EX話:急げ!ハルバード
エメラルダが捕まってから数時間後のドラグニール王国
エメラルダから託され、俺は急いでいた
俺はドラグニール王国にたどり着くや「必死に兵士達に求める」
「おい、オメラルダが捕まったんだ!!助けてくれっ!!」
兵士達は困惑して「なんか・・・焦ってるけどどうしたんだ?ハルバード、エメラルダ様は?」
「だからエメラルダがさらわれたんだっ!!」
兵士達は困った顔で「おいおい・・・なんて言ってるか分からないからなぁエメラルダ様じゃないから」
俺は頭を抱えたそうだった・・・エメラルダが居ないと俺は人間に話せないんだ・・・どうすれば・・・
ゼスチャーで必死に伝える、俺は背中を指し、鷲掴みにされて連れ去られた!
とまぁ内容は違うがさらわれた事が伝わればいい
兵士達はより困惑して「背中に何かついてるのか?」「見てやるか」
そうじゃないって!!クソッタレ!!もういい
ドラゴンの櫓やぐらへと行きドラゴン達に伝える
「っという事なんだ、緊急事態なんだっ!どうしたら伝えられる!?」
ドラゴン達は話し合い「うーん俺達に言われてもなぁ・・・でも確かに緊急事態だ」
「文字とかどうよ?文字書けるって特技のドラゴンみた事あるぜ!」
ハルバードは驚いて「そのドラゴンはどこだっ!?」
でもドラゴン達が申し訳なさそうに「でも、そいつかなりの嘘つきドラゴンで、前にもいたずらでパートナーが誘拐されたとか!とか文字書いて王国を混乱させた事あるかもしれないから・・・説得力ないかも・・・」
「それでもいい!!そいつはどこだっ!?」
「東棟の櫓だよ、名前はブランディス、種族はファードラコン」
俺は急いで向かう、俺はブランディスを見つけた
ファードラゴンはファーというだけあってモフモフの毛皮があるドラゴンだ、角や爪、翼以外は全部毛皮、そのため非戦闘要員として愛玩として飼われる事が多いドラゴンだ。
首から尻尾まで白で、他の全部、青に白い渦巻き模様がある毛だ
尻尾をフリフリして「ルンルン!ルンルン!」とリズミカルに壁に文字を書いている
「おいっ!!」
「ルンルルン!」
「オイゴラァ!!」
「きゃぁぁぁぁ!?誰!?ハ、ハルバードさん!?ビックリした・・・」
俺はブランディスに「頼む!人間達に伝えたい事があるんだっ!!」
ブランディスが真っ赤になって「いやだぁ・・・エメラルダさんに愛の告白の文章でも私に書かせるの?」
俺はこめかみに怒りマークが大量に浮かびあがり「全身火だるまになりたくなかったら、エメラルダが誘拐された、一個大隊すぐ用意しろと伝えてくれ」
ブランディスが頷き「いいけどぉ・・・でもたぶん信じてもらえないよ?」
「例の件か?」
「そう、私が面白半分でパニック引き起こしたからね~☆」
俺はそれでも頭を下げる「頼む・・・エメラルダが危険なんだ・・・」
ブランディスは頷いて「分かったわ、どこに書けばいい?」
俺は適当に石ころを拾って「ここに!」
ブランディスは器用に爪でカリカリ書いて行き
「はい、でも期待しないでね、私の字だってばれたら、すぐに却下されちゃうから」
俺は急いでさっきの兵達の所へと飛ぶ
「おっハルバードが帰ってきた」
「頼む!!助けてくれ!!」
兵が石を手に取ると「何々・・・っな・・・本当なのか!?」
俺が頷くとほかの兵が「うーん・・・?よく見たらこれブランディスの字だぞ、大丈夫なのか?」
「ハルバードがそんなイタズラするタイプじゃないだろ、さらわれたっていうならさっきのゼスチャーにも納得がいく」
「でもそうだとしても・・・今は大部隊を動かすには・・・」
「そうだとしても、エメラルダさんがハルバードの背中に乗ってなくて帰ってきたって事は、エメラルダさんがハルバードをよこしたとも考えれるぞ」
「そうだとしたら事の重大さはでかいな、行くぞ」
ようやく伝わった・・・
よもや人にこれだけの事を伝えるのにここまで手間がかかるとは・・・
そうしてすぐ大部隊用意された、何故なら前回ガルシオンの報告で移動する事が伝えられていたため信憑性が高いからだ。俺は竜騎士総員40名の大部隊を引いて向かう
急いで戻らないと・・・急いで・・・
そうしているうちにどんどん速度が上がり後ろの竜騎士が
「ハルバード!!急ぎたい気持ちは分かるが、もう少しゆっくり飛んでくれ!兵士達が追い付けない者もいる!!」
クソッ・・・早くしなければ
そうして移動しているとバーンズ帝国の大部隊がやってきた
「どうしてっ!?くそっ・・・エメラルダを取らせまいと・・・」
竜騎士達は身構え隊長は「ハルバード!!お前のドラゴンインファイトと言われるドラゴンとしての本質の戦いを教えてやれ!!」
あぁ・・・言われなくとも・・・!!
前回は俺はあのバリスタカノンに撃ち落とされた・・・だが・・・今はエメラルダを救いたい・・・
自分の身を守るために使うんじゃない・・・”愛する人”のために使うんだっ
そう思った瞬間、体が発光する
「な、なんだっ!?ハルバードの体が輝いて!!」
俺は体がズキズキと痛み、体が音を立てて変形し始めた、俺の頭の先に槍のように鋭い角が生え
腕は鋭く爪が伸び、尻尾の先はYの字に強力な鋭い刃のような棘が生え
俺の腕の横には空気抵抗を利用した、新しい翼のような風を切る甲殻
背中の甲殻も風をより受けにくい体へと変わり進化する
「ガァァァァァァァッ!!」
「し、進化した!?」「怯むなっ!!こっちにはバリスタカノンがあるっ!!」
俺は空中を舞う、高速で
空気抵抗が大幅に落ちた事でいままでできなかった時速200kmの高速飛行旋回ができるっ!!
空中を高速で飛び回り、Yの字の尻尾の刃で切り刻んでいく
「うぉぉぉぉぉぉっ!!」相手は2体掛かりで槍を刺突してくる
だが俺の腕の風を切る甲殻のおかげでかなりアクロバティックな動きができるっ!
空中で槍をスルリを抜けポールを伝うように移動し、二人のライダーの首を刎ねる
「なっ・・・」「ガハッ!?」
「化け物だっ!!なんだあの軌道は!?バリスタカノン!用意!!」
俺は発射準備したドラゴンの周辺を高速で旋回して、狙いを定めさせない
「だ、駄目ですっ!!早すぎて標準がっ!!う、うわぁぁぁ!」
時速200kmで間合いを詰めてドラゴンの翼を切り裂く、まるでサムライの居合をするように
エメラルダを助けるんだっ俺がっ!!
敵の隊長へと突っ込む
「う、うてぇ近寄らせるな!!」
バリスタカノンが放たれ、俺は矢をロールして避け
2体目のドラゴンがバリスタカノンを放つ
「まだだ!!・・・まだ俺は加速できる!!」
空気を蹴るように加速して、俺の周囲には風切る時に見える雲が発生する
体感速度では400kmを超えただろうかバリスタの矢を俺の速度で発生させた、風で跳ね除ける
「馬鹿なっ!?バリスタカノンの軌道をそらした!?」
そのまま防衛網を突破して
「これが人間を乗せない事でできる・・・ドラゴンインファイトの戦い方だぁぁぁぁぁ!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!来るな!!くるなぁぁぁぁ!!!」
隊長の上半身を真っ二つにする
そして俺は吠える、太陽の元で「ぐぉぉぉぉぉぉ!!」
そして後方から一体のバーンズ帝国の竜騎士がやってきてドラゴンがやってくる、白い花火を上げる
「撤退信号だっ撤退!!撤退!!」
「勝った・・・だがまだだっ!!エメラルダを救うまでがっ」
俺はエメラルダと離れた場所と向かと
「っな・・・」
遠くで施設をぶっ壊して遊ぶように暴れる白いドラゴン
それに追従するように見た事ない竜人が一緒に暴れまわっている
こっちに気が付いた振り向くと「おぉ!ハルバード!!来たかっ!あれっどったのその体?」
エメラルダの気のない言葉をかけられる
俺は今まで必死に頑張ってきたのはなんだったんだ、と言わんばかりにガックシする
「俺の努力は一体・・・」
後ろの騎士達が大笑いして「流石だったよ、ハルバードさん」
「ドラゴンインファイトの実力見せてもらったよ」
「やっぱりハルバードさんはドラグニールナンバーワンのドラゴンッスね!!」
俺はそれを見て「まぁいいか・・・こうして皆無事だった・・・ってガルシオンは?」
竜人が俺の前に来て、自分の指さしして「僕がガルシオン!ちょっと訳ありでマグナスと融合しちゃってさ」
マグナスの意識が表面に出て「マイフレンドにもぜひ味わってほしいものだよっ!!愛するマイハニーと五感が一つになって、快楽も体も一つになっていくあの素晴らしさっ!!」
俺は背筋を震わせて「き、気持ち悪い事言うなっ!!」
「ナナイケンジを捕らえたから君もいつでもエメラルダと一つになる事が--」
「うるせぇ!!このまま俺の尻尾で切り裂かれたいか・・・?」
「OH!!それは勘弁!!私が傷つけば愛するマイハニーにも五感が伝わってしまうからねっ!」
後ろの竜騎士達が笑い、この場が和む
まぁ・・・全員無事だったから・・・いいか