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相思相愛未遂  作者: ゆー
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年始の神頼み

年末ギリギリまで仕事だった明だったが

年始3日間は冬期休暇だった。


ゆかりの様子を察してか、年始は明自身は自分の実家に帰省していた。

結婚して3度目の年始は、初めて別々に過ごしたゆかりと明。



そして1月5日。

新年の営業開始。

この日は月初の月一ミーティング。

全社員が本社に集う日だ。



「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」



そんな新年独特の挨拶が飛び交う社内。

一通り挨拶を終えたゆかりは天野の姿を見つける。その隣には見慣れない顔の若い女性の姿があった。



ゆかり「天野主任、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」


天野「堂本さん、今年もよろしくお願いします。ちょうどいいところに来てくれた。紹介したい人がいてまして。今日から勤務する中途入社の市岡さんです。」


ゆかり「そうなんですね。市岡さん、よろしくお願いします!」


市岡「よろしくお願いします。」



市岡は相武紗季に似ていて、愛らしい容姿をしている魅力的な女性だ。

まさに男性受けしそうな容姿に立ち居振る舞いを見せる彼女。



天野「ご年齢もそんなに離れてないし、市岡さんも結婚されてるんで。堂本さんと気が合うかなと思ったんですよ。仲良くしてあげてください!」


ゆかり「ええ、もちろんです!市岡さん、こっちの席にどうぞ。一緒に定例会の話を聞きましょうか。」


市岡「はい!」




社長から新年の挨拶が終わった後、各プロジェクトの進捗報告。

そしてこの日は最後に、天野主任から年始の参詣についての説明があった。

この会社では、毎年年始の営業開始日に神社に参詣するという風習があった。



天野「皆さん、明けましておめでとうございます。私の方から毎年恒例の参詣についてご説明します。

今年は商売繁盛そして、いいご縁を結ぶということで縁結びにもご利益がある、こちらの神社に参詣したいと思います。」



いつもカジュアルな雰囲気で接する天野とは違う、大勢の人の前で堂々と凛々しく説明を進めていくゆかり。

ゆかりはメモを確認しながら、天野の様子を見つめていると



バチッ!



と二人の目が合う。



天野「……あ、あの。…ええ、それでですね…」



順調に説明していた天野がいきなり動揺したように吃り始める。

色黒の天野の顔が、真っ赤になっているのが分かる。

慌てて視線を外すゆかり。思わず口元を手で押さえてしまう。


そのまま天野は動揺を抑えようとする動揺を抑えつつ、何とか説明を終了した。



天野「それでは今からその神社に向かいたいと思いますので、各自準備をお願いします。」




各自、徒歩で神社に移動する。

淀屋橋エリアはオフィス街だが、所々に有名な神様が祀られているエリアでもあった。

ゆかりは市岡と会話をしながら神社までの道のりを楽しむ。



ゆかり「市岡さんも結婚してるんですね」


市岡「そうなんです。元々東京で不動産営業やってたんですけど、結婚してこっちに来ました」


ゆかり「えー、それじゃぁ即戦力じゃないですか!めっちゃ売りそう!」


市岡「でも、まだこちらのエリアとか理解してないので…(笑)でも頑張ります。」



そんな他愛もない話をしている様子を、斜め後ろ辺りで腹心の中野係長と共に歩く天野。



神社に到着すると商売繁盛の祈祷を行ってもらうため、神社本殿に入っていく全社員。



天野「中野、お前は社長の隣に行け」



各社員たちが着席していく中、最後に残されたのはゆかりと市岡と天野。

ゆかりがまず着席し、そこに倣うように隣に座る市岡。

天野は市岡の隣に座るが、少しシュンとしていた。




最寄り駅へ向かう道のりで、ゆかりは天野に話しかける。



ゆかり「神社にお参りなんて初めてです(笑)」


天野「社長がそういうの好きでね。毎年の恒例なんですよ。みんな神頼み好きなんで(笑)」


ゆかり「でも何で縁結びの神様なんですか?」


天野「ビジネスの意味合いもありますけど…ロマンチックかなって…」



そう頭を掻きながら話す天野の様子に

ゆかりの心に青空が広がった気がした。



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