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資料:模型召喚システム[5章30話時点]

2022-03-20 [4章開始時時点]を[5章30話時点]に変更しました。

天使アキエルの作ったリアライズシステム。

これに関する解説です。

本資料の対象時期は5章30話時点。



■概要

 精密に制作された模型をワンタイム触媒として利用し、現物を生成・出現させるシステム。

便宜上この「生成・出現」を「召喚」と呼称する。

一つの模型からは一つのみ召喚出来る。

一度ワンタイム触媒として利用された模型は再利用できない。


 召喚された現物は実物と同等の能力を持つ。

ただし、整備状態は万全になるため、整備不良に悩まされた戦歴があっても、そこは初回運用時までは再現されない。

一度運用した後は、整備性に問題のある装備は現物同様に問題を発生させる可能性がある。


 召喚された現物の維持には魔力が必要であるが、極めて微量であり、通常の運用で術者(システム実行者)の負荷などを気にする必要性は想定されていない。

召喚主体者(起動魔力供給者)が死亡した場合、現物は維持不能になり、速やかに自己破壊プログラムに従い破壊され、残骸となる。

死亡以外の理由で魔力供給に障害や断絶が発生した場合は、機能は停止するが、一定期間の間自己破壊は保留され行われない。


 魔法としてはカテゴリー1。 利用者として召喚したモデラーを想定しているため、一番下のカテゴリーで動作するようシステムを構築。

それでも魔法に馴染みのない者にはシステムコントロールが難しいため、Ver 0.4にてシステム実行者と起動魔力供給者モデラーを分離可能とし、地上の魔法適正のある人間との協同起動とする事とし、Ver 0.9では魔力不足を解消するため補助供給者を追加している。

模型戦記本編では、

 システム実行者:リディア

 起動魔力供給者モデラー:大英

 補助供給者:パルティア

とした3名体制にしている。


■リアライズシステム[2022-03-20 追加]

 リアライズシステムはアカシックデータベースと呼ばれる神々のデータベースから「未来」の物体の情報を取得し、生成している。

よく似た名前の空想上の存在であるアカシックレコードと違い、「既に記されている未来の情報を取得」しているのではなく、「未来にあるデータベース」にタイムマシン的な手段でアクセスしている。


だが、未来は不確定であり、複数の可能性が存在しているため、確定的に情報を取得できない。

これを「事象ゆらぎ」と称している。

これに対処するため、リアライズシステムは召喚者の「模型愛」を利用して「一つの確定した未来情報」に収束させて「ゆらぎ」を回避している。

キットで再現されていない内部構造をはじめ本人が知らない情報も再現できるのは、このため。

その結果、「自分で制作」する必要があるし、ある程度の「再現性・精密性」が求められる。


■制約事項

・スケール

スケールが小さい(分母が大きい)キットからの召喚は難易度が高くなる。

具体的には1/35は容易で、1/700は困難となる。

実際は一定の経験を積まないと、機能がロックされており実施自体不可能。

経験を積むことで、順次制限は解除・緩和される。

ノンスケールの場合、直近で大きい側に合わせられる。(Ver 1.2以降)

[例] 実測1/278なら1/300とされる。



・年代

現物の年代が新しいキットからの召喚は難易度が高くなる。

具体的には1940年代は容易で、21世紀は困難となる。

こちらはスケールと違い、機能はロックはされていないが、必要魔力が等比級数的に増大するため、能力不相応な年代を対象とする召喚は困難。

経験を積むことで、制限は緩和される。



・サイズと重量

現物が大きく重い物ほど召喚は難易度が高くなる。

基本的には大きさより重量の影響が大きいが、同じ重さなら小さい方が容易になる。

経験を積むことで、制限は緩和される。



・補足 スケールと年代

年代の進み方は共通では無く、スケールごとに異なる。

初期が1940年代からスタートで、経験を積むことで進んでいくためアンロック時期の違いがそのまま年代の違いになる。

スケールが大きいキットは早期に召喚可能となるため、年代の進みも先行する。

スケールが小さいキットは召喚可能になる時期が遅いため、年代も古くなる。

経験を積むことで年代が進むが、それは召喚可能な全ての年代で進む。

具体的には、1/35のキットを召喚した際に得られた経験により1/35の年代は進むが、1/48や1/72など、(召喚可能な)他のスケールでの年代も進む。

アンロックされるまでは年代は進まないので、アンロック時は常に1940年代から始まる。



・補足資料 4章開始時点のスケールと年代

年代は厳密に何年という物では無いし、その気になれば超過も可能なため、ざっくり「**年代」と表記します。

1/35 80年代

1/48 60年代

1/72 40年代

1/100 ロック中。 アンロック時は1940年代となる。 以後同様。



・キットの出来について

キットの出来(キットその物の出来と制作者の工作精度)は召喚難易度に多少の影響はあるが、ほぼ誤差の範囲。

召喚コストが少々増えるだけで、それが限界に抵触するようなことが無ければ大きな問題とはならない。

また、召喚された物の能力とは関係しない。

(出来が悪いから戦力ダウンといった事は起きない)


ただし、あまりにも出来が悪い場合は、難易度が上がるのではなく召喚自体が不可能になる。

例えば、極端に大きなリサーチミスがあってもはや架空品(架空兵器)になっているキットや、不自然に工作工程を省略した制作など。

例外は塗装・マーキング工程。

塗装やスライドマーク貼り付けを省略しても召喚不能にはならないが、明らかに召喚コストが増大する。

古い時代のソリッドモデルなどはほぼ召喚不能だが、これは材質のせいではなく、再現性の問題。



・経験の取得について

難易度の高い召喚を行った方が、より大きな経験を得る。

つまり、年代が新しい/スケールが小さいキットを使用すると大きな経験が得られる。

4章開始時点なら、1/35のキットからの召喚よりも1/72のキットからの召喚のほうが得られる経験は大きくなる。

同じ1/35なら、40年代の装備のキットからの召喚よりも70年代や80年代の装備のキットからの召喚のほうが得られる経験は大きくなる。



・フルスクラッチ/改造について

フルスクラッチで制作した物はキットと同様に扱われる。

システムはマルチマテリアル対応なので、スクラッチに使用する素材は問わない。

ただし、工業製品であるキットと同様の精度・再現性が求められる。

大英君の能力では無理。 雑誌に作例を載せられるレベルのプロモデラーや一流彫刻家クラスのウデが必要。


キットの改造を行うと、召喚される物も、改造状態で召喚される。

こちらもストレートに制作するキットと同様、十分な精度・再現性が求められる。

改造用パーツを使用する事で、大英君の能力でもある程度対応可能。

いずれも、架空品・架空改造品は召喚対象外。



・実機と召喚数

実物の存在数は0でなければ召喚できる数に影響しない。

大和のキットが3つあったら、3隻の大和を召喚可能。

実機の存在判定は現物がカタチを成したかどうか。

このため、試作機のみの震電や、工事未了の信濃も召喚可能。

この場合、召喚されるものはキットの想定に従う。

よって、震電ならプロペラは6翅プロペラになるし、信濃は全ての装備を搭載している。

(震電の量産機は4翅プロペラの予定。 信濃は沈没時工事未了なので、未搭載の部材があるはず)


一方、「Ta 183 フッケバイン」のように実機が未完成で、その完成度が不祥の場合、召喚されない可能性が高いが、これに関しては「当人の模型愛次第」とアキエルは言ったとか言わなかったとか……。

P.1101のように確実に形になっていない機体の場合は、召喚されない。

もちろんペーパープランは完全にアウトである。



・ホムンクルス

人間は人間として召喚されず、ホムンクルスとして生成される。

ホムンクルスは食料を必要としないが、水を必要とする。

装備品同様維持魔力を必要とする。

ホムンクルスが自己破壊を行う場合は残骸は何も残さずに分解する。

戦車兵によくある上半身のみの場合でも、召喚されたホムンクルスは全身がある。

人だけでなく、馬などの動物もホムンクルスになる。



・搭載物

燃料弾薬は全数・全量が搭載された状態で召喚される。

人員はその装備の固有または、必須人員をホムンクルスの形で全数召喚する。

[具体例 航空母艦]

これは空地分離ではなく、別の装備等が無から生まれるような事態にならないための制約。

弾薬・燃料は自艦の分は元より、搭載機の分も含めて搭載済みで召喚される。

搭載機は実際に制作したもののみ召喚される。

つまり、飛行甲板に乗っているか、横に置いて一括召喚したもの、別途召喚した物などである。

人員は乗員と整備員は全数召喚されるが、パイロットは搭載機に従う。


なお、消費した場合、それが勝手に回復する事は無い。

魔力によって生成する事も出来ないため、別途弾薬や燃料自体を「キット」から召喚する必要がある。

つまり、弾薬箱セットとかジェリカンセットの類が必要。



・食料

レーションのパーツなどがあれば、それらも召喚される。

だが、ホムンクルスは食料を必要としないので、それらを食べる事は無い。

なお、人間が食べても問題はない。

食料と飲料は維持システムの管轄外なので、術者が死亡しても自己破壊は発生しない。

なお、同じ液体でも燃料は維持システムの管轄内なので、自己破壊により消滅する。



■雑記

・無塗装の処理

塗装されていない部位は素材の色がそのまま再現される。

艦船模型などで船体を無塗装にした場合でも、金属の地色にはならず、静岡3社のメジャーな日本艦のキット達なら灰色になる。

ただし、透明な部分は現物の素材の色に依存する。

例えば、枠のある航空機のキャノピーを無塗装にした場合は、枠の部分は金属の地色になる。



・透明の扱い

スケールが小さいと透明なものが不透明な表現になる事がある。

1/700の航空機など、クリアーパーツを使ったキットでなければ、キャノピーは不透明な色で表現される。

白・銀・ブルー・機内色(ブルーグリーンや青竹色など)・黒などが使われるが、これらを召喚した際、キャノピーは透明になる。

これは、システム側で「白や銀に塗装しているのではなく、透明を表現する手段としての塗装である」という解釈が行われるため。



・ダメージ表現と破損

わざわざ召喚対象のキットにダメージ表現をする事は無いと思われるが、ダメージ表現をしている場合、当該の被害を受けた状態で召喚される。

ダメージ表現としてではなく、事故等によりパーツ破損・欠損している場合はその部分は補完されるため、完全な状態で召喚される。

破損個所が多い場合、召喚コストが上昇する事がある。

大きな破損がある場合、召喚不能になる。



・制作状態と召喚状態

航空機キットで、飛行姿勢で制作した場合でも、召喚すると駐機姿勢で召喚される。

そして、飛行姿勢を保持するための台座は召喚されない。

「召喚したらゲートガードでした」では使い物にならないためだ。



・ウオーターラインモデルとフルハルモデル

艦船はウオーターラインモデルでも完全な状態で召喚される。

水線下が存在せずに、召喚即沈没とはならない。

水線下の有無は召喚コストや難易度に影響はない。

フルハルモデルを召喚した場合、台座は召喚されない。

これは台座部分も模型に見えるキット(1/350秋月型)でも同様。



・リサーチミス

キットのストレート組みや改造などの際、多少のリサーチミスがあっても、前述の通り修正の上で召喚される。

ただし、装備品に関しては不足があると欠損状態で召喚される事がある。

[想定される例]

駆逐艦の模型で、搭載する機銃の数が史実と異なって不足している場合、そのまま不足状態で召喚される。

破損の事例と異なり、足りない機銃が補完される事は無い。

逆に多い場合は、想定年代の側をエラーとして異なる年代に合致する場合は、そちらに合わせられるが、該当する年代が無い場合は召喚されない。

(Ver 1.3 で史実側に合わせて召喚する機能を実装)

史実での搭載数が不明な場合は、キットの設定/改造の趣旨に従うが、極端な場合は架空艦扱いになって召喚されない。

(Ver 1.3 で不適切な増載分をカットして召喚する機能を実装)



・開発年代と購入時期、制作時期

キットが発売されたのが何時であるか、大英君が購入したのが何時ごろか、完成したのが何時ごろか。

これらは召喚難易度や召喚コスト、召喚の可否には影響しません。

昔から持っていたから容易になったり、古いキットだから難易度が上がるといった事はありません。

模型愛がどうのこうのと言うなら、昔買った在庫はコストを軽減してくれても良さそうなものなんですがねぇ。

また、好き嫌い(買ったんだから嫌いは無いから、好きの程度)も影響しません。



・固定と可動

砲塔とかプロペラが接着されて固定されているキットと、ポリキャップなどを使って回転できるようになっているキットがあるが、召喚には影響しない。

また、召喚された現物にも影響しない。

キットで固定されていても、現物で動く物はちゃんと動く。

大体1/700の航空機など可動部分なんて無いし、1/35の戦車でも、すべての可動部分がキットでも可動になっている訳ではない。

従って、ここに制限が発生すると、システムが破綻する。



■更新履歴

通常は最新を上に書く事が多いのですが、ここでは古いものを上にしています。


・Ver 0.1

コモン・ハブに上げた「リアライズシステム実証コード」

基本機能が実装。

マルチマテリアル対応・自動補完機能(見えない人員は存在しているものとして召喚される)対応。

1/300以下キットにおける省略フィギュアの補完機能実装。


・Ver 0.2

エラー処理や入出力操作系を実装した実働バージョン


・Ver 0.3

召喚時に元キットを使用済みとマークして残す機能(白化)を実装。

これは将来逆召喚を可能にするための措置。


・Ver 0.4

システム実行者と起動魔力供給者を分離可能にした。


・Ver 0.5

召喚品に対する指揮権の追加に対応。


・Ver 0.6

塗装済みキット対応。


・Ver 0.7

1/100以下キットにおける省略フィギュアの補完機能実装。


・Ver 0.8

キット破損の補償機能実装。


・Ver 0.9

消費魔力の上限値をカテゴリー1の限界値まで引き上げ。 これにより重量に対する制限が緩和される。

起動魔力供給に補助供給者を追加可能とする。


・Ver 1.0

食玩系キット対応。

リリースバージョン。 ム・ロウ神は正式採用を決定。


・Ver 1.1

模型戦記本編開始時のバージョン。

逆召喚による現物消去とキット復元機能仮実装。


・Ver 1.2

ノンスケールモデル対応。


・Ver 1.3

リサーチミス訂正機能を強化。


・Ver 1.4

4章開始時時点におけるバージョン。

1/72以下キットにおける省略フィギュアの補完機能実装。

(第17話 おっさんズ、魔獣と対峙す その2)


[以下 2022-03-20 追加]


・Ver 1.5

同一物複数召喚時に、2件目から現物情報検索を一部省略し、召喚負荷を軽減させる機能を実装。


具体例

1/350の零式艦上戦闘機を4機制作。

装備・塗装は同一、設定上同一飛行隊の所属。

最初の1機は全情報を取得する。

2機目からは差分要素になる戦歴情報のみ取得する。


ただし、実装時にこれを生かせる状況はあまりない。

(1/350からの召喚はまだ実施できない。 まぁ、大英が1/144食玩でダブっているものをデカールだけ変えて複数制作するなんて事をすれば良いのだが、あまりそういうケースは無い)


・Ver 1.6

逆召喚機能正式実装。

(第30話 おっさんズと戦への道 その4)


機能している召喚品を、経験情報を保持した上で消滅させ。キットを白化状態から、元の状態に戻す。

一定期間経過後、再度召喚する事で、軽微な損傷の修繕、消費燃料・弾薬の完全補充、整備状態の万全化がなされた状態で経験情報を反映して召喚できる。

当該召喚品がその機能を失うほど大きな損傷を受けている場合、逆召喚は行えない。

キットのフィギュアの場合、死亡したホムンクルスは復活しない。

待機期間はスケールにより異なる。

分子の数字が大きいほど長くなる。

機能は失われていないが、大きな損傷がある場合、待期期間が延長されることがある。

現状分子の数字と日数が一致するが、今後の改良や術者の成長により、短縮が見込まれている。

逆召喚および再召喚では、経験は得られないため、術者は成長しない。


具体例

1/35 の戦車なら、逆召喚実施後35日経過すると再度の召喚が可能になる。


[2022-03-20 追加 ここまで]



以降開発は継続中。




■モリエルのリアライズシステム

コモン・ハブの「リアライズシステム実証コード」を元にモリエルとそのスタッフが作り上げたシステム。


・相違点

召喚実行時に元キットが残らない。

漏洩魔力の残滓が黒色。(アキエルのシステムでは白色)

エラー処理や入出力操作系は独自実装。

システムは一人で起動できるように、制御の自動化と起動魔力の削減はアキエルのシステムより進んでいる。

(ついでに言えば、アキエルのシステムは追加されている機能が多い分、消費魔力も余計にかかる)

Ver 0.3以降相当の部分は実装されていないが、実際の召喚者が死亡して利用者が居なくなった今も、新機能の開発を継続している。


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