詩小説へのはるかな道 第95話 初めての陶芸体験
原詩: 0から1の とまどい と ときめき
初めの一歩は いつでも
とまどい と ときめき
0だった心に
ひとつの光が ぽつりと灯ります
知らない景色
知らない経験
知らない自分
「はじめまして」と囁いています
とまどいは
逃げたい気持ちではなく
まだ知らない未来の
扉の重さ
ときめきは
その扉の向こうで
誰かが
小さく手を振っている気配
初めての一歩は
ぎこちなくて 頼りなくて
それでも 0から1へと
確かに世界が動き出します
その瞬間
わたしは
わたしの知らない
新しい「わたし」に出会うのです
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詩小説: 初めての陶芸体験
駅前の小さなカルチャースクールに、入ることにしました。
「初心者歓迎・陶芸体験」と書かれたポスターが、変わらぬ日常に変化を求めていた心にぽつりと灯りをともしたのです。
知らない景色、知らない経験、そして知らない自分への期待が、背中をそっと押してくれます。
ろくろの前に座ると、講師の男性が優しく言いました。
「最初はみんな戸惑いますよ。でも、その戸惑いも作品の一部になるのです」
その言葉に、胸の奥で小さく誰かが「そうだよ」と手を振る気配がしました。
粘土に触れると、わたしの知らない世界がゆっくり動き出しました。
形になりそうでならない、不安定な塊。
0から1へ向かう途中の、頼りない一歩。
一時間後、わたしの前には、なんとか“器らしきもの”ができていました。
歪んでいて、厚みもバラバラで、底なんて少し斜めです。
講師が作品を手に取り、言いました。
「いいですね。個性的で、世界にひとつだけの形です」
わたしは照れながらも、少し誇らしくなりました。
講師が言葉を続けました。
「焼き上がりは来週です。あ、ちなみに……」
彼は作品の底を指差した。
「ここ、思いっきり“ひび”入ってますけど、焼くと割れてしまいますので直しましょう」
――0から1へ踏み出したはずの最初の作品は、どうやら0.8くらいで止まっていたようです。
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わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。
連作短歌: 初めての陶芸体験
駅前の 小さな灯りに 呼ばれきて
まだ名もなき日 そっと動き出す
ろくろ前 戸惑う指を 見つめつつ
「それも作品」 胸の奥で鳴る
触れた途端 知らない世界 ひらきだす
0から1へ 揺れるかたちよ
歪みさえ 今日のわたしの 証だと
斜めの底に 少し誇らし
ひびの音 未来のどこかで 笑えたら
0.8でも はじめの器
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。
その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。




