第1幕〜リベンジダリル・2
(……なんだよ?あれ?オーラ飛ばしてきた、のか?)防御姿勢のまま考えるオボロ。
もふもふの体毛が少しチリチリになっているオボロ。毛づくろいしたくてたまらない。が、今はそれどころではない。
ダリルは一歩前へ出てダリルキャノンを放とうとしている!
口を開き放たれる━━!
1発!そして2発!━━連続で!
オーラを上げて防御に徹するオボロ!
棍棒を支えにダリルは
「子猫ちゃんが、まる焦げになっちゃうねぇ!」
ダリルの口からは煙のようなのが漏れている!
(オーラ使いすぎか?)
分析するオボロ。
ダリルは左で棍棒を振り回しオボロへ襲いかかる!
構えるオボロ!
砂浜をスライディングしてダリルの懐へ潜り、そのまま立ち上がり、手のひらで顎を押しやる!!
「肉・球・掌・底!」
顎から脳へ振動が伝わる!!
よろめくダリル!
そこへ溝落ちあたりに両手で肉球掌底を当てる!!
「んにゃら━━!」
よろよろと後退し、尻もちをつくダリル!
息を切らせながら、距離を取るオボロ!
ダリル「や、やるねぇ?子猫のオボロちゃんよぉ?」
棍棒を支えにし、なおも立ち上がる!目は死んでないダリル!
オボロも同様!負けるわけにはいかない!
♂の意地のぶつかり合い!
右肩の痛みを耐えながら、飛び上がり口を開く!
またもダリルキャノン!
やけくそなのか?命中率が悪い。オボロの周りに3発!砂煙が舞う!オボロはダリルを見失う!
━━━!
目の前に棍棒の先が!
左腕で棍棒の突きをしてくる!
数発くらいながら、後退していくオボロ!
━━━岩壁近くへ!!
後がなくなったオボロ!
ダリル「ふふっ!追い詰めたようだねぇ?」棍棒を肩に担ぐ。
オボロは砂浜をチラリと見る!
ダリルとオボロの間に、砂がササーと動いてる部分がある!
(やっぱりここの位置は奴の狩り場なんだな!悪いが利用させてもらうよ)
オボロは挑発するように
「あんた、ヘロヘロだねぇ?さっきのダリルキャノン?ネーミングセンス……ダサくね?」
両手で口を押さえて笑いをこらえる。
クロネも同様にしていた!
イラッと来ているダリル!
オボロはさらに
「そうそう。手下達使ってさー自分だけ楽しようとか……長としてみっともないよ?俺があんたの手下だったら……見限るよね!……まぁもっともぉ頭下げられてもぉ手下なんかにゃならないけど!」
棍棒を持つ長い腕をクルクル振り回し、オボロへ突撃してくるダリル!
ダリル「ったく!口の減らねぇ子猫だなぁ━━!」
棍棒を振り回すダリルを見てオボロは
(振り回す……回す……回転……回転……そうか!回転!)
オボロは少し横に動く!
ダリルも同じくらい横にずれる!
━━━!
ダリル「なっ!?」
動く砂渦に足を取らる!
オボロは飛び上がりダリルに蹴りを入れ、砂渦中央へよろめかせる!
砂渦に埋まりつつあるダリル!
もがけばもがくほど、厄介な砂渦!
トツは槍を持たずに助けに行こうとする!
━━━!
クロネは呆れたように羽で制する!!
「懲りないわねぇ?アナタ、も!きっとここから素敵なシーンよ?」
オボロは岩壁を見る!
(あの高さからなら……)
岩壁を軽々と登っていくオボロ!
砂渦でもがいてるダリル!
砂渦中央では蟻地獄が見え隠れしている!
(あんなに軽々とあの岩壁を!……どんな戦いしてくれるの?オボロ様?)微笑むクロネ。
━━━!
岩壁の奥からの助走をつけて大の字でダイブするオボロの姿が!!
(試す価値はある!この高さからの落下なら!猫の滞空時間の長さなら!!)
ダリルと蟻地獄の真上まで来たオボロ!
オーラを体全体に巡らす!
ありったけのオーラを放出するように!
(イメージは………そう!丸鋸!!)
大の字から体育座りのようにして体を丸める!
オーラがオボロを包み溢れ出る!眉間から尻尾の先にノコギリの刃のような突起物が現れる!
ダリルは蟻地獄にはまって、未だもがいている!
そして落下━━━!
「んにゃー!!丸鋸落しぃぃ━!!」
ダリルに回転しながら落下し激突!!
砂が勢いよく舞い飛び散る!!
オボロは目を回しながらも、砂渦から遠くへ避難し、片膝で待機!
蟻地獄はびっくりして地中深くへ行ったようだ!
一方ダリルは………
白目を向いてぐったりしている!!
オボロの勝利!!
クロネは、羽を広げオボロに迫る!!
「さすが!オボロ様!見事な一撃でしたわ!見ていて飽きませんわ!」
オボロ「ん?そうかなぁ?」
少し照れながら。
━━━!
トツが二人の前に現れる!
頭を下げ、ダリルを手下達が神輿まで運んで行く。
オボロ「早く手当てして……やれよ」
クロネは大はしゃぎで砂浜の上を飛び回っていた。
【戦歴】
オボロ VS ダリル
丸鋸落しによりオボロの勝利
(吸血ヒトデと蟻地獄のサポート有りで)




