駄文:重点を置いている所が違えば、表現も変わる
戦艦大和の主砲が46センチか40センチのどちらであるかは、日本海軍マニアとか戦艦好きにとっては「常識」であり「間違うとかありえん」と思う事ですね。
一方、そもそもミリオタですらない人やモデラーでも軍艦に疎い人だと、その部分は「間違う可能性がある」とか「知らない情報」の場合があります。
また、戦略の専門家のように「狭く深い」知見を有する人の場合、「どっちでも関係ない」という事で「スルー」するとか「目が滑って見落とす」事もあるでしょう。
ゲームの場合なんかも「何処に注目するか」でルールやデータが決まるので、細かいスペックが無視されるケースは珍しくありません。
ハーツオブアイアン2なんかだと、兵器の性能ではなく、戦略と生産(国力)に重点を置いているので、同じ世代の同一艦種の艦艇なら、国が変わっても性能は同一だったりします。
(艦艇に限らず、航空機でも戦車でも同じ。違うのは名前だけ)
これを理解していないと、「大和とモンタナが性能同じとかありえん」と「ピントの外れた」怒りを燃やす事になってしまいます。
そこが気になるなら、戦術級の海戦ゲームをプレイするべきで、大戦略 (ゲームタイトルにあらず)を楽しむゲームは向いていないと思います。
このため、「どこに重点を置いているか」を「明らかにする事」は大事だったりする訳です。
なろう小説なら、キーワードやあらすじで書かれている事が「その作品が重点を置いている事」になるかも知れません。
(違う事も少なくないだろうし、作者本人が思っていても反映されているとは限らない)
作者が大事だと思っている事と、読者が大事だと思っている事に食い違いがあると、離脱の原因になる事が考えられますね。
拙著模型戦記だと
「近代兵器無双が見たいのに、戦車隊が勇者に駆逐されるとか何しとん。(怒」
とか思う人もいるかも知れません。
いや、申し訳ない。
常勝では展開が平板すぎるのでね。
なのでキーワードに「近代兵器無双」とか入れてません。
あと、必要以上に人気を獲得する作品でも、似たような問題が起きる事が考えられます。
たとえば、古代中世の中国や、中国がモデルの架空世界を舞台にしている作品なら「節度使」について触れる事もあるのではないでしょうか。
触れるどころか、主人公が節度使かもしれません。
拙著のように人気が乏しく、マニアしか見に来ない作品なら、この手の「専門用語」を使ったとしても問題になる事は無いのですが。
ですが、日間pvが何万もあるような作品だと
「なんだよ節度使って、イミフww」
「AIに聞いちゃったよ。 こんな変な言葉使わないで『辺境将軍』でいいじゃん」
「自己満すぐる、乙」
「無駄に細かすぎ。一般人が知らん言葉使うな、目が滑るw」
「知識自慢きもい」
「そんな難解な言葉、なろう読者は求めてない」
とか掲示板に書かれる事になりかねないでしょう。
つまり、「詳しくない人も読む」ので、「レアな用語」を控えないといけなくなると言う訳。
でも、そこを「辺境将軍」とかにリライトしちゃったら、初期を支えた古参から「何改悪してんのよ」と文句を言われますね。
やっぱり雰囲気は大事だからね。 いや、どうでもいいと思う人が多数派な気がするけど。
まぁ、模型戦記では用語集を設けているので、気にせず専門用語使いますけど。
(用語集の中身のいくつかは、読者なら知ってて当然の「釈迦に説法」な無駄解説だが気にしないでおこう)
■余談
ゲームメーカーの人間(ディレクター/プロデューサークラス)でも節度使を知らない人は普通にいる。
流石に歴史物を出しているメーカーならそんな事は無いだろうけどな。
その手のお偉いさんは「節度使とか判らん。指揮官とか司令がいいんじゃないか」とか語ってしまう訳です。
アンタは想定ユーザーではないのだがな。