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ボロアパート  作者: さち
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102号室と103号室の話 第10話

「このニュースの名前、どこかで…?あ!彼女の元旦那の名前。え?死んだってどういう事だ?」


ふと、背中に寒気を感じる。

あれ?何か凄く大事な事を忘れてる気が…。


何で彼女の旦那の事を知ってるんだっけ?

思い出せない…。

「う…うう。頭が痛い…。」

思い出そうとすると割れるように頭が痛くなる。









彼が怪我をして運ばれた日の夜。


「出張から帰ってすぐで悪いが、一度出勤して来て貰えないだろうか?」上司からの電話。

「わかりました。必要な書類を用意してなるべく早く向かいます。」


急にこれから出勤になってしまった。


買い物から帰ると、アパートの前にパトカーと救急車が停まり物々しい雰囲気だった。

「何かあったのかな…?」

まだアパートの中へは入れそうにないが、心配で様子を見ているとお隣の学生さんが運ばれて行くのが見えた。



「えっ!あれ、お隣の学生さんだ…。」

ストレッチャーに乗せられ運ばれて行く。

意識がないようで救急隊の人が声をかけていた。


「大丈夫なのかな?」

容体が気になるが、仕事へ行かなくてはならない。

騒ぎが収まり中へ入れるようになったので、部屋へ戻ろうとすると警察の人に声をかけられた。


「あの、お隣の方ですか?少しお話をお聞きしたいのですが、お時間よろしいでしょうか?」

「はい。構いませんが、この後仕事なので手短にお願いします。」

「そうですか。わかりました。まず、隣の方とのご関係を。」

「え?ただのお隣さんですけど…?」

何を当たり前のことをと思いながら答える。


「では、単刀直入にお伺いします。何か被害に遭われている自覚はありませんか?」

「は?ち、ちょっと仰ってる意味が分かりませんが?」

「いえ、実は…」

そう言うと警察の人が「こちらへ。」と促す。


「え?ここって入って大丈夫ですか?」

何故か、お隣の部屋へ案内される。



…入って驚いた。

壁や天井、そこかしこに私の写真が貼られていた。



「え…これ、なんなんですか?」

寒気がする。正直…気持ち悪い。

こんな事されてるなんて知らなかった。



「これだけではないんです。こちらへ」

すると、壁の前に案内された。

ここは私の部屋側の壁だ。


小さく少し色の違う壁紙が貼られている。

警察の人がそこをめくる。

促され覗くと私の部屋がよく見えた。


「なにこれ…。私、覗かれてたんですか?」

物凄い嫌悪感だ。

とにかく気持ち悪い。


「あんな爽やかそうな顔してこんな事してたの?」

「それだけじゃなさそうですよ。」

警察の人が言う。

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