第6回 書き出し祭り 第三会場 7.『異界より流れ着きし嬰児《みどりご》達よ、衰えし皇国の新たな血になり給え』
作品URL: https://ncode.syosetu.com/n5289fl/8/
【タイトル】
完全に個人的な好みになってしまいますが、タイトルの中にフリガナが必要な作品は、何かを押しつけられるのではと警戒してしまって避けたくなる傾向があります。
世の中には長いタイトルだけで駄目という人もいたり、タイトルで内容が分からないと駄目という人もいるので、正解なんてありませんが、できるだけヘイトを稼がないタイトルというのは意識した方が良いかと思います。
「皇国」「給え」という表現があるから、明治か大正あたりの世界観なのでしょうか。
タイトルからはどういった内容かが読み取れない上に上述したとおり個人的な部分でヘイトを稼がれてしまったので、ちょっと警戒気味に内容に入っていこうと思います。
タイトル、難しいですよね……
【内容】※読みながら書いています。
平成末期……
最初の一行は書き出しの中の書き出しなのですが、「皇国」なのに何故に平成……というところからのスタートになりました。あと平成も残すところ明日明後日ではありますが。
あ、説明が多いな……という事で読み終わったのですが、これは書き出し祭りに出す作品としては、ちょっと展開が遅いと思います。完全に説明だけで終わってしまって物語が動いていない。
長編の設定的には面白いと思うんですが、書き出しとして4000字で読者を惹き付ける、没入させるという点では弱いと言うしかありません。
例えば、いきなりスナックのシーンでスタートさせ、
「少子化対策なんて思いつかないよ! どっかから送還先不明の子どもが1000万人くらい集まれば、それで解決するんだけどなぁ」
「あら、良いアイデアね」
「でしょ?」
くらいの軽いノリで伏線を張り、いきなり子供達が現れ、主人公が呼び出されるような展開を1000字以内で納めて、残り3000字で物語を進めることも出来たと思います。設定的には珍しいタイプの作品だったので、ちょっと勿体無かった気がしました。
【総評】
「書き出し祭り」の難しさは、Web小説の第1話というだけでは足らず、時系列的な最初を書くというのも悪手で、あくまで4000字で物語の魅力を伝え、読者を引き込み、続きを読みたいと思わせる抜き身の刀のような鋭さが必要だと思っています。
試行錯誤の結果、この書き出しだったのか、漫然とした「書き出し」を書いたのかでも意味は違ってくると思いますが、何となく物語の時系列的な冒頭で4000字内に収まるところで切ったような印象を受けました。
物語の中に説明的な話というのは絶対必要ですが、それを冒頭におく必要があったかは真摯に検討すべき課題かと思います。また、この書き出しとタイトルがどう紐付くのかという観点で、読者の興味を引くことも大切じゃないでしょうか。
あとこれは書き出しには関係ありませんが、物語の前提となる少子化対策について。
乳児だけが大量に増えるというのは少子化政策としては最悪です。ある程度の年代幅の厚みがある子供達が集まらないと、その世代が老人になったタイミングで下の世代の負担が増えます(今と同じ)極端な話、0歳から30歳までの年代が100万人ずつ金塊と石油付きで集まると、少子化は一旦解決します。
……と、設定にも引っかかっていた部分があったので、消化させていただきました。
自分の作品よりも感想のPVの方が高いというのは解せぬ(笑)




