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05.魂装【中】

 俺はヘファイストス様の所から帰っている。

 だいぶ日がくれていて、辺りには人の気配がなかった。

 まあ、気配を読める事なんて俺には出来ないので視界に居ないが正しい表現だ。


「む、あれは?」


 右にフラフラ左にフラフラ、しているフードを被った子供?が居た。

 遠目だが、よくよく見ると最近ぶつかった人に似ていた気がした。


「ちょっ!」


 フードを被っているその人が倒れたので急いで駆け寄る。

 身体を譲り、声を掛ける。


「お、おい!大丈夫か?」

「⋯⋯」


 まずいまずい!こんな所で倒れてみろ!誰も助けてはくれないぞ!


 こ、これは犯罪では無いぞ?

 いくら身体が子供かと言っても実年齢は違うかもしれない。

 そう、犯罪では無い。


「つ、連れて来てしまった」


 取り敢えず、布団に寝かしてコンビニに行ってご飯と水を買ってくる。


「う、うう」

「お、おい!わ、わかるか?」

「お、あああ、おお」

「お?」

「お、お」

「お?お、!お腹が空いたのか?」

「(コクコク)」

「ほれ、パンだ!」

「(パク)モグモグ、ゴックン」


 余程お腹が空いていたのかパンを近づけるとパクっと食べてモグモグもシュレッターの如く食べる。


「水もいるか?」

「ほ、ほじい」

「ほら」

「ごくごくごく」


 小さいペットボトル1本飲み干してしまった。


「あ、りがとうございます」

「そうか、で、なんであんなになるまで食べなかったんだ?」

「私、家出した。帰る場所ない。お金ない。私14歳働けない。オワタ」

「な、なるほど。まあ、警察に連絡しなければここに居てもいいぞ?」

「ほんと?」

「ああ」

「わかった。通報しないからいさせて」

「ならよし、まずは風呂に入るといい。あっちにある」

「ありがとう」


 立ち上がりトコトコと風呂に向かっていく。


「あ!水止められているからシャワーすら出ねぇわ」

「ズコー」


 見事にスライドで倒れる。


「だ、大丈夫、魔法で出すから」

「そっか、魔法ね⋯⋯え?魔法」


 語る前に風呂に行ってしまった。

 服とか汚れていたので井戸から水を持ってきて服を洗う。

 下心はないよ?俺はロリコンでは無いのだ!

 心を無にして服、下着を洗い干して自分の子供の時の服を置いておく。


 ◆◆


「フゥ〜いい人だったな」


 少女は自分の魔法で生み出したお湯から上がり洗面台の方へと行き、魔法で身体の水滴を綺麗に落とし、髪を乾かしてパーカーに手を掛け⋯⋯パーカーどころか服もない。

 あるとしたら子供用の服(自分よりもちょっと大きめ)の服しかなかった。

 これを着ろとゆう事だろう。

 その服を着て、後ろに手を回すと、


「ふ、フードがない」


 これはやばい。

 そう少女は感じる。


「まずいまずい」


 ちなみに服はちょっと大きいと思ったが丁度いい大きさだった。


 ◆◆


 風呂から上がる音が聞こえたのでそろそろ服を着終わった所だろう。


「おーい服着たか?」

「着た⋯⋯あ、ちょっと待て!ふ、フードを」

「いや、俺の服にフード付きは無い」


 風呂の扉を開けて少女の姿を確認する。

 少女と目と目が会って少女は絶句していた。

 目を全開に見開き絶望したかのように膝を折る。

 俺は手を差し伸べ、「まだ腹空いてんだろ?」と声を掛けると少女は「え?」とゆう顔をして戸惑う。


「どうしたお腹、空いてないのか?」

「キュルル」

「空いてんだろ?」

「あ、あの!わ、私の目を見ても、ど、どうしてそんな平然としているんですか?」

「ん?それは君の個性だろ?それを否定するのは屑だよ」

「⋯⋯お父様みたいな事を言いますね?」

「そうか?」


 少女はダークエルフ、エルフ種の1つだ。

 別にダークエルフが迫害されている訳では無い。

 ただ、この少女の目は『ハイエルフ』特徴の純白の目に黄金の瞳、反対の左目は『ハイダークエルフ』特徴の漆黒の目に真っ赤な瞳をしていた。


「ハーフ?」

「違います。(モグモグ)私の父は(モグモグ)魔人で(モグモグ)母がダークエルフです(ゴックン)」

「食べるか喋るかどっちかにしようね?」

「はい。(モグモグモグモグゴックン)」

「食べるんだね」

「(コク)モグモグモグモグゴックン」

「はい、水」

「ごくごくぷはぁー。ありがとうございます」

「はは、落ち着いて何より。でさ、名前は何?」

「わ、私の名前は紫炎シエンと言います」

「そうか、シエンか?」

「あ、紫に炎でシエンです」

「ああ、漢名か」

「はい。家は代々漢名を使用しております」

「そっか、俺はカザト、そのままだ。それと敬語はいいぞ」

「はい、カザトさんは優しいです。私の目を個性と言ってくれたのは父と母と兄と姉と妹と弟だけでした。ちなみに兄と姉は合わせて3人妹と弟は合わせて4人です」

「大家族!」

「はは、私は両親に迷惑をかけたくないので家出しました」

「そっか」


 次の日俺は紫炎の服を買いに行った。

 紫炎の職業は『大魔王』と言い戦闘系、魔法職、の最上位職『魔王』の『例外職』と言われている。

『例外職』とは世の中に1人しか現れないユニーク職とゆう意味だ。

 さらに最上位職の『魔王』と同等以上の性能の職業だと言うので驚きだ。

 紫炎の服はまず、顔を隠す用の腰までしかないフード付きマントに身軽な黒服でショートズボンだ。

 紫炎の身長は155そこらで1番の特徴が『胸』であった。

 発育が異常に良いらしい。

 魔が指すことはないぞ?


 紫炎と過ごして2日目、だいぶ打ち解けて笑顔を見せてくれるようになった。


 4日後、夕日を見ながらパフェを一緒に食べていると、「お義父さんパフェ美味しね」と紫炎が言ってきたのだ。

 紫炎はハッとなって顔をこれでもかってほどに真っ赤にして訂正しようとしていたが、俺はその言葉が心の底から嬉しくて紫炎の頭を撫でながら「そのままで良いよ。その方が嬉しい。これから紫炎は俺の義娘ぎじょうだ」と言った。


「────うん!」

「ふ」


 今日から紫炎は義娘になった。


 紫炎と出会って1週間後、ヘファイストス様の約束の日になった。

 紫炎に「行ってきます」と行ってヘファイストス様の所に向かった。

 紫炎は料理が出来たようで、節約の為に封印していた冷蔵庫に電気を流して食材を入れている。

 食材買うのなんて初めてだったよ。

 紫炎の料理は美味しく、栄養がきちんと取れて最近怠さが無くっなた気がした。

 ちなみに電気代は払っていたが火を出す魔石を動かす為に使う魔力の魔力代を払っていないので魔力も止まっている。

 紫炎が直接魔力を流して料理をしていた。


 ◆◆


 ヘファイストス様の所に来ていた。


『いや〜最高傑作が出来たぞ!』


 ヘファイストス様は前に見た姿とは違って正にイケメン青年になっていた。


『とりま、上がれ』

「ふぇ、⋯⋯⋯⋯いやいやいや恐れ多いですって」

『めんどいな〜よし!これは命令来い』

「あ、はい」


 ヘファイストス様は強引なところがあるな。

 ヘファイストス様が降りてきた階段を登ると、上に1本の白銀色をしたツルハシが刺さっていた。


『こいつは俺が作った中でも例外でな神話級ゴッズなのに完全に自我に芽生えている。面白い奴だよな!』

『魂装要素は?』と思った方、自分も同意見です。

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