表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キミの はんぶん  作者: ユエ
4/4

見つめる視線


ーーあれから2人でいる毎日が過ぎ、あっという間に1年が経つ。


誕生日には水族館に行き、海月や海の生き物に癒され、プレゼント交換をした。

ある時は、みちるの作った弁当で花見をした。


夏になり、夏休みは2人で花火を見て、一緒に課題をしたし、涼みに海に行った。


秋はそろそろ高校受験に向けて考えつつ、文化祭の日は図書館で2人してサボる。

この時はちょっとだけ2人だけの世界でいられたような気がする。


そして冬、高校は家から近い、翠川高等学校を志望。

公立高校だし、あまりギチギチな雰囲気じゃなかったから、ここにした。

クリスマスは2人で過ごし、ショートケーキを食べ、正月は俺の家族もみちるの家に集まって、いつもより盛大に騒いだ。

結果、2人して合格。


そして、春ーー


入学式。



担任「入学おめでとう。そして、式お疲れさん。

担任の柳井だ。担当教科は数学だ。

よろしくなー。」


軽そうなセンセーだな。

ま、うるさく言ってくるヤツよりマシか。


柳井「まー、この後自己紹介をしてもらうが、

その後は明日以降の流れを説明して解散だ」


じゃ、自己紹介~


と、柳井の力が抜ける指示で、安斉ってヤツから自己紹介が始まった。


か行だから順番早いんだよなー。


「…神崎優也。青南中から来ました。

よろしくお願いします」


てか、人数多いな。何人だぁ?

40人近くかよ。

…お、そろそろみちるの番じゃん


「…都月みちる。青南中から来ました。

よろしく。」


緊張してんなー。

今日の帰りにアイス買ってやるか。



この時間もそろそろ終わるし…



柳井「じゃー、全員終わったことだし、明日のことを

話すぞー。

プリント配るから、ちゃんと持って帰れよ」


明日はオリエンテーションと、午後から健康診断。

授業は明後日からか。…たりぃな。


柳井「いーかぁ、お前ら。

とりあえず1年間、よろしくなー。

じゃー、きりーつ、れーぃ」



号令まで気が抜けるヤツだな。


さ、帰るかー。


「みちる、帰るぞ」


「ゆーや、アイス」


やっぱなー。

「買ってやるよ。ほら、行くぞ」



みちるを促し、教室を出ていく。

途中で女子が声をかけようとしていたが、スルーだ。

悪ぃけど、下心まる見え~。


だけど、俺は気づかなかった。

教室を出ていく俺たちを、三日月の形をとった目で見つめる3人の姿があったことを。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ