20.新しい家族
「で、イビアはなんで鉱石の中に入っている料理を食べていたんだ?」
疑問である。何も知らない人が鉱石の中に入っている料理なんて食べるだろうか?
「え?本当に怒らないんですか?」
「そう言っただろ?」
「⋯⋯」
「なに、ボケーッとしてんのよ?あなた、行き場所とかあるの?」
「ないです」
「家族は?」
「居ないです」
「反省している気持ちは?」
「あります⋯⋯」
「お義父さん⋯⋯」
紫煙が俺に目を合わせてくる。
俺は無言で頷く。紫煙がやりたいようにやらせるつもりである。
「ここで、住んでみる?勿論私達のやっていることに協力して貰うけどね。その代わり、私達が衣食住を提供するは」
「⋯⋯良いの?私、イブリア族で他の人にバレたら大変だよ?善人?頭のおかしい人?」
「おいコラ誰が頭のおかしい人よ!」
「う、ごめんなさい」
「と、まあ冗談はさて置き、良いよね?」
「ああ、良いぞ」
「あ、ありがとうございます。それと、質問良いですか?」
「ああいいぞ。その代わりこっちも質問するがな」
「はい⋯⋯えっと、ダークエルフの⋯⋯」
「私は紫煙、ダークエルフと魔人のハーフよ」
「⋯⋯ッ!」
「あなたの言いたい事は分かるわよ。普通はハーフって言っても両方の性質を持った生命は産まれない。中には産まれる人も居るけどね。ちなみに私の親族にエルフは居ないわよ」
「⋯⋯それは⋯⋯」
「私もこの目に関しては分からない」
暗い話しになりそうなので話を切り替える。
「と、俺からの質問な。イビアの職業はなんだ?」
「分かりません」
「そうか」
イビアの職業は分かんないようだ。
それからイビアに鉱石栽培の事を言って、色々教えて手伝って貰う事にした。
職業は分かんないが、何か好きな事でもやらせてやりたいのでやりたい事が何か聞いた。
「物作り。金属類で」
「危険では?」
「怪我しても私が治すわよ」
と、ゆう事で色々と買った。
そしてイビアは家にある売れない売らない鉱石を使って工作するようで、作業用に用意した部屋に籠り出した。
だが、イビアの顔はだんだん笑顔が増えって行って俺も紫煙も嬉しかった。
白金とダンクステンと紫水晶の組み合わせで作られた柔軟石と呼ばれる柔らかく硬い。
よく分からないがゴムのように柔らかく、硬いのだ。
オリハルコンがないので硬さはオリハルコン以下であるが柔軟性がある鉱石はこれだけだ。
ま、これは育ててないけどね。
その柔軟石もイビアに預けている。
「イビア何作るかな?」
「どうなんだろうね?」
紫煙にとって義理の妹のイビア。
背丈はイビアの方が高い。
イビアは人前に出せないのが残念な程に容姿が整っている。
ま、少女なんだけどね。
イビアと暮らしてから数週間後。
イビアの空間だけ『化学』が進んでいた。
「これは?」
「名前は特に決めてません」
イビアが使ったのはオリハルコンを使ってない鉱石だ。
オリハルコンの加工は出来ないからだ。そうなる筈だったのだが⋯⋯イビアはガシャンガシャンと自動的に動く機械を作り出し、ガシャンと潰すように動くその機械はオリハルコンを潰せるようだ。
そしてそのような機械とは別の機械を色々と作り出しては色々と加工しており、地下を掘ってそこにその機械達を置いていた。
ただの化学ではなく魔工学を少し組み込ませて魔力で動くようにしていた。
空気中の魔力だけでも動けるようにしたいようだが出来ないらしく、紫煙が魔力を込めていた。
さらに、電気を使って電力でも動かせるようにしているようだ。
「風力発電に太陽光発電を使ってます」
「何それ?」
「分かりません。なんか、作りたいと思って体が勝手に動くように動いて作って居たら出来上がって理屈が理解出来るのです」
「もしかしたらそれ関連の職業なんだろうな。ゼロ知識から作ってるし」
「そうだね」
「この機械を使って色々と作って行きたいと思ってます!」
「そ、そうか。怪我しないで程々にな」
「はい!」
イビアの目標は聖精魔精合金鋼の加工らしい。
オリハルコンの加工は出来るがそれでも1つ加工するのにも数時間がかかり、今ではそれなりに数があると言っても腐るほどある訳でも無いし、ヘファイトス様にあげる分のオリハルコンは残して起きたい。
オリハルコンも今では小さい粒ではなくその2倍程度のサイズが手に入るようになっている。
イビアが今後、基本的に使うのは魔鉱石である。
イビアの成長に期待だな。
料理鉱石の上の種を取る事をしないで土を入れた時の結果ではさらに伸びると分かった。
その上には料理鉱石の種しか無かったが。
実質2倍の料理か材料が手に入るようになった。
と思ったのだが、同時に2つ出来るようになっており、合計4つ一度に出来るようになっていた。
ランダム鉱石の種もきちんと育った。
芽が出てきたので畑の方に移したのだが、今回出てきた鉱石は犬である。
なんの比喩でもない犬である。鉱石ゴーレムの犬っと言った方が良いだろうか?
銀色の鉱石の犬が硬そうな尻尾を普通の犬のようにブンブン振っていた。
銀色の舌を出しながらワンワン吠えて、頭に茎があるのでこちらに近寄る事は出来ないようだが⋯⋯懐いているようだ。
鉱石のようだが滑らかになっている。
毛がないので犬の外見が銀鉱石になった感じである。
「お、お義父さん鑑定鑑定」
「そ、そうだな」
ちなみにイビアは朝食を食べて籠っている。
【鑑定結果】
・名:番犬ゴーレム石(特別鉱石)
・スキル:咆哮、不屈の守護
咆哮ー吠えて相手を怯ませる。
不屈の守護ー守る為の行為をする場合に硬さが増す。
・説明:自分を育ててくれた主に忠誠を違った鉱石の犬。攻撃力は犬クラス、防御力はかなり高め、移動速度は犬クラス、見た目は犬、中身も犬、種族はゴーレムの鉱石
「これは⋯⋯特別鉱石で良いんだよな?」
『ワン!』
「これは⋯⋯まずはイビアに言う?」
『ワン?』
「その前に解放してやるか。なんか、懐いているし」
「餌、なんだろう?」
花の所に向かうと中にはランダム鉱石の種しか無かった。
とりあえず種を取って番犬ゴーレム鉱石を解放する。
『ワンワン』
「おお」
近づいて来て飛びついて来て、ぺろぺろ頬を舐めてくる。
痛くは無い。冷たい。鉱石だからだろう。
「また、新しい家族が出来たね」
「そうだな。名前、どうする?」
「ん〜まずはイビアを呼んで一緒に考えよっか」
「そうだな」
ちなみに番犬ゴーレム鉱石を解放した瞬間に茎などは塵となって消えた。
また、珍しいタイプの鉱石のようだ。




