でも!」

『俺を怒らせたいのか?』

「い、いえ!滅相もございません!ありがたく受け取ります!」

『ならよし!ちなみに俺のハンマーの修復に新しい順で666個使ってカザトのツルハシには111個使っているから』


 666ってそれはそれで大丈夫なのだろうか?


『古い素材程感情が強くてより良い物が出来るからカザトの素材に使わせて貰った。下手に俺の修復素材に使ったら俺のハンマーが性能ガタ落ちする可能性もあるしな!いや〜大変だったよ。最初の方は感情も小さかったし良かったんだが、後々は感情が強く抵抗されてな修復に時間が掛かった。まあ、『カザトの為だ』って説得したら納得してくれて抵抗が弱くなったのは幸いだったな。ははは、さあ、カザト!受け取れ!お前だけの神器だ!』

「は、はい!」


 ヘファイストス様元気になったらよーく喋るな〜。

 元々そうゆうタイプだったのかもしれない。


 俺は白銀に輝き、地面に斜めに刺さっているツルハシの持ち手を握る。

 そういえば、ヘファイストス様はどうして『握れない』って言ったんだろうか?

 ツルハシに握った瞬間に白銀の光が神々しくなっていき、ツルハシの色が白銀色から黒銀色に変わり、輝きが黒くなった。


「え、ええ!」

『オリハルコンの武具は使用者の素質に寄ってその適正を色で表す。黒銀は最上位の適正!つまり、そのツルハシの全知全能を使えるって事だ』


 く、黒っていい方の色だったんだ。

 ツルハシはさらに輝いて、目をつぶって、光が収まって目を開けると、手からツルハシが消えていた。


「⋯⋯あ、ヘファイストス様から頂いたツルハシが消えたああああああああ!弁償どうしよううううううう!」

『えええええ、魂装になったああああああああ!手に取った瞬間に魂装になるの初めて見たあぁああああ!さらに創造級ジェネシスになっとるうううううう!』

「『⋯⋯え?』」

「『え』」

「『え⋯⋯』」


 数時間後


「つまり、私のツルハシは魂装となって私の魂に収納されたので消えた訳では無い⋯⋯と。そして、ツルハシは私の魂が創造級に耐えれないと分かっていて、あえて神話級に留めて魂装になると共に創造級に上がって私の魂の積載量も上げて耐えれるようにした⋯⋯と。合ってますか?」

『はぁ〜やっと分かったか。もう、100回程同じ話しをしたぞ。やっと、理解してくれたか』

「あ、あんまりピント来てません!」

『⋯⋯まあ、とにかく凄いツルハシゲットだやったー、と思っておいてくれ』

「はい!」

『と、ツルハシを出してくれよ。見たい』

「わ、分かりました。スーー来い!ツルハシッ!」


 ヒューー


 風なんて来ない筈なのに風が吹いたように静まり返った。

 俺は恥ずかしさで今でも倒れて寝たい程だ。

 右手を上に掲げキメ顔と共に叫んだ今日この日を一生恨むだろう。


『ふむ、ツルハシだと出たくないらしいな。名前を付けてやれ』

「え、ならヘファイストス様が⋯⋯」

『その武具はカザトの物だ。カザトに付けて欲しいだろう』

「は、はぁ〜」


 と言ってもな。


「姿を見ないと名前なんてピント来ないぞ」


 すると、ピカァァ、と光って右手に黒銀色のツルハシが出現した。

 ツルハシと持つ部分の付け根辺りに紅色の宝石?宝玉?みたいな丸い物が収まっていた。

 その紅い玉を覗くと色々な情報が入ってきた。

 使い方、持っているスキル、様々な情報が手に入った。


「名前、お前の名前は【万能バドズィナミア】だ!」

『バドズィナミア、か。異界、ギリシャ語で万能を意味する。良い名だ。でも?なんで異界の言葉なんて知ってだ?』

「え?そうなんですか?なんかこれだ!って来たモノでして」

『勘か、ぷっ、あはは、アハハハハハハハハハ。面白い!いいぞ!面白い!ならば、我がヘファイストスの名に懸けてそのツルハシ、カザトの魂装の名は【バドズィナミア】だ!』

「⋯⋯ッ!」


 ヘファイストス様がそう言った瞬間に俺の中の何かが変わった気がした。

 そして、黒銀のツルハシの持ち手に【バドズィナミア】の文字が刻まれた。


 万能ツルハシがここに誕生日した瞬間だった。


 その後ヘファイストス様にお礼を言いながら土下座した。

 ヘファイストス様曰く、このツルハシは壊れない。

 壊れたとしても俺の魂に戻って再生するようだ。

 あと、オリハルコンが手に入ったらヘファイストス様の所に持ってきて欲しいと頼まれた。

 報酬も払うと言うがお断りした。

 ヘファイストス様の事なのでオリハルコンを持ってきても何らかの理由で報酬をくれる気がする。

 こんな神話の中くらいでしか見ないような凄い神器を頂いただけで凄いのに。

 凄いは過小評価だ。

 そもそもこんな性能なツルハシなんて1つの国ぐらいは買えるだろうと予測する。

 確かに学がない俺だが、どうしてもこのツルハシ、魂装、創造級とゆうだけで値がそもそも付かないのでは無いかと思ってきた。

 紫炎は14歳ながらに俺よりも頭がいい。

 英才教育を受けて来たと予測される。

 後でこのツルハシがどれくらい凄い物なのか紫炎に聞いて見る事にした。

 俺は夜空を見上げながら明日からまた仕事があるのと、ヘファイストス様との面会の緊張で感じ無くなった空腹を今、感じるようになった。


 ぐうううう


 腹が減っては戦は出来ぬ、早く帰って紫炎の晩御飯を頂こう。

 確か今日はハンバーグを作ると言っていた。

 ちなみにヘファイストス様がバドズィナミアを握れなかった理由はヘファイストス様曰く、『よく分からんが、きっとそれだけそれが自我を持っていたって事だろ』との事。

今作品をお読み頂き感謝致します。

「次回が気になる!」「また読みたい!」と思って頂けましたら幸いです。


強い励みになりますので是非良ければ『評価・ブックマーク』をよろしくお願いします。


感想もお待ちしております。

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