一話
「はぁ、、、」
喫茶店のカウンターに座って一人、弱音を吐いた。
ここ数日、イタリアくんのピザ講座やら日本さんの魔改造講座やらで動き回り、体力も頭も限界が来ていた。
「疲れた、、、」
またポツリと呟いた。
「なになに〜、国連ちゃんお疲れ?」
「フランス、、、絶対わざとだよね、、、!?」
後ろからひょっこりと現れたのは青緑色の長い髪の毛を三つ編みに編んだフランス。しくじった、弱音まで聞かれていた。てっきり、この音は誰にも拾われずに床に吸い込まれる思っていたのに。
「国連ちゃん、今日くらいは僕の胸に飛び込んできても良いんだよ、、、!」
「遠慮しとく」
ゴホンと咳払いをするフランス。
「とまぁ、冗談で。少しは僕みたいにストライキしても良いんじゃない?僕みたいに」
何で二回言ったのか分からないが、自分がストライキしたらどうなるのか頭の中でシュミレーションしてみた。
まず、アメリカさんとロシアくんが戦い出すかもしれない。今はギリギリ仲介を保っているので。
「、、、うん。ストライキは出来そうにないや」
とほほ、、、とオレンジジュースを一気飲みする。
「てか、君達が好き勝手するから私の仕事が増えるんでしょ!?」
飲み干したコップを勢いよく机に置き、恨めしそうにフランスを見ると、明らかに目を逸らしてストライキの予定と口説いた女性とのデートの日程しか書かれていないスケジュール帳をポケットから取り出して読んでいた。
「はぁ、、、」
何か、バカバカしくなってきた。
いっそのこと現実逃避して、、、
「よし、華の女子高生なろう!」
「は?」
こうと決めた時の行動は早かった。呆けるフランスを無視し、いそいそとパソコンで寮付きの高校を探す。しばらく探していると、『音羽学園』というホームページを見付けた。この店か電車で三十分くらいの場所に位置し、全寮制という。
個性豊か過ぎて好き勝手にやらかす国達から逃げたかったので、この学校に編入することを決意した。