第2幕〜オボロの恩返し・2
ログハウス作成二日目━━
オボロは長老に木が大量に必要なため、どこら辺の木なら伐採可能か尋ねた……。
……
しばし考え長老は……村の入り口周辺のなら構わないとのこと。可能なら、道幅を広くするように伐採してほしいと。定期的にこのザザ村の南方に町があり物々交換的な事をして交流があるので、見通しが良いと助かるらしい。オボロは快諾し、伐採係はオボロとクロネですることにした。オボロは裂空爪でクロネはエアカッターで。運搬はクロネとマーマン達。オボロは伐採をヘルプしつつグリナの指導をした。
グリナには基礎の重要性を教えた。家の土台となる部分。ここさえしっかりしておけば、長持ちはすると。まずは建設予定の整地をし、終わったら地面に線を描きスペースの確保をお願いした。
伐採はオボロとクロネでスムーズに進むが……運搬と丸太にする作業に時間が取られた。
運搬と丸太にする作業だけで1週間ほど費やしただろうか……オボロもクロネもクタクタであった……。マーマン達はスタミナがあるのか……疲労を微塵も感じさせない……。オボロはグリナに明日1日休ませて欲しいと伝えた。グリナは頑張り過ぎは良くないから休暇に賛成してくれた。
━━翌日
オボロはグリナに指示し、クロネとのんびりすることにした。
オボロは辺りを見渡す……
（あれ?いつもの長椅子に長老が座ってない……皆の言ってたふらぁと散歩ってやつかな?）
……
オボロの後ろで、もじもじしてるクロネ……。
（せっかくのお休み!オボロ様と親密になるチャンス!）
十分親密かと思われますが?クロネさん?
クロネはオボロに
「あ……オボロ様?……少し砂浜……散歩しませんか?」
オボロはごくごく普通に快諾した。この普通に返事をするオボロに、なぜかトキメククロネ。
━━━砂浜
波打ち際を並んで歩く2匹……。
今日は海が荒れていて波打ち際も音が騒がしく波飛沫も強い……。
歩いていると少し小高い岩場があったのでそこへ登り、ペタンと座るオボロ。クロネは隣に両足を折り畳みくつろぐ。
遠くの海がうねるように荒れているのが確認出来る……。
（なんかこの景色……はぐれ島を思い出す）
オボロ
「ダリル達、元気でやってるかな?」
クロネ
「そうですわね……なんかしぶとそうだし、気にするほどではなくて?」
オボロは
（本気なのか冗談なのか……読めない!）
「そ、そーだな!ダリルなら大丈夫か━━」
苦笑いなオボロ………。
うねる海の音……
クロネ
「魔法……使えるようにはなったのですが……私、魔法陣を出すのが面倒ですの……」
オボロ
「え?そうなの?」
（クロネって……面倒くさがりなのかな?）
クロネは立ち上がり海の方へ飛び、オボロから離れた岩壁を前にする!
両羽根に魔力を溜め……
バサッバサッと数回
━━━無数の黒い羽根が素早く飛び━━岩壁に突き刺さる!!そして……突き刺さった岩壁はヒビが入り海へ砕け落ちた……。
クロネはオボロの方へ向き
「どうでしょう?オボロ様?」
オボロ
（どうもこうも……雑魚が一掃出来そうじゃん……）
「素晴らしいよ!クロネ!……ところで抜けた羽根は?」
クロネ
「時間が経てばまた生えて来ますわ!」
オボロ
「あーなるほど……。羽根が無くなるまで打てないから使い所は見極めないと、だね」
頷くクロネ。
オボロの隣に戻るクロネ。
「その……オボロ様に……先程の技名をいただきたく……」
自信なさそうに訴えるクロネ。
腕を組み……思案するオボロ……。
（羽根が釘のように飛んで突き刺さる印象……だったな……）
……
…………
荒れる海を眺めながら口を開くオボロ。
「羽釘弾」
「どう、かな?」
クロネは羽根を嘴に当て
「素敵です!有難く頂戴いたしますわ!」
受け入れてくれて安堵するオボロ。
……！
遠くの海面に霧がかかってるのが見える!
その霧の奥に何やら首が長い生物が見えた!
低い轟音とともに、その生物は海面へ沈んで行き、霧が消えて行く……。
すると先程まで、うねりをあげていた海面が……穏やかになって行く！
その一部始終をオボロとクロネは不思議そうに見ていた……。
2匹顔を合わせ……
オボロ
「……ゴーラ達が言ってた海神様ってやつ?」
クロネ
「……海神様……でしょうか?」
2匹同時につぶやいた……。
見える範囲の海面は太陽の光が反射し、キラキラと輝いていた。
【能力】
オボロ
・オーラによる身体強化と五感強化
・裂空爪の飛距離強化
・チャクラ
・肉球掌底
・肉球砲
・丸鋸落し
クロネ
・魔法アクアボール
・魔法エアカッター
・羽釘弾
・魔力による身体強化
