13.新人教育
4層のオリハルコンがあり、その近く違う鉱石がある地点に到着した。
今回のオリハルコンは露出しているので見つけやすい。
「先輩、あれってオリハルコンですか?」
「ん?そうだが、あれは俺が採掘するからな?」
「あ、それは構いませんが⋯⋯オリハルコンなんて採掘しても1円にもなりませんよ?」
「知ってるよ。でも、取って損はないぞ?時間を浪費するだけと言う人もいるがオリハルコンの周りには違う鉱石がある時がある。しかも、かなりの高確率で、だ。勿論確定ではないぞ?」
「なるほど。でも、オリハルコンは硬いと聞いております。先輩は石のツルハシ、私は鉄のツルハシ、オリハルコンは鉄のツルハシでは傷1つ付けれないと聞いております」
「よく勉強しているな。だが、オリハルコン自体は硬くてもオリハルコンの周りの壁は硬くない。だからまずはオリハルコンの周りの壁を掘ってオリハルコンを持ってからオリハルコンに着いている壁の石を綺麗に取っていくんだ。そうするとオリハルコンが丸々手に入る。これは他の鉱石にも言えるが、オリハルコンは小さいし付着した石なども取りやいんだ」
「おお!そこまで詳しいとは⋯⋯もう既に何百回と採掘している人みたいです!」
「はは、どうも」
実際会っているが、別に言う必要が無いので俺はオリハルコンを採掘する。
単体鉱石探知があるので昔よりかは僅かだが短い時間で採掘できる。
まあ、それはオリハルコンの形を正確に把握出来るからでは無い。
壁の掘る速度が上がっているからだ。
オリハルコンは基本的に同じ形をしている。
さて、オリハルコンの採掘を終えていつもならひたすら壁を掘って探していたが鉱石探知のお陰でスムーズに採掘出来た。
まあ、怪しまれないように適当に探しているフリはしておいた。
色々やっているので意味無さげに思えたが、ピランにはこれで大丈夫のようだ。
さて、新人教育とゆう俺の2つ目の仕事もきちんと全うする。
ピランを育てる為に今回は探知で俺が案内するのではなく、ピランに1からやってもらう。
探知でこの4階層には後28個の青色の光がある。
ここら辺の近くにも会ったりする。
「じゃあ今回はピランが1からやってみてくれ。それに俺が着いて行く形にする。4階層ならどこでも良いぞ」
「分かりました!」
ビシ!っと気合い抜群の敬礼と共にピランは歩き出す。
左右に別れる道があるのだが、最短で鉱石にあり着くなら左方向、しかしピランはそれが分かっている筈もなく右方向に向かう。
口出しする予定は基本無いので着いて行く。
ちなみにオリハルコンの近くに会った鉱石は金鉱石だった。
だいたい10万から15万の代物だ。
「うーん良し!右だ!」
残念ここも左が最短です。
オリハルコンがあった位置から1番遠くの青色の鉱石に向かっていくピラン。
寧ろここまで正確に外して遠くの青色を目指すのは才能かも知れない。
ここで鉱員ヒントをピランに伝授しようと思う。
「鉱石がある地点から直径3メートルは壁が少し明るいからな」
「そうなんですか?分かりました!」
これは基本知識本には載っていない。
俺がバドズィナミアを手に入れる前にはその明かりを頼りにして鉱石を探していた。
ヒントと言っときながらあまりヒントにもなっていない気がするのは、気のせいだ。
なぜ壁が明るいのかはぶっちゃけ分からない。
本当に微かな明かりで懐中電灯を使っている人だと分からないかも知れない。
自分は松明一筋でやってきたのだ。
ピランも今の所は合わせているのか松明を利用している。
俺もいつかは懐中電灯にしたいが、鉱石栽培が成功したらこの仕事は辞めるつもりだ。
紫煙と長く一緒に居て、暮らしたいと最近よく思う。
これが父性って奴かね?分からんけど。
その後ひたすら探し回ったピランがオリハルコンの場所から1番遠い青色の光に着いた。
「うぇ〜ん見つけれなかった〜ここら辺少し明るかったからあったと思ったのに⋯⋯近くにいると松明の光で明るさ見えないから通り過ぎたのかな?」
色々も自問自答しているピランに手助けしてやりたい気持ちもあるが、ここは先輩らしく厳しくいようと思う。
心を鬼に変えるんだ俺!
「あ!先輩は壁とか掘っているから壁の中にあるのかも!」
おお正確だ。
なんかピランとなってから剥き出しになっている鉱石があまり無い。
てか、剥き出しになっている鉱石があまり無いのかもしれない。
探知で近い奴から掘っている漬けかな?
「先輩!松明を1度消して下さい!私も消します!明るさを頼りに場所を特定してみせます!採掘王舐めんなよォ」
やる気に満ちているようだが、誰も舐めてないと思うぞ?
その後俺もピランも松明の火を消して光を遮断。
お陰で微かな明かりが明るく見えてくる程になった。
「ふむふむ」
ピランは目視だけで明かりの端から端まで歩いては頷き、上を向いたりと色々としていた。
時には自分の鉄のツルハシを定規の変わりに仕立てたりと、色々やっていた。
「この辺りかな?」
それからピランは4つ程の採掘ポイントを決めてひたすら掘る。
この4つの中に鉱石に正面から当たる物があった。
実は今掘っている箇所がそれなのだ。
採掘王として、鉱員としてまだまだ未熟のピランが自力でここまでやっているのに嬉しさを感じてしまう。
やっぱり俺って母性ならぬ父性が高めなのかもしれない。
いや、これは先輩としての嬉しさかも知れない。
「ありました!これは、銀鉱石です!」
銀鉱石か、俺が今日掘った金鉱石の1つ下のランクに位置する鉱石。
俺はランクを適当に把握しているだけなので詳しい事は分からない。
分からないが、銀は金に劣る。
金が10万から15万だとして、銀は5万から10万だ。
まあ、滅茶苦茶にでかい鉱物なら話は変わるけどね。
そう、例えばピランが今し方採掘して見せた銀鉱石とかね。
ピランは俺が教えた周りから掘っていくやり方で2時間程試行錯誤しながらも採掘したのだ。
両手用のツルハシで掘りながら内部で細かい作業をこなす所から採掘王が優れているのか、ピランが器用なのか、ピランが天才なのか、或いはその全てだろう。
「やりました!ヒントは頂きましたが私1人の力で採掘出来ました」
「良かったな」
「はい!」
ピランの顔サイズはあるであろう銀鉱石を両手で掲げながら嬉しいと体全てを使って表現してくれる。
ポニーテールの髪もピョンピョンだ。
これで分かったのは鉱石探知では場所は分かってもサイズは分からないって事だな。
ある程度の大きさがある奴は光も大きいと思っていたが、全く違うようだ。




