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記憶と明日の狭間で

長い間、忙しさと怠け心と戦っていましたが……ようやく最新話を公開できました! ぜひ楽しんで読んでいただけると嬉しいです!

夕暮れ時。生徒会室の会議室には、傾いた夕日が窓から差し込んでいた。細かな埃が床に触れるのをためらうように、静かに空中を舞っている。開け放たれた窓の隙間からはそよ風が吹き込み、園芸部の庭から運ばれてきた芝生の香りが部屋を満たしていた。


アムラは会議用のテーブルに座り、目の前にはまだ湯気の立つ温かい紅茶が置かれている。立ち上る湯気は、心を落ち着かせる香りを運んでいた。その向かいでは、一人の少女が静かな所作でカップを口元へ運び、ゆっくりと紅茶を味わっている。


アムラの隣では、ナオがソファに腰掛け、足を組みながらスマホを操作していた。この部屋で起きていることなど、大して興味がないと言わんばかりに、親指だけが忙しく画面を滑っている。


「ナオさん、お茶はいかがですか?」


ドアの近くからサチコが声をかけた。


ナオは顔も上げず、ちらりと視線だけを向ける。


「いい。飲む頃には冷めてるでしょ。」


「わかりました。」


サチコは小さく微笑み、その返事を気にすることもなく部屋の隅へ戻っていく。再び、部屋には穏やかな静けさがゆっくりと降りてきた。


アムラの向かいに座っている少女の名前は、**平山・サンド・アイ**。ノリコの姉だ。


ノリコとは違い、アイは艶のある黒髪をしている。見た目からは外国の血が入っているようには見えないが、スウェーデン語を流暢に話すことができた。


「それで……」


アイが口を開いた。


アムラは紅茶を一口飲みながら、小さく首をかしげる。


「生徒会に入る気はある?」


アイは穏やかな口調で続けた。


「こんなに早く聞くのもどうかとは思うけど、人数が増えてくれると本当に助かるの。見てのとおり、今の生徒会はかなり人手不足だから。」


そう言ってアイは、ちらりとナオへ視線を向ける。


「それに……今いるメンバー、全員女の子なのよ。」


アムラはカップをソーサーへ戻した。


「まあ……まだ考え中です。」


「妹さんはどう? 入ってくれそう?」


「まだ何も話してません。でも、たぶんあいつなら喜んで入ると思います。」


アイは静かにうなずき、カップを口元へ運んで一口飲むと、再びアムラへ視線を向けた。


「ナオとはどう? 仲直りできた?」


アムラはナオの方を見る。


ナオは相変わらずスマホの画面だけを見つめていた。


そのとき、アムラはあることに気づく。


「……どうして、俺たちのこと知ってるんですか?」


「マシロちゃんから聞いたの。」


アイは苦笑しながら肩をすくめた。


「マシロくんから聞いたの。私、そういう空気には敏感なほうだから、あの二人にはちゃんと言っておいたわ。」


アムラは思わず目を丸くした。


まさかアイが、あんな些細なことで本気で怒る人だとは思ってもいなかった。


アムラは湯気の立つ紅茶へ一度視線を落とすと、静かに席を立つ。


「それじゃあ……あまり長居するのも悪いので。」


アイは穏やかな表情で頷いた。


「気にしなくていいわ。私たちもまだ仕事が残っているし。」


ソファにもたれたままのナオは、スマホから目を離さずに一言だけ口にする。


「帰るなら、出口はあっち。」


「言われなくても分かってます。」


そう返し、アムラは会議室を後にした。


外へ出ると、サチコが机の上に散らばった書類を整理していた。アムラの姿に気づくと、すぐに振り向く。


「あっ、長村さん。会長とのお話は終わりましたか?」


アムラは小さく頷いた。


「先輩、俺はこれで失礼します。」


「はい。気をつけて帰ってくださいね。」


アムラが扉を開けると、偶然ノリコと目が合った。


しばらく無言で見つめ合い、先に口を開いたのはノリコだった。


「アムくん、こんなところで何してるの?」


「えっと……田川先輩の書類運びを手伝ってたんだ。」


「もう帰るの?」


アムラが頷くと、ノリコはそう言って中へ入っていった。


「ちょっと待ってて。」


アムラは首をかしげる。


生徒会室の周りは、とても居心地のいい場所だった。


周囲には園芸部が丹精込めて育てた色とりどりの花が咲き誇り、穏やかな空気が辺りを包んでいる。


「ごめん、お待たせ。」


背後からノリコの声が聞こえた。


アムラは少し気だるそうな表情で振り返る。


「俺に何か用?」


「一緒に帰ってほしいだけ。」


「アイ先輩と帰ればいいんじゃないの?」


「お姉ちゃん、まだ仕事があるから先に帰っていいって言われたの。アムくんも知ってるでしょ? 女の子が一人で帰るのはあんまりよくないって。」


「それは分かるけど……アイ先輩は誰と帰るんだ?」


「お姉ちゃんはナオ姉と一緒に帰るよ。」


アムラは観念したようにため息をつく。


「……分かったよ。行こう。」


そう言って歩き出すと、ノリコを置いて先へ進んでしまう。


「ちょ、ちょっと! 待ってよ、アムくん!」


ノリコは慌ててその後を追いかけた。


二人は並んで校舎の廊下を歩き、下駄箱へ向かった。


下駄箱に着くと、アムラは自分のロッカーを開け、外履きを取り出して床へ置く。


上履きを脱いで外履きに履き替えると、ほとんど何も話さないまま校舎を出た。


ノリコもすぐに後を追い、そのままアムラの隣へ並ぶ。


二人は校門をくぐり、少しずつ静かになり始めた夕暮れの学校を後にした。


「帰り道って同じ? 俺んちはあっちなんだけど。」


アムラが短く尋ねる。


「うん、だったら途中まで一緒だよ。」


ノリコは微笑みながら答えた。


それきり二人は黙り込む。


話題は何一つ浮かばず、聞こえてくるのは夕空の下でさえずる鳥の声だけだった。


「ねぇ、アムくん。ちょっと変なこと聞いてもいい?」


「送ってくれてありがとう、アムくん。」


「気にしなくていいよ。一人だったから送っただけだ。」


ノリコはくすっと笑った。


「あの……アムくん、明日って時間ある?」


アムラは首をかしげる。


「何かあるの?」


「長村先生に小物を買ってきてほしいって頼まれたの。それで……アムくんも一緒に来てほしいって。」


それを聞いた瞬間、アムラは額に手を当てた。


……先生め。


心の中で小さくため息をつく。


「分かった。できるだけ付き合うよ。」


その返事を聞いたノリコは、嬉しそうに微笑んだ。


「それじゃ、また明日。」


そう言って手を振る。


「また明日。」


アムラは背を向け、その場を後にした。


ノリコはマンションのエントランスの前に立ったまま、遠ざかっていくアムラの背中を見送る。


その笑顔は、彼の姿が見えなくなるまで消えることはなかった。


***


アムラは一人で帰り道を歩いていた。


ノリコの言葉が、何度も頭の中で繰り返される。


忘れようとしても、どこか寂しそうに笑っていた彼女の表情が離れなかった。


あんなノリコを見たのは、今日が初めてだった。


――そろそろ、あいつのことを悪く考えるのはやめるべきなのかもしれない。


アムラは心の中でそう呟く。


このままでは、せっかく少しずつ縮まった距離まで壊れてしまう気がした。


やがてアムラは、自分が暮らすマンションへ戻ってきた。


エントランスを抜け、エレベーターのボタンを押す。


――チン。


到着を知らせる音とともにエレベーターの扉が開く。


アムラは自室の前まで歩き、ズボンのポケットから鍵を取り出した。


玄関のドアを開けると、靴箱に女性物の靴が二足並んでいるのが目に入る。


その瞬間、アムラはすぐに察した。


「ただいま。」


そう言って中へ入ると、温かな料理の香りが鼻をくすぐる。


キッチンでは、サクラが夕食の支度をしていた。


「お帰りなさいませ、アムラ様。お風呂のお湯をご用意いたしましょうか?」


サクラは手を止め、アムラの方へ振り向く。


「あとでいいよ。もうすぐ料理もできるんだろ?」


サクラは小さく頷いた。


「かしこまりました。お湯を張る際は、お声がけください。」


アムラは部屋の中を見回す。


妹の姿は見当たらない。


「……部屋にいるのか。」


そう呟き、アムラは自室へ向かった。


アムラは自分の部屋へ向かい、ドアを開ける。


中へ入ると、そのまま静かにドアを閉めた。


大きく息を吐く。


「今日は疲れたな……」


そう呟き、何も考えずベッドへ身を投げ出す。


その瞬間――


「この妹が、お兄の一日を明るくしてあげるよ!」


突然ミオが姿を現し、後ろからアムラに抱きついた。


「なんでお前がここに――っ!?」


「しーっ。ほら、お兄。妹のお胸でゆっくり休んで?」


ミオは優しくアムラの頭を撫でる。


「ねぇ、お兄。生徒会副会長と揉めたって聞いたよ。」


「……どこで聞いたんだ?」


「私、情報屋さんがいっぱいいるから。」


そう言うと、ミオは片手で口元を隠し、もう片方の手を額に添え、いかにも秘密組織のボスのようなポーズを決めた。


「……なんてね。昨日、友達から噂を聞いただけ。」


そう言いながら、ミオはベッドの端に腰を下ろす。


アムラも小さくため息をつき、体を起こして座り直した。


「それでさ、お兄。あのとき何をやらかしたの?」


ミオが興味津々に尋ねる。


「たぶん、あいつの兄貴が過保護なんだろ。それか、妹がノリコとヨリを戻したくて話を盛ったのかもしれない。」


ミオはくすくすと笑った。


そういえば、このところミオはノリコと顔を合わせていない。


ここ一週間ほどは教室で過ごすことがほとんどで、昼休みに食堂へ行くこともなかった。


昼食はいつもサクラが作ったお弁当だ。


名家の娘ということもあり、食生活には人一倍気を遣っている。


けれど、甘いお菓子や飲み物を目の前にすると、その誘惑にはどうしても勝てない。


そんな無防備な一面を見せるのは、アムラとサクラの前だけだった。


「そういえばさ……ノリコって今どんな感じ? "あそこ"、もっと大きくなった?」


ミオはまるで悪戯好きなおじさんのような顔で尋ねる。


「まったく……少なくとも、お前よりはあるな。」


ミオは頬をぷくっと膨らませた。


「ひどーい。お兄って、妹より他の女の子のほうばっかり見てるんだ。」


「人聞きの悪いこと言うな。お前が聞いたから答えただけだ。」


そのとき、不意に部屋のドアが控えめにノックされた。


コン、コン。


「失礼します、アムラ様、ミオ様。」


ドアの向こうからサクラの声が聞こえる。


「夕食のご用意ができました。温かいうちにお召し上がりください。」


「ありがとう、サクラちゃん。すぐ行くね。」


ミオが返事をする。


ミオはベッドから降り、軽く服装を整えた。


「そうだ、兄ぃ。明日は土曜日だし、一緒にゲームでもする? それとも映画でも観る?」


アムラは顎に手を当て、少し考え込む。


「いいけど……明日はちょっと用事があるんだ。」


「用事なんて後回し後回し! せっかくの休みなんだから楽しもうよ。それで、兄ぃは何の用事? もしかして……」


ミオは悪戯っぽく目を細める。


「違う。あいつとデートするわけじゃない。学園祭の飾り付けに使う物を買いに行くだけだ。」


「ちぇー、つまんなーい。」


そう言うと、ミオは部屋のドアを開けて先に出て行った。


その後ろ姿を見送りながら、アムラは肩をすくめることしかできなかった。


***


「ごちそうさまでした。」


夕食を終えると、アムラは風呂へ向かい、一日の汗を流した。


風呂から上がると、無地のTシャツとハーフパンツという部屋着に着替える。


リビングへ向かうと、ミオとサクラが何やら忙しそうに準備をしていた。


「何してるんだ?」


「兄ぃ!」


ミオはゲーム機のコントローラーを高く掲げる。


「明日ダメなら、今夜は徹夜だよ!」


アムラは小さくため息をついた。


「まさか……もう全部準備したのか?」


ミオは胸を張って笑う。


「もちろん! 家からゲーム機を持ってきて、炭酸ジュースに、お菓子に、毛布まで完璧! サクラちゃん、電気消して!」


「はい。」


サクラは静かに頷き、壁のスイッチを押す。


リビングの明かりが消え、テレビの光だけが部屋を優しく照らした。


「覚悟してね、兄ぃ! 今夜はパーティーだー!」


アムラは苦笑する。


「お前の言うパーティーって、ゲームするだけだろ。」


「それがパーティーなんだよ!」


ミオは勢いよくゲーム機の電源を入れる。


その隣では、サクラがテーブルの上にお菓子の入ったボウルを置いた。


「アムラ様、ミオ様。今夜もどうぞお楽しみください。」


そう言ってサクラはカーペットの上に腰を下ろす。


「……仕方ないな。」


アムラもコントローラーを手に取り、小さく笑った。


「負けても泣くなよ。」


「ふふっ。そのセリフ、そのまま兄ぃに返すね。」


いつもは静かなリビングが、ゲームのタイトル画面の音楽と三人の笑い声で少しずつ賑やかになっていく。


アムラにとって長く疲れた一日は、そんな温かな夜とともに静かに幕を閉じた。


***


夜風が、まるで湯気の立つ紅茶をそっと冷ますかのように静かに吹き抜ける。


木々の葉は風に揺れ、かすかな葉擦れの音が夜の静寂に溶け込んでいた。


アムラとサクラは、リビングで映画を観ていた。


その一方で、すべてを計画した張本人であるミオは、アムラの膝を枕にしてぐっすりと眠っている。


結局、睡魔との戦いには勝てなかったようだ。


アムラは小さくため息をつく。


サクラは相変わらず無表情のままテレビを見つめていたが、その瞳からは映画を楽しんでいることが伝わってきた。


「サクラ、この映画、そんなに気に入ったのか?」


サクラはテレビから視線を外し、アムラへ向ける。


「恋というものが、どのように生まれるのかを知りたいのです。」


「えっ……? 急にどうしたんだ?」


サクラは少しだけ考え込むように沈黙した。


「私は、人の幸せを見ているのが好きなのです。仲睦まじく過ごしたり、お互いを大切に想い合ったりする姿を見ていると……なぜか心が落ち着きます。」


アムラは首をかしげる。


「どうして?」


サクラは小さく首を横に振った。


「私にも分かりません。ですが最近、ミオ様が一人の女子生徒と一緒にいる姿をよく見かけます。ここ最近は、ほとんど毎日のように一緒に帰っています。」


そこで一度言葉を切る。


「二人が楽しそうに話したり、笑い合ったりしている姿を見ていると……なぜか安心するのです。理由は、私にも分かりません。」


「その子って、誰なんだ?」


不意にノリコが口を開く。


アムラは彼女へ視線を向け、小さく息を吐いた。


「周りに誰もいないし……久しぶりに会ったんだ。話したいことでも、聞きたいことでも好きにしていい。」


先ほどまでどこかぎこちなかったノリコの表情が、少しずつ自然な笑顔へと変わっていく。


「……アムくんには、好きな人っているの?」


その一言に、アムラは言葉を失った。


「えっと……それは……」


どう答えればいいのか分からない。


いや、この質問自体は別におかしくない。


むしろ、自分たちくらいの年齢なら誰もが一度は聞かれるような、ごく普通の質問だ。


それでもアムラは俯いたまま歩き続ける。


視線は足元へ落ち、意識はゆっくりと過去へ沈んでいった。


幼い頃のアムラは、「好き」という気持ちは、そのまま「大切に思うこと」だと信じていた。


けれど、従兄のキタロウがノリコと付き合い始めたあの日から、何かが変わってしまった。


胸の奥が締めつけられるような、言葉にできない感覚。


そのとき初めて、キタロウが口にしていた「あの苦しさ」の意味を思い出した。


そして今になってようやく気づく。


「好き」と「大切」は、きっと同じものではないのだと。


「……いる、かな。」


アムラは自信なさげに答えた。


「……そっか。」


ノリコは笑顔を浮かべたままだった。


けれど、その笑顔の奥には隠しきれない寂しさが滲んでいた。


「私ね……誰かを愛するっていうことが、今でもよく分からないの。」


ノリコは静かに続ける。


思春期には、そんな悩みを抱える人は少なくない。


容姿の良さや、頭の良さ、何かに秀でていること。


そんな理由だけで恋だと思い込んでしまう人も多い。


だけど、本当は――


恋って、そんなに単純なものじゃないのかもしれない。


「今まで付き合ってきたのも、ただ『好きになる』ってどんな気持ちなんだろうって気になっただけ。キタロウと初めて会ったときだって、本当は全然興味なんてなかった。あの頃は……あの人の言っている意味も、ちゃんと分からなかったから。」


ノリコはかすかに笑う。


けれど、その笑みはどこか寂しげだった。


「キタロウと別れた後も、何人かと付き合ってみた。でも、どの関係も長くは続かなかった。だから中学三年生になってからは、男の子から告白されたり誘われたりしても、全部断るようにしたの。」


再び静寂が二人を包む。


しばらく歩いたあと、ノリコは苦笑を浮かべた。


「ごめんね……変な話しちゃった。」


やがて二人の足は、小さなモダン風のマンションの前で止まった。


白く整えられた外壁とシンプルなデザインが、夕暮れの街並みの中で静かに存在感を放っていた。


「三咲空さんという方です。名家のご令嬢ではありませんが、ご両親は海外で働く外交官だそうです。おそらく、そのご縁で桜川高校へ入学されたのでしょう。」


サクラは一度言葉を切った。


「三咲さんはとても物静かな方です。それに、ミオ様から話しかけられるたび、どこか怯えているようにも見えました。理由は分かりません。ただ……誰かと距離を置こうとしているように感じます。」


「そうか……」


アムラはソファにもたれかかる。


「だったら、ミオは放っておかないだろうな。」


「どういう意味でしょうか?」


「ミオはそういうやつなんだ。一人でいるやつや、人と馴染めずにいるやつを見つけると、相手が心を開くまで何度でも話しかける。」


サクラは静かに頷いた。


「……私も、そのように思います。」


アムラは小さく微笑む。


「その子がミオに振り回されすぎなきゃいいけどな。」


サクラはアムラの膝で眠るミオへ視線を向けた。


「なぜでしょう……お二人は、きっと良いお友達になれる気がします。」


サクラは穏やかに微笑む。


「アムラ様、お休みにならないのですか? 明日はご予定があるのでしょう?」


「大丈夫。昼に少し寝ればいいし、最後まで付き合うよ。」


「お気遣いありがとうございます。ですが、この映画はまた今度、ミオ様と一緒に観ることもできます。ですから、アムラ様はお休みください。」


「分かった。それじゃあ、ミオを部屋まで運ぶよ。リビングの片付けは任せた。」


アムラは眠っているミオをそっと抱き上げる。


腕の中の妹は驚くほど軽かった。


……本当に食生活には気を遣ってるんだな。


もしかして、体重もほとんど増えてないんじゃないか。


眠ったままのミオが小さく寝言を漏らし、無意識にアムラの首へ腕を回した。


「……兄ぃ……ずるいよ……」


アムラは思わず苦笑する。


「夢の中でもゲームしてるのか。」


そう呟きながらミオの部屋へ向かう。


その間にサクラは、お菓子の袋や飲み物の缶が散らばったリビングを静かに片付け始めた。


やがて、マンションには再び静けさが戻る。


窓の向こうから聞こえる夜風だけが、穏やかに部屋を包み込んでいた。


今日は、いろいろなことがあった。


それでもアムラにとって、大切な人たちと過ごしたこの時間は、その疲れを忘れさせてくれるほど温かなものだった。


こうして、その夜は静かに更けていった。

皆さん、こんにちは!!!


しばらくの間、ポスト(旧Twitter)も最新話も更新できていませんでしたが、ようやくまたこの物語を書き進められるようになりました!


この作品を読んでくださっている皆さんが、元気に過ごされていることを願っています。


そして、最新話をずっと待っていてくださった皆さん、本当にありがとうございます!


最近はリアルのほうがかなり忙しくて、なかなか執筆する時間が取れませんでした。正直なところ、そういう日々を過ごすのはあまり得意じゃないんですけどね(笑)。


それでも、この作品の閲覧数が300を超えているのを見て、「もっと頑張って書こう!」という気持ちになれました。本当にありがとうございます! これからも少しずつではありますが、更新を続けていけたらと思っています。


それでは、今回はこの辺で!


最新情報や更新のお知らせは、ぜひX(旧Twitter)の **@Stellar0306** もチェックしてみてください!


それでは、また次の話でお会いしましょう!!


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