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第2幕〜VSシーサーペント

 

 アミュの嫌嫌をなんとか乗り切ったオボロ………。

(幼稚園の頃のナナを思い出す……な)


 アミュはオボロのピッタリ隣に居る……。


 クロネは後ろの方で、嘴の上下を左右にガリガリ擦り合わせている!

(なんて、馴れ馴れしい!)


 大きな蜘蛛にピタリとマークされ、オボロは頭から尻尾の先まで逆立っている!本能的に警戒してるようである!

(話し方は、子供っぽくて怖くはないのだが………外見と大きさが………)


 ちなみにクロネとアミュの大きさは……職人のベンツとも言われている〇〇エースくらいと、オボロは感じている。


 ゴーラ達はまだ船室の方へ避難している……。


「ねぇねぇ?お兄ちゃん?なんでこんな所に居るの?」

 と、健気に聞くアミュ。


(いや!そのセリフはこっちが言いたいくらい)

 と思いつつオボロは

「んとね、さっきアミュちゃんが遊んでた生き物を追い払いに来たんだよ」

 やはり幼稚園児と話すように。


 アミュ

「じゃっアミュもお兄ちゃんと一緒に追い払いたいっ!」


 クロネはアミュを助けた時から気がついていた……自分よりも明らかに魔力量が多い事を!


 オボロ

「アミュちゃんは戦えるのかな?」

 なるべく目線を合わせないように……。


 アミュは前脚を4本上げて

「んー!ここまで来るのにぃ、たっくさん捕食してきたんだよっ?」


(ほ、捕食!?……まぁ、とりあえず、自分達に危害は加えなさそうかな)

 と思うオボロ。


 オボロはクロネへ確認しようと向くと━━

 右の羽根を前へ差し出し「どうぞ」と言わんばかりな態度。


 オボロ、クロネ、アミュの中で微妙な空気が漂う……。


 オボロ、いや青葉爽太は、それなりに女子とは会話したり遊んだりはしていたが、恋愛らしい恋愛は……妻のマキだけであった……。なので女心……♀心は鈍感と言っても過言ではなかった!


 と、クロネが少し苛立ってアミュに近づき

「アミュちゃん?これから戦いに行くの!怪我するかも知れない!だから、オボロ様の言うことは聞いて頂戴ねっ!」

 ビシッと言い放つ!


 それを受けてアミュは

「もぉクロネお姉ちゃん!当然だよっ!王子……お兄ちゃんの言うことは聞くよっ!」

 途中で言い直しはしたが……なんともあっさりな言い草である。

 こうもあっさり言われ、なんか言い返せないクロネ……。


 アミュは二人の前に出て振り返り

「……ちゃん、はつけなくて良いよ?お兄ちゃん!クロネお姉ちゃん!」


 オボロ、クロネは顔を見合わせて

「おう……わかったよ」

「わ、わかりましたわ」


 何となくまとまったところでオボロは仕切り直しをし、追い払うにあたって、作戦を確認した。船室へ避難してるゴーラに追い払うのではなく、退治しても構わないかと大きめな声で聞く……。ゴーラは即答で両手を○のジェスチャー。何故そんな事を聞いたかと言うと……クロネもアミュも、黒鳥と蜘蛛……。どう考えても狩りをする生き物……。追い払うより退治したほうが早いと考えたオボロ。


 戦うにあたりオボロは自分とクロネの能力を簡単にアミュに話す。オボロはオーラで身体強化し爪などで接近戦、クロネは風魔法と羽根を使った遠距離な攻撃。アミュはどんな能力あるのか尋ねる。


 アミュはしばらく考えながら

「んーアミュはお尻から糸出せるよっ!あと噛み付いて毒注入!それから……これ、かな?」

 と、鋭い鎌のような前脚をシャキンと見せる!!


 ━━と、クロネが

「ねぇアミュ?あなた魔法使えるんじゃなくて?」


 ………


 アミュは答える

「魔法?丸い模様で、たくさん文字みたいのが出てくるやつのこと?」

 と、中途半端な言い回し。


 クロネは少し呆れながら

「そ、そう……魔法陣って言うのだけれど……そこからどんなのが出せるかしら?」


 アミュは顔を上げ……

「マザーにあんまり使うなって言われてたけど……こっそり使った事あって……確か岩?石みたいのが出てきたよっ!」


 クロネは確信した!

「オボロ様。アミュはおそらく土の魔法かと思われます!」


 ━━━と、アミュが前脚を掲げ魔法陣を展開し始めた!!漁船からはみ出るくらいの大きさの!!


 慌てて止めにかかるオボロとクロネ!!


「だめだめだめぇぇ━━!!」

 オボロが叫ぶ!!


 アミュ「?」


 クロネはあの魔法陣の大きさを見て愕然とした……。

(この子……とんでもない魔力量なのでは?)と。


 オボロは

「アミュ!ここで使うのは……止めよう、ね」

 掲げてた前脚を降ろすようにジェスチャーしながら……。


「わかったっ!」


 無邪気な返事のアミュ。


 オボロもクロネも、アミュは子供と認識する。


 ━━━漁船がゆさゆさ揺れた!


 海面の波が高くなっている!


 クロネが飛び上がり全体を見下ろす………!


 海面に潜んでいたシーサーペントが顔を出し漁船の方を見ていた!


 クロネは甲板へ戻り、餌袋を持ったオボロを確認し、かぎ爪で掴み舞い上がる!

 アミュには崖伝いでシーサーペントの所まで向かってと伝える!


 シーサーペント上空で、餌袋を開け小魚をばら撒くオボロ!


 糸を使い、鋭い脚を使いオボロを追うアミュ!


 海面に撒かれた小魚は……

 シーサーペントが海水ごと吸い込み瞬く間に消えた!


(一瞬かよ!)


 策が無くなるオボロ!


 大きな魚ならどうか?と、クロネは言う。待機している漁船の先に大物が居るらしくクロネは捕獲可能だと!


 ……


 オボロは下のゴツゴツした岩場へ降ろして欲しいと言い、大物の捕獲をお願いした!

 未知数だがアミュと時間稼ぎをするつもりと!


 アミュはなんとか追いつき、崖の中程に糸を垂らし揺れていた!


 オボロを岩場へ降ろし、そのまま漁船先へ向うクロネ!

(頼みましたわ!オボロ様)


 多少は動けそうな岩場……。


 オボロはアミュに

「アミュ!さっきみたいに奴と遊んでくれないか?」

 と、下から叫ぶ!


 前脚で敬礼をしシーサーペントの真上あたりへ移動し、糸を垂らし上下に動くアミュ!


 シーサーペントがアミュに狙いを定めて海面から飛びかかる!


 オボロは岩場ギリギリで足を踏ん張り裂空爪を放つ!

 当たりはしたが鱗に傷が付く程度……。


 アミュは笑いながら糸で上下に移動しおちょくっている!


(アミュが良い囮になってくれている!これは助かる!)


 シーサーペントが海面で暴れるため波飛沫がオボロにかかりまくる!

 身体をぶるぶる震わせ水気を取りながら、裂空爪を浴びせる!やはり硬い鱗……効果が無い……。


 シーサーペントをおちょくりながらアミュは

「お兄ちゃん!戦いにくそうだから地面作ろうか?」

 と、謎な発言。


 オボロ「?」


 返事も聞かずアミュは大きな魔法陣を自分の真下の海面に展開する!

 魔法陣の範囲内にシーサーペントも居る!


「アースグレイブッ!」


 魔法陣から斜めに切り立った岩がいくつも現れ前方へ広範囲で進んでいく!その進行にシーサーペントは巻き込まれ海面に飛ばされた!


 オボロは口を開け、立ち尽くす……。

(こ、これが魔法なの?)


 アミュは前脚をカチカチ鳴らし喜んでいる!


 アミュのおかげで広めな足場が出来てオボロは動きやすくなった!


 海面から頭だけ出しているシーサーペント……。円錐状の角がキラリと陽の光で輝く!


 ━━━!


 海面から上半身まで出し、水掻きのある手で地面を叩きつける!

 破壊される岩場!

 その衝撃で砕けた岩が拡散する!

 オーラで身体強化し手で払いのけ、避けるオボロ!

 アミュは急いで崖に登り避難!


 狭くなる地面!


 シーサーペントは口を開け海水を流し込んだ!

 しなる様に仰け反り

 顔を前に突き出す!

 その勢いのまま口を開き━━

 海水を一気に放つ!!


 オボロは身体を丸め足を踏ん張り防御する!


 海水まみれのオボロ!

 むせるオボロ!


 ━━━!


 アミュが崖から降りてきて、地面に顎を乗せているシーサーペントの首に飛びかかり………!


「ガブリ!」


 と、ひと噛みし即座に糸を崖に飛ばし巻き上げるようにして避難した!


「お兄ちゃん!効くかわからないけど……麻痺毒注入したっ!」


(少しは動き鈍くなるかな?)

 と、ぶるぶる震わせ水気を落とすオボロ。


 ……


 唸り声を上げるシーサーペント!大きく長い身体をばたつかせている!効果が出てきたらしい!しかし、巨大をばたつかせるため、地面が割れ、海面へ沈んで行く……。


 地面が無くなりつつあるオボロ!上を見上げ

「アミュ!その状態のまま俺を持ち上げられる?」


 地面を割りながら巨大をくねらせるシーサーペント!


 アミュがオボロの上まで糸を垂らし迎えに来た!脚6本でオボロを抱きかかえクレーンの様に糸を巻き上げるアミュ!

(さて、どうするか……?)

 決め手にかけるオボロ……。


 そこへマグロくらいの大きな魚をかぎ爪で掴んだクロネが飛んで来る!


「オボロ様!お待たせしました!」


 ━━━!


(外が駄目なら……内側)


 オボロ

「クロネ!魚を奴の真上へ投げて!大口開けてる所に1発ぶちかます!」


 クロネはもがいているシーサーペントの顔の前に魚をちらつかせ飛ぶ!


 もがきながらも魚に目を奪われるシーサーペント!


 オーラを右手に溜めるオボロ!


 アミュにクロネが魚を投げて俺が合図をしたら、魚よりも高めに放り投げて欲しいとお願いした!


 数回旋回するクロネ!

 それに釣られるように海面を、もがきながらも誘導されるシーサーペント!


 クロネがオボロを見る!


 オボロは準備万端な様子!


 魚をかぎ爪から離し落とす……。


 真っ直ぐにシーサーペントに落下していく魚……。


 魚とシーサーペントを見るオボロ!


「アミュ!頼む!」


 アミュは身体を大きく揺らし遠心力を使いオボロを空高く放り投げた!


 オボロ、魚、シーサーペントが、ほぼ垂直に並ぶ!


 右手には溢れるオーラ!


 魚が食べたい為に大口を開けるシーサーペント!


 落下する魚とオボロ!


 魚の方が速く落下して行く!


(口が閉じる前に!)


 ━━━!


 クロネが落下するオボロの足を、羽根で優しく叩き落下速度を上げた!


(ナイス!クロネ!)


 そのおかげで魚に追いつくオボロ!


 口はまだ開いたま!


「行っけぇぇぇ!」


「肉球砲ぉぉぉぅ!」


 魚を包みそのままシーサーペントの口の中に肉球砲が放たれる!!


 飲み込んでしまうシーサーペント!


 クロネはオボロの救出へ向う!


 肉球砲が体内で加速する!!

 ………


 海面に赤黒い血が一面に浮かび上がる………。

 体内で破裂したか貫通したようだ……。


 白目を向き、頭を岩場に落とすシーサーペント!!



【戦歴】


 オボロ・クロネ・アミュ

 VS

 シーサーペント


 連携しオボロの体内直撃の肉球砲で、勝利


【能力】

 ・アミュ

 噛み付き(麻痺)

 魔法 アースグレイブ



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