悪党の仕事
戸惑いながらもおれは奴の言う通りに着いていくことにした。
今さらあがいても仕方がないだろう。
ただ、一つ気になっていたのは、神っぽい人が言っていたことだな。
「半分に減らす」ってのはどういうことだ?
ところで、さっき俺を案内するとか言った男は車に案内した後は、俺のとなりで無言になっている
俺が色々考えてると、奴は気付いたようにはなしはじめた。
「君は今戸惑っているようだ。まあ、予想はできる。何をさせられるのか不安なんだろう?もう車に入ったことだ。我々シンジケートがしていることを君にはなそう。」
そう言ってスーツ姿の奴はネクタイをなおした
「我々シンジケートが掲げている目標は君も知っての通り、人口を今の半数にすることだ。
そのためには政府をコントロールし、裁判所に圧力をかけ、国会に議員を送り込む。
我々は手段を問わない。
目的のためならなんでもする。君にはまずそれを理解してもらいたい。」
さっきから話が抽象的すぎると思ったが、続けて聞くことにした。
「我々は普段から様々な機関に圧力をかけてきたが、応じない者も一定数いるのが事実だ。
そんな者は排除することが普通だが、少し前に仲間が捕まるという事件があった。
勿論、ニュースになることは防いだ。その上、仲間にも最大限の配慮をしたから、大事になることはなかった。
しかしだ、我々の排除方法が適切なものになっていないことはわかった。
そこで君の出番だ。君には彼らを適切な方法で排除してもらいたいのだよ。」
俺は驚くことが多すぎて、脳の処理が追い付かないと思ったが、意外にも戸惑うことはなかった。
やることが分かればこっちのものだ。
「わかった。俺はテ キ セ ツな排除方法を見つければいいんだろう。できるかはわからないが、やってやろう。」
スーツの男は安心したように席に座りなおすと思い出したように話し出した。
まだ何かあるのか。多いな
「もう一つ君に頼みたいことがある。
さっき我々の目的は人口を半数に減らすことだと言っただろ?その方法と計画を考えてもらいたい。勿論これはゆっくり考えてくれればいい。だが、神は君にしかできないと言った。どんな案を出すのか楽しみにしてる。」
俺は今まで生きてきたなかで、知恵なんか使ったことはなかったし、そんなものなかった。
ただ、できるような気がする。
言葉に表せないような自信が沸き上がる。
「それは考えてやる。そんで、一つ聞きたいことがある」
「なんだね」
「俺が排除する相手ってのはだれだ?」
奴は待っていたと言わんばかりに即答した
「現職、首相だ。」