14.レッツゴー商業ギルド
家に帰還した。
「ただいま〜」
「おかえりなさい〜」
紫煙がいつも通りに出迎えてくれた。
植木鉢のオリハルコンは未だに育ってはいなかった。
「何時くらいに育つのかね?」
「さあ?」
とりあえず紫煙が作ってくれた晩御飯を食べて、その後風呂を入りながら考え事をした。
風呂を上がって考えた事を試してみる。
「鉱物性質変換」
【設定】
・名:オリハルコン(神鉄)
・性質:鉱石の成長を促進させる
「これは?」
「肥料の変わりになるかなって思って」
「なるほど」
その後、その肥料オリハルコンを丸ごと埋めてから寝る。
翌日
芽が生えていた。
と、ゆうか子葉も出ている事から肥料は成功したと見ていいだろう。
「さて、今日の職場は⋯⋯ああ、まじか」
「どうしたの?」
「今日は休みだ。なんかダンジョンの方に何かが会って使えないから今日は休みだって」
「じゃ今日は一緒にいられるね!」
「そうだな。どっか行きたい所はあるか?」
「特に無いね」
「だよな〜アニメでも観ようかな?」
「一緒に観よう」
「分かった」
今まで貯めていたアニメを消化しようと思う。
「そうだ、家の両親の墓に行かないか?」
「墓?お義父さんのご両親は既に亡くなっているの?」
「ああ、あそこの写真が俺の両親だよ」
「え」
「え?」
「え、ご両親の写真だったの!わ、私普通に父親と妹かと思ったよ」
「はは、母さんは小学生並の大きさだからな」
「いや、本当に驚きだよ!父親の方は年相応だと思うし分かり易いのに、母親の方で全く分からなくなる」
「ははは、昔よく言われていたかもな。で、行くか?」
「ん!行かせて欲しい」
その後、美里さんの所でいつもの花を買った。
美里さんに色々な事を聞かれて花を買っただけなのに相当な時間を経った。
「ここだよ」
「そう⋯⋯手、合わせるね」
「ああ」
紫煙と共に両親の墓に手を合わせる。
母さん、父さん来たよ。実は俺に嫁は出来なかったけど娘が出来たよ。名前は紫煙。色々あって鉱石栽培に挑もうと思っているんだ。見守っていてよ。
そう、両親に心の中で呟いてから、紫煙と共に家に帰った。
いつもの墓参り、何も変わらない筈なのに、何故だかとても暖かい気持ちになった。
数日後
数日経って今日は休みである。
そして、オリハルコンの方も成熟したと言っていいだろう。
キラキラとした花に、茎の途中から茎が伸びて実がなっている。
花のてっぺんにはメシベ、オシベ、は無くて1つのパチンコ玉サイズの物があった。
むしろパチンコ玉そっくりだ。
鑑定を使うと、花の上にある丸い物体はオリハルコンの種と言う物で、植えると育つ性質を持つようだ。
んで、茎に付いている実はオリハルコンで種の性質は持っていない。
茎の方には時間が経つと実を付けるようで、これ1本で時間が経つとオリハルコンが取れるようだ。
茎や花、確認の為に土も掘り返して見たら根っこもオリハルコン性であり、手で採取は不可能だった。
茎から実をもぎ取るのは簡単だったのだが、種の方は取れにくい。
「性質変換で種が取れるようにしたら?」
「そうだな。やってみるか」
やりました、種をつまんでグリグリした後に取れた。
こんな事もあろうかとダンジョンが何かの理由で行けなくなって休みになった日に新たな植木鉢や土代わりの鉄粉も用意している。
が、今回種として使うのは特別鉱石の付与のスキルを持つ鉱石だ。
肥料は採れたてホヤホヤのオリハルコンで代用する。
なんか、同じ性質にしても、鉱石の『格』によって性能が変わる事に気がついたのだ。
なので、オリハルコンで肥料を代用する。
今度から土もオリハルコンに変えたい。
一般認識はオリハルコンは石ころ扱いなのだが、世界認識ではオリハルコンは格別なようだ。
まあ、特別鉱石の赤色と同じ色をしているので分かるモノだな。
「この種を肥料用のオリハルコンが育つ性質にしよう」
「賛成!」
自給自足の為にも肥料用のオリハルコンの種にして、もしも種が再び出来たのなら土用のオリハルコンにしようと思う。
土用?気にしないでおこう。
「ても、植木鉢が3個あるとこの部屋は窮屈だな」
ヘファイストス様にあったのは2回のだが、ヘファイストス様のご好意のお陰で1回分の値段しか払っていない。
なので、1000万程は残っているし、きちんと貯金もしている。
「「よし!引っ越すか」」
この部屋にも愛着はあるのだ。
だが、今後とも栽培するなら狭いし、尚且つ来月から住めないのだ。
あるチラシ、手紙をみる。
「まさか違う建物の建設の為にここを売るとは⋯⋯まあ、立ち退くためのお金も貰えたし良いか。丁度いいタイミングだろう。不動産に行くか?」
「うん!どんな所に住むか予定ある?」
「特に無いな」
不動産に向かいながら色々な会話をする。
「私は田舎が良いな〜」
「ここは都会、王都だからな。でも、墓がこの国にあるからここから近い山か森だと良いな」
「いいの?そんな交通便の少ない所に行っても?私は少し静かな所なら何処でも良いけど⋯⋯」
「いいんだよ。そっちの方が安いだろうし、広そうだ。畑ても作って鉱石育てて金稼ぎだ!」
「ふふ、ん!」
紫煙の両親に関しては深い事は聞いてない。
聞いてはいけない気がするのだ。
今の紫煙はあった時のようにフード付きマントを羽織っている。
「不動産はあっちだっけか」
不動産言っているが、正確には商業ギルド内部にある不動産とゆう窓口だ。
なので、向かっているのは不動産よりも商業ギルドの方が正しいかもしれない。
「着いたね」
「ああ」
商業ギルドに来たのは今の家に住む時以来だな。
なんだか懐かしい気がする。
扉を開けて中に入ると、そこそこの人が居たがいっぱいでは無かった。
良かった。不動産窓口の所に列は無かった。
商業ギルドは基本こんなモノだ。
ここに売り物を出す物、店を出したいもの、とりあえず商業や金に関する事は大抵商業ギルドが扱っている。
銀行も商業ギルドにある。
「はい、どのようなお家をお探しですか?」
窓口からある男が出てきて対応してくれる。
見た目は30そこらの年齢だ。
だが、年齢の割に風格とゆうか、強者感が凄い⋯⋯そう感じる。
力が強い訳では無い。なんか、こう、圧力を感じる。
この男は絶対に仕事出来る系の男だ。
何故かって?この国で俺の事を知らない奴は極わずか、情報が武器と言われている商業ギルドの従業員が俺の事を知らない筈がない。
なのに、こいつは俺の事を出来損ないと言わなかった。だから、そう感じたのかもしれない。
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