エピローグ
自宅で黙々と家事をする天野。
髪は白髪だらけで、額や口元には皺が深く刻まれていた。
トントンと食材を切っていく。
ぐつぐつとお湯を沸かす鍋の中に食材を入れる。
一人で食卓に自炊したご飯を並べ、黙々と一人で食事を流し込む。
天野(料理も出来るようになったな…きちんと教えてくれたから)
食事を終え、食器を洗い、出かける支度をする。
花屋で花束を購入し、いつもの道を歩いていく。
季節は秋。
銀杏並木の黄色が美しい。
天野(紅葉の季節だな。昔は子供たちもつれて、よく出かけてたな…)
病院着き、花瓶の水と花を入れ替える天野。
黄色のガーベラ、カーネーション、ピンク色のバラ
そして勿忘草とカスミソウで構成された花を丁寧に花瓶に生けていく天野。
明るい花々が生けられた花瓶を病室に置く天野。
天野「ふぅ…」
腰をトントンと片手で叩き、ベッドサイドのチェアに腰を落とす天野。
ゆかりが病室のベッドで寝付いている。
太陽の木漏れ日が病院の窓からいっぱいに入り込み、ゆかりの白髪がキラキラと光っている。
その隣でゆかりの眠る顔を見つめる天野。
天野「ありがとう。俺、ゆかりのおかげで幸せだった…」
ゆかりの銀色の髪を手ですかし、おでこに唇をあてると
そっと、手を握る。
二人の手の薬指には、同じデザインの指輪が付けられていた。




