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第2幕〜オボロの恩返し・3

 

 1日休暇をもらい、リフレッシュしたオボロとクロネ。


 丸太らしい丸太が大量に積み上げられている。

 基礎の方もグリナが頑張って仕上がりそう!

 オボロはグリナに丸太に溝を作り、それをきっちり組み合わせる説明と実技をやって見せた。溝の組み合わせの深さ、サイズがぴったりになるよう目安の線をオボロの爪で引っ掻いてガイドラインを付けて、溝をくり抜き丸太同士を組む。試作品を展示し、それを参考にグリナにやらせてみる……。

 グリナが習得するまで、手の空いたマーマン達は大木運搬や、丸太作りをしてもらった。


 2日後━━


 オボロの指導のもと、グリナは合格点をもらうことができた!

(ここからがメインだ!)

 意気込むオボロ!


 土台の基礎と床……。

 本当は床は集めな板が欲しかったが、ここの工具や技術では無理そうなので、同じ太さ大きさの丸太を並べて凹凸はあるが床にした。

 そして壁……。

 溝をくり抜いた丸太同士を井型のようにして積み上げて行く………。ガラス窓は無かったので、何ヶ所か四角にくり抜き通気性と採光性を考えてオボロが場所を指定。

 出入り口はマーマン達が、ゆったり通れるくらいな広い間口にした。


 ここまで進めるのに1週間ほどかかった………。


 さすがのグリナ達も疲労が出たのか2日間作業をストップし休暇とした。

(職人は基本週休2日!休むことも……仕事)

 と、オボロは思い出していた。


 ━━休暇1日目


 クロネは木陰でくつろいでいる……。今日は何もしたくない様子……。

 長老はいつもの長椅子に座り村内を眺めている……。

 オボロは雑貨屋のルーベの所にいた。薬草とか小物を入れる鞄は無いかと相談してる。オボロの希望はベルトに取り付けられ、動いても邪魔にならないくらいな四角の鞄。地面に雰囲気を描いて説明したり、身振り手振りで説明した。その説明を聞いたルーベは数日くらい時間が欲しいとのこと。希望に添えるかわからないが作ってみると。


 オボロは木陰で昼寝してるクロネの元へ。隣に座り込みマーマン達を観察してた……。子供も女性も皆ガッチリした体型で筋肉質!マーマンの女性陣は男衆と同じくらい動いている。漁についていく者、グリナ達と力仕事をしている者、それでも食事の時間には女性陣は総出で調理に取り掛かっている!しばしば目撃するのが、奥さんに、だろうか……ガミガミ叱られてる男のマーマンを見かける……。……マーマンの男達は……女の知りに敷かれてるのでは?と感じてしまうオボロ。


 陽気が良いので、少し眠気を感じたオボロ……。


 昼寝してるクロネの身体に、ついついもたれ掛かってしまうオボロ。

(クロネの身体って意外とふわっとしてるな……)


 木漏れ日の中……仲良く昼寝するオボロとクロネ……。


 ━━休暇2日目


 集会所も基礎も完成し、外壁もオボロの背の高さくらいまで組み上がっていた。マーマン達は集会所の周りに足場を組み始めている。足場に関して、すでにマーマン達は使っている技術なので強度や足場の組む位置など細かなアドバイスをしただけでグリナは理解してくれた。


 集会所を遠くから眺めるオボロ……。

(だいぶ組み上がったな!あとはグリナ達に任せても平気かにゃ?)


 ………中央の大木のてっぺんにクロネがいた!

 今朝からクロネの様子が、そわそわしてたのが気になっていたオボロはクロネを呼ぶ。


 クロネは呼ぶ声に気付き、オボロの元へ………。


 オボロを人気の無い所まで誘導するクロネ………。

 付いていくオボロ……。

 村と砂浜の境目あたりの岩場の陰へ……。


 クロネは小声で

「すいませんオボロ様……以前長老が仰ってた……洋館のほうが気になって……」


 オボロ「?」


 クロネ「なんか……こう……強い魔力を感じるのです……」


 オボロ「……魔法が使えるようになったからにゃ?」


 クロネ「……おそらく」


 不思議がってるオボロ。


 クロネ「自信はありませんが……強めな魔力……それから……消えそうな魔力……2つ」


 オボロ「ダリルみたいに強い獣でもいるのかな?」


 クロネ「そこまでは……不明です……その魔力の持ち主が村に来ないとも……言いきれませんわ!」


 ……


 オボロ「クロネはどうしたい?」

 と、尋ねる。


 クロネ「私としては……村が襲われる前になんらかの対処すべきかと!」


 オボロ「考えは……一緒だにゃ!」


 二人はとりあえず長老に相談することにした。


 まだ長椅子に座っていた長老に相談するオボロ。

 それは、魔力感知と言うもので魔力量が多い人なら可能な技術。魔法覚えたてのクロネが使えるようになってたのは驚いてた長老。

 ……

 ……

 ……

 ……

 ようやく口を開く長老

「古い洋館……行ってもかまわんが、危険だと感じたら逃げなされ……こんな所で命を落とすのは……惜しいからのぉ」


 一応長老の許可は得られた……。


 ━━と、長老がローブのポケットから何かを取り出した。


 長老「マーマン特製の薬丸じゃ。ポーションを固形化したようなものじゃよ!」と、2粒オボロへ渡す。


 オボロはズボンのポケットへ押し込み、クロネと共に村を後にした!



 ━━━洋館


 ロビーの大広間。


 灯りも無く、薄暗い。


 廊下の絨毯は色褪せ、柔らかさは等に無くなり、ボロボロ。


 窓ガラスは割れ、破片が散らばっている。


 洋館入り口の扉の真上にある大きな色とりどりなステンドガラスだけは、なぜかそのままキラキラと輝いている。


 階段の手すりは一部崩れて床に落ちたまま。

 壁には高価そうな絵画の額が飾られてあるが、長い年月で風化しどれだけ価値があったのかすら不明。


 妙な息づかいが響く━━


 ???「フシュー!フシュー!」


 ???「さぁ!今宵は満月!僕達にとって……最高の日になるでしょう!」



 ???「日が暮れるまで……しばしお待ちを………」




 ???「愛しのフィアンセ」





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