ローリンス王国建国記念日の出し物
私は訓練生達をしごきあげる毎日、最近はようやく槍の使い方がまともになってきた。
各々に独自に槍術を身に着けている、そう槍は正直正しい姿勢なんて物は脇で挟む以外特に決まりはない、独自が突きやすいと思う姿勢を身に着ける事が何より大事。
それができればいよいよ、摸擬戦だ、レザーアーマーを身にまとい、着色されて帰ってくる。
そんな日常が毎日続く。正直竜騎士の戦いはドラゴンとの連携がどれほど取れるかで大きく変わってくるため人は知略と戦術を生かす事しか役に立たないのだ、槍を使う時は人を確実に始末したい時だけ、ドラゴンごと叩き落とす気なら、ドラゴンに指示を与えるだけでいいのだ、人を狙うのは私がドラゴン達は守りたいって言う事からできた暗黙のルールみたいなものなのだ、守らなくてもいいが、戦場でそれをすれば私は何がなんでもソイツを殺す気でかかる。過去の軽い小競り合いで起きた戦争でブチ切れて人間を皆殺しにした事で有名になったルールだ。
私は安全のために見張りをする毎日で飽き飽きしていた、訓練生ドラゴン達もひたすら、重いもの持って、飛行距離を延ばすだけだし。
私はこれを安定期と呼んでいる、ここまで来ればたいして教えてあげられる事はないのだ、戦場でも仕事でも自分で考え戦う、または働くことで意外性が生まれ、大きく貢献できる。
私は飽き飽きした毎日に良い話が転がってくる
ローリンスのダンディな国王が私を呼び出した
私もこの間の件に進展があったのかと、固唾を飲んで覚悟していたが
「すまないエメラルダ、ローリンスの建国記念日にドラゴンを飛ばしてパフォーマンスしてくれないか?」
私は覚悟していたので思わず「ッハ!?」と言ってしまった
だが私はこうゆう楽しい行事に参加するのは悪くない、皆に見せるドラゴンのパフォーマンスかぁ・・・どこか私も心の奥底でワクワクしていたので
「是非やらせていただきます!!竜騎士達をお借りしても?」
国王は笑顔で「あぁ、自由にしてくれたまえ、礼の件で国民は皆ピリピリしている、だから少しでも和んでほしいのだ」
私は国王の意見に賛同して、竜騎士達と演技の内容を考える
私は一旦、人を集め参加した(させた)人たちを集める。
金髪で女性にいかにもモテそうな竜騎士、ブレスタン
そして青髪の着任して1年足らずの新米竜騎士、ダッカ
そして最後に誘ったのが赤い髪の好奇心旺盛な子供みたいな竜騎士アノール
「さぁよく集まってくれた!!」私がノリノリで会議を始めると
ブレスタンが困った顔で「エメラルダさん・・・うちら・・・まだ1年経ったばかりの者や、まだ未熟な者が多いスけど・・・大丈夫なんスか?」
私が天井を指さしして「よい質問だっブレスタン!!なぜなら!!ベテラン達は建国記念日の警備ミーティングで全員取り逃したからだっ!!!」
ダッカがため息吐いて「ですよねぇ・・・俺なんかここの王国最下位の記録保持者ですからね、国民の上飛ぶんですよね?大丈夫なんですか?」
私がダッカの顎を持ち上げて見つめて「こうやって君たちのドラゴンに語り掛けてあげるから、問題なしっ!!」私は強引に進める、ダッカは顔を真っ赤にさせて私の鎧に若干見える胸の谷間を見る。
赤髪のアノールが頭の後ろで手を組み笑顔で「ドラゴンと話せるとなんか楽しそうですねっ!俺もレッドと話してぇなぁ」
私はアノールに「問題ないっ!たとえ言葉が離せなくとも体で話せばわかる!!」鼻息を荒らしていると
ダッカが苦笑いして「それって、例の入浴場の話ですか?翌日のドラゴン達の性能が2倍になるっていう秘密の付き合いって奴ですよね?何されてるんですか?」
私は口が滑ったと真っ赤になって「男の君たちには関係ないっ!!」
アノールがウシシと笑い「ドラゴンの雄のみ好んで誘うって聞いたぞー」
ブレスタンがゲェーっていう顔で見つめてくる
「こ、こらっアノールっ!!」私もつい反応してしまう
私はゴホンッ!とせき込み「話を戻そう、正直演技の内容は、君たちのドラゴンと話してから決めようと思っていたんだ、竜騎士達の最大性能はドラゴン達が握っていると言っても過言じゃない、正直大会中はその素敵なハンサム顔で笑顔で飛んでくれればいいだけなのよ」
ブレスタンとダッカがガーンとして「「やっ、やっぱり俺達って・・・顔だけの竜騎士なの!?」」
アノールが笑って「レッドがいいよって言ったなら俺もいいぜぇー」と気のない返事が返ってくる
よしよし!!「それじゃ、まず君たちのドラゴンを見せてくれ!!」
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櫓へ案内され、まずブレスタンが乗るドラゴン
アークスドラゴンのマッチだ、アークスドラゴンは雷を発生されるのが得意な珍しいドラゴンだ
「へぇ、鱗のつやも、古傷もなく、ブレスタンと同じでハンサムなドラゴンさんね」私が撫でると
「あんたが有名なエメラルダか、こんな所に来てどうした?ハルバードならさっき飛んで行ったぞ」
私は笑って「いいのよ、たまにはハルバードも一人が良い時間があるから、それに必要な時は勘で察知して帰ってくるから」
マッチは笑って「ハハハ!そりゃ気ままなドラゴンだな!さすが世界最強と言われたドラゴンは器も大きいねぇ」
私はマッチの頭を撫でて「ちょっとビックリするかもしれないけどあなたの性能を見させてね」
マッチは不思議そうに「俺のなんだって?っ!!」
「コネクト!!」
私は目を閉じマッチの体の隅から隅まで調べる
一瞬で終わり手を放すと「フゥ・・・お疲れさま、マッチも竜騎士は半人前だけどドラゴンとして立派ね、いくつも窮地を救っているのが分かるわ」
マッチは自分の頭をスリスリ触り「い、今あんたの意識や記憶が・・・こ、これが噂のコネクトというドラゴンと五感を一つにするものなのか、貴重な体験ありがとさん」
私は笑顔で手を振り「また後で詳細を話すわ!」
ブレスタンは驚いて「っえもう終わり?」
ダッカは下向いて「何言ってるのか全く分からなかった・・・グルグルお互い鳴き合ってるだけで・・・」
アノールが真剣に考えている
そして次
ダッカが案内して「これが俺のパートナー、アクアドラゴンのスフィアだ」
私が顔を合わせ挨拶する、アクアドラゴンは回復のエキスパートを唾液や体液には回復効果もある
「こんにちは、お嬢さん」
スフィアが笑い「こちらこそご機嫌よう!同じ女の子同士話せてうれしいわ!」
「さっそくで悪いけどあなたの性能調べさせてもらうわね」
スフィアは頭を差し出して「さっきのマッチみたいにコネクトさせてくれるのでしょう?お願いします!」
私はスフィアの頭に触れ「コネクト!!」
なるほど・・・へぇ、これは面白い魔法ね、よし分かった!
話すとスフィアは動じず「すごい体験だったわ!ありがとうエメラルダさん!今度ゆっくり背中を流してほしいわね!雄だといろいろされちゃうみたいだけど、女同士だったら楽しい会話はできそうだわ!」
私も頷いて「近いうちに入りましょ!それじゃ!」
ダッカがワクワクして「彼女僕について何か言ってましたか?」
私は首を振り「いや?」ダッカはがっくしと気を落として「そんなぁ・・・」
アノールが笑顔で「ダッカはスフィアの事愛してるのさ!」
ダッカが恥ずかしそうに「ア、アノール!!」
そして最後に、アノールのレッド
「よっレッド!」
レッドは本当その名の通りレッドドラゴンだ、アノールとは少し対照的で、受け入れてはいるものの
どこか無口な感じだ
「レッドね、申し訳ないけど、レッドにコネクトさせてもらうわね」
レッドは無言のまま、好きにしろと頭を差し出してくる
私はレッドにコネクトすると
断片的にレッドの記憶から、私の情報が流れてきて
「っ!!」っと私は手を外してしまう、私の感情が乱れてリンクが外れる
私はレッドを改めてみて「ま、まさか・・・あなた・・・あの時の村に・・・」
アノールが不思議そうに「どったの?」
私は黙って深呼吸すると「レッド、この話はまたハルバードが居る時に話しましょう・・・」
レッドは浮かない顔で頷いて「あぁ、そうだな」
アノールが不思議そうに私の視界に入ってきて「ハルバードと居ないと話せない話ってなに?」
「それは・・・私のプライベートにかかわるからちょっと言えないわ・・・ってアノールレッドと私の会話分かったの!?」
アノールはブイサインで答えて「ニヒヒ、エメラルダさんが喋り方とドラゴンの喋り方、なんか分かんないけどわかっちゃった!」
ブレスタンとダッカは「前からこいつそうなんですよ、興味を持った事は恐ろしいほど情報を吸収する偵察兵としては化け物クラスで、でも気分屋ゆえに気分が乗った時しか、出撃しなくて」
「だから成績も最悪だよなっアノール!!」ダッカが嫌らしくいうと
アノールが驚いて「えぇ!?エメラルダさんの前でそんな報告ひどーい!」
私は頭の中で、レッド・・・あなたもあの苦しみを背負うドラゴンだったのね・・・あの恐ろしい一晩の出来事を・・・
氏名:ブレスタン
年齢:19歳
性別:男
種族:人間
詳細:ローリンスに所属するイケメンライダー、その美貌故に女性ファンは多いがライダーとしてのセンスが無くドラゴンの性能に頼ってばっかり、全然ダメダメだがエメラルダはどう指導していくのか
パートナー:マッチ
種族:アークスドラゴン
性別:オス
年齢:8歳
詳細:元気で活発な電気のような性格のドラゴン、ブレスタンとは仲は良く、ブレスタンの使えない所も含めて気に入っている、エメラルダに一目ぼれしていて平常心を保っているが心はいつも帯電している