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青空を見上げて

仕事

作者: 星凪 怜

私は時間に縛られるのが嫌い。

自由に過ごしたい。

でも、仕事をしている以上、時間は私を拘束する。


以前は天職とも思える仕事をしていた。

仕事が好きで、役職までもらった。

でも、役職についたとたん、私は会社の嫌われ者となった。


理由はひとつ。

私が部下を、労働基準法で守ったから。


会社は、有休無し、残業代無しだった。

有休の申請をするたびに

『人手不足だし、赤字だから』と言われた。

だから、会社に嘘をつき、部下に有休を取らせた。

その日のタイムカードは、私が押した。


会社にはバレなかったけど、誰かの通報で、会社に監査が入った。

監査が入ったから、少しは変わるかと思いきや、何ひとつ変わらなかった。


変えなきゃ、これからの若い子が続かない。と思って、会社に有休や残業代の交渉を続けた。

しばらく続けた結果、社長に呼ばれて

『あなたは、会社を潰す気か?』と、一時間も説教された。

そうして、役職を外され、上司に無視されるようになった。

意見を言うと『辞めて構わないよ』と言われた。


私は、自分の誕生日付けで辞めた。

私が辞めた後、3人辞めて、ますます人手不足になっているらしい。

会社の自業自得だけれど、仕事は好きだったので、今でも複雑な思いを持っている。


会社を辞めて、しばらくは、お一人様ランチや映画を楽しんでいた。

もう仕事しなくてもいいかな?とも思っていた。


辞めて4ヶ月が過ぎた頃、今の会社の上司に会った。

若い頃に同じ会社で働いていたけど、会社と喧嘩して辞めた過去がある。


熱心に私を誘った。

まるで宗教の勧誘みたいに。

暇だった私は、面接を受ける事にした。すぐに採用された。

求人も出ていて、ちゃんと有休もついてる。

『ここならいいかな?』

迷いがあった。


その迷いは、私の直感だったのだと思う。


仕事は、前職に似た仕事だけど、有休は無い。


だんだん仕事が嫌になってきている。


働かないで暮らしたい。とまで思うようになってきた。


あの時、自分の迷いに耳を傾けていればよかった。

何も考えずに、誘われるままだった私。

これが、新興宗教なら、抜けられなくなってしまっていたと思う。


仕事は、嫌な仕事でも、働けばお金がもらえる。

本当は、楽しく働きたいけれど、一度嫌になると、なかなか好きになれない。


それでも、毎日、6日間、どうにか働いている。

サービス残業も、自分の体調不良を理由にして、定時で帰る日を増やしている。

『健康管理が出来てない』と叱られるが、『身体が弱い人』というイメージを持ってもらうまでは、週に2日は定時で帰宅。


それ以外の日は、仕方無く一時間のサービス残業。


有休利用や、残業代支払いを、もっと厳しく取り締まって欲しい。

いくら赤字でも、人手不足でも、1日くらいの有休は取れるはずだし、残業代も(違法だけど)半分、いや1/3なら支払えるのではないだろうか?


それすら出来ない会社には将来が無い。


仕事を辞めて、小笠原でのんびりしたい。

時間を気にせずに、のんびりと海を見ていたい。



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