【超短編】上の行から読めば「兄弟げんか」、下の行から読めば「仲直り」(315字)
【兄弟げんか】
お兄ちゃん、だーいすき!
お兄ちゃんはボクに、お気に入りのミニカーの中から、赤いほうを貸してくれた。
「……しかたないなあ」
ボクは、お願いだから貸して、って頼んだの。
お兄ちゃんは、優しい。
だけどボクは知ってる。……お兄ちゃんはいつもそうだってわけじゃない。
「お兄ちゃんだって、ゆずれないこともあるわよね」と、お母さんが言ってた。
「やっぱり嫌だよ、このミニカー貸したくないっ」
なんだかとっても悲しくなった。
ボクはぐっと涙をこらえる。
お兄ちゃんがボクの手から、ミニカーを無理やりもぎとった。
どうしたってお兄ちゃんには、力では勝てっこないんだもん。
こうなったら、もうボクは、こう言うしかないよ。
あっかんべ~だ!
お兄ちゃんなんか、大っきらい!!
【仲直り】
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