退学勧告と美人教師
「お前退学したいのか?」
化学教師で生徒指導担当兼担任の倉敷静花は深々とため息をし呆れたようにこちら見つめる。なぜこんな美人教師でエロエロな身体なのに彼氏がいないのか。多分学園七不思議的なやつのうちに入るレベルで分からん。
「いや別に退学したい訳ではないですよ?ただこの学校がいいかって言われたらなんとも言えないっすね」
これは事実だ。クラスで友達がいない訳でもないが部活にも入ってないし、学校に目的がある訳ではない。……いやピチピチのJKは見たい。
「君は何のために生きてるんだ」
難しい質問だよ、全く。今時の高校生なんて何のために生きてるかって聞かれてまともに答えられる方が少ないだろう。
「強いて言うなら性欲ですかね」
ぐら○ぶるを読んで一度は言って見たかったこのセリフをこんな危機的状況で言えると思ってなかったからめっちゃ嬉しい。なんならもう退学してもいいかも!などとは思ってはいません。ハイ
「君にも性欲くらいはあるんだな。少し嬉しいよ」
「いやさすがに突っ込んでくださいよ!ギャグで言ったのに真に受けられると困るんですけど…」
「すまんすまん冗談だよ」
ウルウルとする倉敷先生。全く冗談に見えないのは気のせい?気のせいですかね?担任教師に生きがいを性欲と言って喜ばれるってこんなひどい話はないだろ。人間として認識されてないかよ!ミドリムシか何か勘違いされてますかね。
「このままだと本当に退学なるぞ」
「すいません。これから気をつけます」
とりあえず頭を下げる。
――勝った――
とりあえず謝っておけば大体のことは許してもらえると誰かが言ってた気がする、と思いきや倉敷先生はあまり納得がいかないらしい。
「君が本当に退学になりたくないのであれば救済処置として奉仕活動をすれば多目に見てくれるそうだ」
退学するよりはマシだな。もし退学なんてしてみろこれからの人生お先真っ暗だよ。グレーな人生送るなんてまっぴらごめんだ。俺のモットーは金にならない仕事はしないだがまあ今回はしょうがない。
「わかりました。それで俺は何をすればいいんですか」
「生徒会の手伝いだよ」
美人が揃うと有名の生徒会に行けるのであれば奉仕活動もやぶさかではない。むしろウェルカムだ。
「わかりました。いつから行けば良いですか?」
「今日の放課後から頼む」
「結構急なんっすね」
今日の放課後からとなると心の準備が必要だな。女子とまともに話すなんて半年ぶりくらいだ。
「まあ急遽人が必要らしい。……サンドバッグ役とか」
ボソっと呟くが俺にはよく聞き取れなかった。
「……サンドバッグ?」
「すまんなんでもない。気にしないでくれ」
話を終え部屋を出る。なんか隠されたみたいで怖いが、とりあえず今日の放課後から行ってみるか。