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悪党の復讐  作者: 島津宏村
誕生と暗躍
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始まりの物語

今日俺は一回目の死を迎えた。振り返って

みると実に平凡な生活だった。


いつもの電車を待っていると、後ろから誰か

に押されて電車に引かれてしまった。

恨む気もない。


今はそんなことよりあの世ってものがあったことにおどろいている。


今まであると思っていなかったものが当然のよ うにあらわれた。


だがそこにはなにもなかった。いわゆる無の世界。あたりは真っ白でなにも見えない。


このまま永遠にここにいるのだと感じた。

とても悲しかった。

俺はなにも成し遂げていない。

子供もいなければ財産もなく、社会になにも貢献できず、ただ生きていただけなんだ。


何かを残したかった。頼むからもう一度やり直させてくれ!


俺はそう願った。


すると、何か心のなかから溢れてくるものがあった。


それは 今までなかった、運、勇気、力 知識

俺に欠けていたもの全てが何かに与えられたような気がした。


溢れんばかりの力が血を駆け巡る。


心臓の鼓動が聞こえる。


勇気に満ち溢れている。


そんな気がした。 ……?


心臓の鼓動?


おかしい。そんなはずはない、俺はたしかに死んだんだ。


だが、心臓は動いているし、脈もある。視界が一気に明るくなった。

天からなにかが、たしかに降りてくることを感じる。

天使だ。

俺はそう感じた。天使は俺のもとに来るなりこう言った


「いいですか、あなたは神に選ばれました。

神の命令はこうです。」


そう言って、天使は声を変えた


「お前はこの私に選ばれた。


私は人間を作ったことを後悔している。


お前たちは賢いあまり、とるべき行動を間違

えたのだ。


だが、私は知っている。

どれだけ私がとがめようとも、お前たちはそ

れを無視することを。


そこでお前に使命を与える。


私はお前に力を与えた。お前がほしい力をや

った。


お前はそれを使って人を今の半分にまで減ら

せ。


お前は私の使いだ。さあ、洪水を降らせてこ

い。人間の考えを改めさせよ。」


神の声だ。

天使を通じて俺に神が話しかけている。

俺はその事実が信じられなかった。

「必ずや成し遂げてきます。」


俺はそう言った。


俺は復活するんだ。

体が勇気に満ち溢れる





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