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戦果


「チョッギ?」

「プギィィィィ!」

「おしい。ギじゃなくてリだ」


 オークが乱暴に振り回す腕を避ける。樹木のような太さの腕を枯れ枝のような気軽さで振るうオークだが、侠龍をとらえることはできないでいた。

 速さはある。重さも驚異だ。しかし挙動が大きい。払うも叩くも、都度都度振りかぶって繰り出される攻撃は侠龍に回避の猶予を与え、度重なる回避の実績は侠龍から緊張を削ぎ、観察と反撃、ついでに軽口の余裕を与えた。

 未だ掠りもしていない攻撃だが、風鳴りの音や地面の凹みからその威力が知れる。人の頭などいくつかまとめて叩き割ることだろう。自分の頭が弾ける想像をしながら、侠龍はだんだんと回避の幅を小さくしていく。

 頭ひとつ避けていたものを拳ひとつへ。拳半分を経て指一本へ。目が慣れてくると今度は腕の毛が触れるほどまで。体をそらし、捻り、半歩進み、退がり、すべてを巧みに避けていく。時に腕を飛び越し、木の幹を蹴って距離を取ることもあった。


「身軽なもんだね」

「逃げる回るためにパルクールを少々な。あと、軽身功(けいしんこう)に憧れて」


 軽身功とは中国武術の鍛練の一種で、跳躍力や空中での姿勢の制御を鍛えるものだ。地神の加護を得て身体能力の上がった今の侠龍は、一度の跳躍でやすやすと自分の身長を飛び越える。そしてそれを可能とする脚力は、当然攻撃にも有効だ。


「シッ!」


 ドシン! と重い音が響く。

 振られた腕を避け、その毛を引っ張りオークの体重を崩した侠龍が、極太の足に鋭い下段回し蹴りを入れた音だ。

 今だかつて感じたことのない重い手応えは、オークに与えたダメージを物語っている。右と左で一発ずつ、オークの右足に蹴りを入れて再度距離を取る。オークはその猪面を歪め、口端から涎を垂らしながら片膝をついた。蹴りが効いている。

 開けた距離をすかさず詰める侠龍。地面で跳ね、木の幹で跳ね、オークの頭の位置まで跳び上がった。跳ねた勢いをそのままに膝蹴りを入れ、肩を足場に器用に体勢を入れ換えると両足で猪面の下、太い首を挟み込む。そして思いきり締め上げた。


「ブ……グゲェ……!」


 オークの太い指が侠龍の足を外しにかかる。しかし太く短い指は膨張した筋肉とがっちり組まれた足首になんの痛痒ももたらさなかった。指先が蹄のようになっているため、脚甲に引っ掛けられずにいる。

 オークは体を振り回すように暴れるが、侠龍は巧みな動きでバランスを取り、絶えず首を締め続けた。やがて、ゴキリ、と鈍い感触が侠龍の足に伝わり、オークの巨体は周囲の梢を巻き込みながら、声もなく地面に投げ出された。首の骨が折れたのだ。


「ふぅ、あっけなかったな」


 倒れる直前に足をほどき巻き込まれるのを避けた侠龍は、拍子抜けしたように言う。


「てっきりシュルクに次ぐ激闘になるかと思ってたんだけど、こんなに簡単に終わるなんて」


 体格差も体重差も、何倍あるか知れたものではない。もしここにヨシアがいなければ、隠れるなり逃げるなりして避けた衝突だった。戦いが始まってからも、一撃もらえば終わりという恐怖を常に感じていた。

 それが蓋を開けてみればこの結果。圧勝である。被害といえば脚甲に泥と血がついた程度のものでしかない。


「当たり前だよ」


 腑に落ちない様子の侠龍に、ヨシアは当然の顔をしている。


「侠龍は聖甲騎士に勝ったじゃないか。じゃあオーク程度、物の数じゃないって」

「そんなもんかねぇ。確かにシュルクの剣の方が、ずっと早かったけどさ」


 侠龍の常識では両者は別枠で、同列に語れるものではないのだが、ここでは同列なのだろうか。


「いやしっかし改めて地神様々だな。まさかあの巨体がローの二発で崩れるとは思わなかったぜ」


 思い出すのは蹴りの手応え。若い頃は生木を蹴って鍛えた侠龍だが、それに倍する衝撃だった。今なら生木を蹴り折ることすらできそうだ。オークの首を折った足の締めにしてもそうだが、いったりどれ程威力が上がっていることか。


「元々の加護が強かったのにくわえて、君は熱心に祈りを捧げているようだからね。地神も加護を篤くしたのかもしれない」

「祈りったって、トレーニングだろ? 俺に取っちゃ日常で、習慣だからなぁ。『毎日朝食を食べて偉いわね』って誉められてる気分だ。過保護かよ」

「彼奴らは人間の内心にはそれほど斟酌していないよ。自らへの祈りと定めた行いをしていれば報いる。そういうものさ」

「そういうものかね。まるで機械仕掛けだ。ところでこいつ、立派な毛皮をしているけど、高値がついたりしない?」


 話をしながらオークの耳を削ぐ侠龍。目が行くのは首から下、広大な背中の豊かな茂みだ。その下の肉や内蔵も、食用にならないだろうか。


「売れはするけど、そう高くないよ。寒い時期でもないし、オークはよく出るから」

「いや、これはヨシアたちが持ち込む物よりも値がつくだろう。なにせ傷が全くない。敷物にも、服にもなる。物の足しにはなるさ」

「あ、そうか。侠龍は刃物使わないものね」

「いや好んで使わないわけでもないけどね? 日銭に喘ぐ身だし、小銭でもあるに越したことはないな」

「じゃあ毛皮は僕が剥いでおくから、シャロンは残りのオークをお願い」


 残り? と疑問を発する間はなかった。

 森の奥。山の裾野の方からガサガサと藪を進む音が近づいてくる。それもひとつやふたつではない。いくつもの何かがこちらに迫ってきているのがわかる。

 やがて距離が近くなると、藪を進む音にブゴブゴと空気の鳴る音が混ざるようになった。聞き覚えのある音だ。あまりにも耳に新しいそれが、幾重にも重なって聞こえる。


「プギィィィィィ!!」


 口端からあぶくを飛ばす咆哮は、紛れもなくオークのそれ。新たに五頭ものオークが、四つん這いになり猛然と侠龍たちのもとへ突進してきた。


「オークは基本的にひと家族五~六頭の群れで動く。それぞれが獲物を探して行動し、見付けたら食らう。自分だけでなく家族の分もあれば声を上げて家族を呼ぶ習性がある。さっきのオークが鳴いてからすぐに来なかったということは、それぞれ獲物にありつけていたのかもしれないね」

「そういうのもうちょい早く言ってくれませんかね。ショコラティエは近くにいるの分かってたんだろ?」

「もちろん。それが?」

「報連相は大事にしようぜ。社会人の鉄則だろ」


 ヨシアは鼻唄なぞ歌いながら顔も上げずにオークの毛皮を剥いでいる。つまり手伝うつもりはないということだ。それは自分だけは大丈夫という自信か、侠龍なら大丈夫という信頼か。ともあれ、侠龍はこれから自分の何倍もの体躯の獣を相手に五対一の大立回りをせねばならない。


「さっきの感触からしたら、まあいけるかもしんないけどよ。俺がトントントンツーツーツートントントンって言ったら助けてくれる?」

「危ないようならもちろん助けるけど、侠龍なら大丈夫だよ」

「だといいけ、どッ!」


 会話を終えた侠龍は先頭のオークの突進を跳んでかわし、足場代わりに後頭部に蹴りを入れ、残るオークの突進もやり過ごした。

 それなりに経験豊富な侠龍だが、さすがにあれほどの巨体を、それも五体も相手にしたことはない。立ち回りを考えなければならないだろう。幸いなのは木が密集していることか。肩幅が二メートルほどもあるオークたちは、そのため突進を攻撃に活かしづらかろう。対して侠龍は目眩ましや一時の足場に使える。間引きがされた森ではこうはいかなかったはずだ。


「おっし、神様ヨシア様に手厚く見守ってもらいながら、ひいこら戦うか」


 ◯


 当初の計画では最初の一頭のように足を削り、首を締めるか打つかしていくつもりだった。そうでなくては首に威力の乗った打撃は当てづらい。かといって胴体を打っても、この体重差だ。ダメージになるかわからないし、なにより拳や手首を痛めかねない。

 突進を止め、立ち上がったオークが振り回す腕を掻い潜り、時に足を蹴り、時に手首に手刀を打ち、時に手首の関節を捻る。そんなことを続けていた。

 それは一瞬の油断か、慣れない戦況ゆえの失態か。

 侠龍の目に映ったのは、腕を伸ばしきったオーク。太い肩と腕が視線を遮り、侠龍は死角となっているだろう。がら空きの広い脇腹が見える。今、侠龍の拳と脇腹の間に遮るものはなにもない。

 ふっ、と、突きが出た。

 あからさまな隙を前に、侠龍の体は攻撃するしかなかったのだ。なにせ、隙があったら衝くよう日々修練をしているのだから、これは仕方がないことだろう。


「あ」


 と、侠龍本人も呆然と呟くが、その呟きが空気を震わせる前に、十分に力の乗った右の正拳が、オークの脇腹に到達した。

 馴染みのある、しかし今だかつてなく大きな手応え。獣毛、皮膚、脂肪、筋肉のうねりの奥に、柔らかな内臓を感じた。


「プグ……ェェ……!」


 正拳をくらったオークは湿った声を漏らして膝を着く。半分以下の体重しかもたないシャロンの打撃だが、その効果は十分以上であった。

 しかし侠龍にも代償があった。大きな威力には大きな反動が伴う。硬い獣毛に拳骨の皮がめくれ、疲労骨折を繰り返した指の骨も折れている。この拳はもう使えない。痛みに顔を歪ませながら、肘と片手でオークどもと戦うしかないか、と覚悟を固めた、その時。

 むずむずとした一瞬の瘙痒感そうようかんの後、目に見える速度で皮が治り、骨があるべき位置へ収まったのだ。言い様のない感覚に拳を確認すると、そこには元通りの、擦過傷と骨折を繰り返し角質化した侠龍の拳があった。


「こりゃあいい。怪我は気にしなくていいってか」


 調子を確かめるように手を振ると、すぐにオークに向き直った。苦悶に喘いでいたオークの正面に周り、左右の突きを繰り出す。右正拳で鳩尾を穿ち、左鉤突きで一番下の肋骨を折りに行く。

 刹那の間に放たれた二連撃だが、オークに訪れた痛みは同時だった。それほどの早さで繰り出されていた。狙い過たず到達した拳はオークの胃を破り、第十四肋骨を粉砕。折れた肋骨はその鋭利な断面でざっくりと肝臓を切り裂いた。

 両膝を着いたオークが喉にせり上がる血を吹き出すより早く、侠龍の追撃が襲う。鋼鉄がごとく鍛えられた脛での上段回し蹴りが、太い首に守られた頸骨を見事断ち切った。

 これまでの削りっこの何分の一か、とかく一瞬でオークを物言わぬ肉塊と化した侠龍だが、やはり代償も大きかった。両の拳ともに骨折多数。手首を痛めた感触もある。鍛え、練り上げた脛にも鈍痛が走る。が、それは先ほど同様、瞬きの間に消え失せた。怪我ももうない。


「いいねぇ。四肢でやるゾンビアタックだ。ウェイドもこんな感じなのかな」


 打撃が有効で怪我が怖くないならば、話が早い。


「殴って蹴って黙らせる。いつも通りだな」


 ◯


 それから幾ばくかして、皮を剥がれたオークの死体が地面に並んだ。あたりには血の臭いが立ち込める。立っているのはふたり。無傷のヨシアと、無傷になった侠龍だけだ。その侠龍は皮袋から気が抜けてぬるくなったコーラを呷り、言う。


「いやぁ素晴らしいな加護ってのは。ほとんどヒーリングファクターじゃん。自分の体なのにハリウッドのCG観てる気分だわ」


 体の見聞をするようにとんとんと跳ね、捻る。どこも痛まないし、きちんと動く。これなら普段のトレーニングも遠慮しなくてよさそうだ。


「とんでもない、そこまで愛されている人を見たのは初めてだよ。骨折してもこんなに早く治るなんて。神官殿でもこんなに深く愛されている人は聞いたことがないね」

「特別扱いか……。シュルクだっけ? 騎士との決闘と比べても劇的に早くなったよな。神殿に行ったのがお気に召したのかね」

「かもね。明日も行けばもっと深く愛されるかも」

「見返りを求めてってのは、どうもな。性に合わん」


 話している間にヨシアも皮を剥ぎ終わった。さすがの手際だ。侠龍ひとりで皮を剥ごうとすれば、一日二日では終わらないだろう。もしかしたら魔法も使っていたのかもしれない。


「さて、これからどうする? もっちょっと狩ってくか、今日は終わりにするか。俺としては槍の修理とかしたいんだけど」

「修理って、シャロン槍使うの? 素手の方がいいんじゃない?」

「素手の方がいいって……」


 そんなバカな、と返そうとして、気付いた。確かに、と。

 手元の槍は一投でガタが来てしまったが、素手ならば怪我をしてもすぐに治る。間合いが近くなるのは苦しいが、痛みさえ我慢すれば出費はなくなる。まさに潰れない拳だ。


「この辺に、オークより遠くを攻撃してくるやついる? 速いやつとか、爪とか棘に毒を持ってるやつとか」

「…………オークが一番体が大きいかな。麻痺毒を持っている魔物ならいるけど」

「麻痺毒か……。その毒、手に入らないかな。俺の体でどれくらいで代謝されるか試したい」

「それなら今からそいつが出てくるところまで行く?」

「いきなり実地はちょっと……。もうちょっと命の安全が担保されてる状況でやりたいな……」

「なにを言うかね。私の美味しい契約者がいるそばにいる。これ以上に安全なことなどないよ」

「ああ……。言われてみれば……」


 ヨシアなら瞬きの間に幾十も剣を振るえることだろう。程度はわからないが電撃も放てる。普段ここでの仕事を見ているショコラティエが安全だという。これは試してみてもいいかもしれない。侠龍がそえ考えていると、ショコラティエが言葉を続けた。


「それに、追加調査の必要がありそうだ」


 小鳥の視線の先には、一頭目のオークが投げた紅い肉塊。ヨシアが顔を近づけ観察し、驚きの声をあげた。


「これは、兎じゃないか」


 侠龍も近くに寄って覗き込むが、それは侠龍の知る兎にもよく似ていた。違いといえば、いささか体が大きいくらいだろう。


「俺が知る兎にもよく似てるな。なんか問題なのか?」

「ああ、問題だね。離れた場所にも、おおよそ等しい間隔であと六つほど、兎が置かれている」

「ここに矢傷があるね。もしかしたら、他のも……?」


 ヨシアの示すとおり、首元に血の滲む穴があいていた。矢を射かけられた兎のなにが問題なのか、侠龍が理解できないでいると、ショコラティエが言う。


「ここ西の山にはねシャロン。兎はいないんだよ。一羽たりとも」

「いない? 一羽も?」

「ああ。私も学者ではないので理由は知らないが、兎の生息に適さないなにかがあるのだろうね。体の大きな魔物も多いから、そのせいかも知れないが、その兎が六羽。小鬼が食べていたものも合わせれば七羽、いたわけだ」


 一羽もいないという兎が七羽。確かに特異かもしれないが、ショコラティエが調査の必要を訴える理由が、侠龍にはわからない。


「いまいちわからないんだけど、それってなにが問題なの?」

「誰かが意図的に肉をばらまいている。この広い山裾のなか、我々が見た範囲だけで七羽だ。他の場所にも広く置いているのか、タルゴゴに近いこの一帯にだけ置いているのか、どちらにせよ人の意図が介在していることはまず間違いないだろう。そしてそれがどんな意図であったとして、我々はこの肉にひかれた魔物の集団と接触している。こんな浅い場所でな。同様に肉があるなら、その位置を記録、回収して都市に報告した方がいいんじゃないかね」

「餌付けされた害獣が味をしめて人里に降りてくる前に対策しろってことか。なるほどもっともだな。じゃあこのスキンレスオークも持って帰るか?」

「オークはこの山にも数多くいるから、持って帰るまではしなくていいだろう。味を知る獣も魔物も多いはずだ。もう少し奥にでも、小鬼と一緒に放り投げれでもすればいいさ」

「ありがとう、ショコラティエ」


 ヨシアが礼を言い、ショコラティエにチョコを差し出した。ショコラティエは小さな嘴で器用にも溢さずチョコを完食し、満足そうに羽繕いをし始めた。


「なんのためにやってるのかわらないけど、害が出てるから持ち帰って検討しようってことか。俺に否はねえよ、了解。でも早めに調査ってことなら、ヨシアがビリビリッてやってひとっ走りしてくれば終わるんじゃねえの?」


 侠龍が思うのはヨシアとの立ち会いで、魔法の雷を纏ったヨシアだ。あのときの、目にも止まらぬ連続の突き。あのスピードがあればこの森に何本の木が生えているのか調べてさえ、一日かからないだろう。

 侠龍の明暗に、しかしヨシアは苦笑で返した。


「それが出来れば速いんだけどね。ショコラティエの雷を通している間は、確かに早く動けるんだけど、耳と目が使えなくなるんだ」

「なに?」


 侠龍は聞き返したが、それ以上でも以下でもない。あの魔法を使っている間、ヨシアは雷の速さに比肩しようという速度で動くことができる。だがそれは体だけなのだ。ヨシアの頭はその速度に対応できない。動体視力は追い付かず、音が届くより体の動きが速い。発動中、ヨシアは目隠しと耳栓をしているに等しいのだ。

 そのためヨシアは、いつでも魔法を発動できる状態を維持しつつ、瞬間で発動、一動作ごとに停止、を繰り返している。


「そういえば不意打ちで驚いてたもんな。スピードアップしてておれの動きがスローモーションに見えてるなら、驚くことなんかないか。会話が出来てたのも、おかしいといえばおかしいよな。あの時はつまりアイドリング中で、アクセル踏んでなかったってことか」

「発動中は棒立ちになっていても音は聞こえないし、僕が喋っても早口になっちゃうと思うよ」

「へぇ。フラッシュやクイックシルバーみたいにはいかないか。確かにそれじゃ、使っても意味ないな。圧縮断熱で山火事が起きるのが関の山、か」

「え? ショコラティエの魔法は雷だから火は着かないよ」

「……あ、そういう感じ? オーキードーキー」


 まだ日は高い。水も食料もコーラもある。怪我はなく、体力にも余裕がある。調査を続けるない理由はなく、肉が気になるのも事実だ。

 オークの体を引きずるのに難儀しつつ、一行は山裾の樹海をより深きへと歩いていった。

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