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【漸ジ版】Chield-シールド-  作者: でーりぃ
3/13

3-3

「──Ciao:クロユリ」


放たれた凶は、空を貫く。

枉ることなき禍の弾。

黒百合、そう呼ばれた狂銃は仮面を糾弾する。


「寤──」


が、

眼前までソレが迫ったその時、忽然と。

ヤツは消えた。



「……対象再度消失。」


朽梨の呟きが静寂に谺響する。

ツンと張り詰めた空気が、ようやく、世界からの許しを経て融和を果たす。


くる、くるくる、くる。


ぎゅる?ぎゅるぎゅ、るるぎゅ。


その凍り付いた光景が融けるのと時を同じくして。

僕自身も世界に融けるような感覚に襲われる。


「意味が、わからな、い。」


「意味が、意味が。」


「わかるはず、ない。」


足は竦んでいた。

震えていた。

しかし、立った。

なんのために?

逃げるために。

なにから?

今起こった、げんじつから。

どうして?

───こわいから。






走った、走った、あてもなく。

走った、走った、果てもなく。


暗闇を駆けた。

現実に怯えながら。

追憶に目を背けながら。




気付けば、見知らぬ場所、交番の前に立っていた。

足は震えていた。

先と同じか?

わからない。

しかし、震えていた。



「助けて、」


「助けて、ください。」



這いずり、扉を叩く。



「助けてください───」



警察官の奇妙な目線を浴びて、なぜか嗤えた。



嗤いが、僕を、


「──こんばんは、人を殺しました。」





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