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4 召喚術士にしよう

 朝起き、宿屋の食堂で食事をしながら今日の予定を考える。クラスは結局どうするか。出した結論が召喚術士。召喚獣はこちらのステータスは関係なしに召喚術士のレベルで強さが決まる。うん、いいね。これなら強さをごまかすことができる。


 この世界のことをよく知らないうちは目立った行動は避けたほうがいいだろう。変なやつに目をつけられたら面倒だからな。それから魔物の大群が押し寄せて来たり、強い魔物が相手で火力が欲しい場合は魔法を使えばいい。召喚術士のレベルが上がれば他の手段があるけどまだ無理なんだよね。


 朝食を食べ終え、お腹を擦りながら後回しにしていたオプションを調べることにした。そうだ、ここまでなんの疑問も抱かなかったけど、会話や読み書きが問題なく出来ていたな。調べると「会話日本語」「読み書き」というものをみつけた。


 会話日本語は日本語で会話が可能になると説明が。他英語とこの世界の言葉らしき言語ある。試しにこの世界の言語に変えて女将さんの話を聞いてみたが、何を言っているのかさっぱりわからなかった。日本語のままでいいな。


 読み書きはオンオフがあり、オンなら読める、書ける、オフだと未知の言語に見えるといったもの。試しに読み書きをオフにしてみる。カードを取り出して見てみたが全く読めない。オンに戻すとまた読めるように。書く方もこちらの言葉で書けた。便利な機能だ、現代でも欲しかったな。


 オプションスキルを一通り確認。どんな物があるか軽く覚えておいてと。ふむふむ、今のところはこのまま触らなくても問題なさそうだ。

 うん、こんなところかな。神殿に行ってクラスを変えよう。神殿へ向かう。


「召喚術士ですか。おすすめはできませんが」


 難色を示す神官さん。召喚術の召喚獣は強力なのだがSPを大量に消費する。召喚中はずっと減り続け、召喚獣のスキルで更に減る。SPが尽きたら休憩が必要、ほかクラスと比べ狩る数が減るからレベルの上がりが悪くなる。連戦するならSP回復薬が欲しくなりとてもお金がかかってしまう。こうした理由から育成難易度が高く、狩りに向かないクラスになっている。


 そのため召喚術士は金持ちや国がかなりの支援をしてようやく強くなるクラスだといわれている。


 それからゲームの設定の話になるのだが、NPC、この世界の人の場合は複数のクラスのレベルを上げるよりも、1つに絞ったほうが強くなる。高レベルで覚えるスキルが強力だからだ。一生で得られる経験値量は限られているからね。俺の場合は経験値超アップを持っているから全クラスから全スキルを余裕で取得出来ると思う。


 なら先に「ネイキッド」を上げて経験値アップを狙えばと考えるかもしれないが、序盤のネイキッドはろくなスキルを覚えず、他クラスが優秀なため、上げようとする人がまず居ない。そして経験値アップは非常に入手困難なスキルで、最高効率の狩場でもとんでもなく時間がかかる。これをNPCが取得しようとした場合「千年以上かかるでしょうね」と開発者がインタビューで語っていた。


 この世界には人間以外の種族が多数いるが、基本的にどの種族も寿命は人間と同じ100くらいまで。どうやっても取れない。そもそもこの世界の住人はこのスキルの存在自体、知らない可能性がある。


「ふむ、なにかお考えがあってのことだとは思いますので、クラス変更をしましょうか」


 召喚術士に。それからスキル「フィストドラゴン」を手に入れた。

 召喚術士にはもう一つ弱点がある。召喚獣を手に入れるためには、この「フィストドラゴン」以外は召喚獣が住んでいる場所へ行き契約をする必要があること。相手によっては戦闘になる場合がある。そうなると通常一人では難しい。当然どこに住んでいるか情報を得るのも大変だ。今後は情報収集も重要になるな。


 道具屋へ行き、召喚獣契約書を購入。これで契約できるようになった。いつ出会うかわからないからな、先に買っておいたわけだ。そこそこのお値段、おかげで所持金はほぼゼロ。しっかり稼がないと。ギルドで依頼を受け外へ。人気のないところで召喚を試す。


「現れいでよ、フィストドラゴン」


 地面に小さな魔法陣が出現、その上に拳大の大きさのドラゴンが現れる。この小さなドラゴンがフィストドラゴン、「召喚獣」だ。

 小さいからといって侮るなかれ、強力な攻撃力を保有しており、スキルも強力。


『仕事の時間か』

「ああ、頼むよ」


 さてと、問題はSPをどれだけ使うかだ。今日1日出しっぱなし、敵と遭遇したら全力でやってみよう。本来なら敵と遭遇してから召喚獣を呼び出す戦法が主流。


 暗くなるまで街の外で戦闘を続けた。結果ずっと出し続けて、スキルを使い続けてもSPは枯渇しなかった。


 帰ろう、そう思い周りを見渡す。暗闇で先がほぼ見えない、頑張りすぎたか。街まで距離がある。着くまでに闇夜に乗じて不意打ちを食らう恐れがあるな。強行しても大丈夫かなと思ったが、一応安全策を取ることにした。


 オプション画面を開き「明るさ調整」を選ぶ。0~100、現在50。80に設定する。おお、かなり見やすくなった。様々なゲームで、暗すぎて見づらいって場合はこれが便利だよね。ホラーでやりすぎると怖さが減ってしまう場合があるけど。こうして道中は問題なく進行、そのまま街の中へ。


「まぶしっ」


 光が俺の眼を痛めつける。明かりがある街では目がやられてしまうな。設定を元の50に戻した。


 クラス神殿でSP残量を確認したところ余裕どころか一生出しっぱなしでも大丈夫そうなくらいのSPが残っていた。そうだよね、レベル上がりすぎたからね。召喚獣が弱いというのもあるかな。レベルが上って強くなるとSP消費量が増える。まあそれでも余裕はありそうだ。


 とにかく心配事はこれでなくなったかな。これからはこのまま召喚術士でいこう。

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